信じ抜くこと
少しずつ進みながら君は
速さを磨いてきた
強さを育んできた
ビリーヴとは、1998年生まれの日本の競走馬、現在はアメリカで繋養されている繁殖牝馬である。
比較的様々に距離の融通が利く*サンデーサイレンス産駒としては珍しい、生粋のスプリンターという強い信念(Believe)を持ったかのような馬であった。
主な勝ち鞍
2002年:スプリンターズステークス(GI)、セントウルステークス(GIII)
2003年:高松宮記念(GI)、函館スプリントステークス(GIII)
概要
父*サンデーサイレンス、母*グレートクリスティーヌ、母父Danzigという血統。母の姉に「The Iron Lady」と謳われた1986年のアメリカ・エクリプス賞年度代表馬Lady's Secretがいる良血である。
評判馬として迎えた新馬戦(芝1200m)は逃げ切って快勝するが、その後は気難しさやクラシックを目指して長めの距離を走ったりしたせいか連絡みすら出来ない日々が続く。
無理にクラシックを目指したのはLady's Secretの近親という事もあったからであろうか。その後短距離路線にシフトするが、オープン馬に到達したのは4歳の春であった。
開花を迎えたのはその歳の夏。再び1600万下に降級したのち、1600万下を連勝。その勢いのままセントウルステークスに向かいここも先行して上がり最速で他馬をねじ伏せ圧勝。
新潟で代替開催となったスプリンターズステークスに向かう。新潟でGI開催は2013年現在この年しかなかったためか、新潟競馬場は異様な熱気が満ち、さらに相手は不屈の闘志でカムバックしたアドマイヤコジーン、春のスプリント王者ショウナンカンプ、新星サニングデールなどメンツも揃っていた。
そんな中、前走の圧勝っぷりと、このレースからスイッチとなった武豊効果かなんと1番人気に推される。
レースは好スタートから逃げるショウナンカンプとそれをマークするアドマイヤコジーンを見ながら最内を進み、直線では馬場の真ん中に持ち出そうとしたところでアドマイヤコジーンがカットインして滑り込み彼女の進路を塞ぐが、それを見た武豊はすかさず空いた最内に彼女を滑り込ませる。
連勝時の勢いのまま突き抜け、アドマイヤコジーンを半馬身差抑え快勝。秋のスプリント女王に輝いたのであった。
年末は香港に遠征。しかし遠征で20kgやせ細るなど神経質な面を見せ惨敗。休養後春の大目標・高松宮記念を目指し阪急杯から復帰するがショウナンカンプが圧巻の逃げ切り劇を見せる中全く伸びず9着に惨敗してしまう。捲土重来を期した高松宮記念ではドバイ遠征予定で武豊が騎乗をキャンセルしていたということもあり、公営笠松から移籍したばかり、もちろんテン乗りの安藤勝己にスイッチとなってしまう。
様々な悪条件が重なる中、3番人気で迎えたレースでは途中で脚でも痛めたかのように失速するショウナンカンプを無慈悲に突き放し快勝。秋春スプリント女王として復活。
公営笠松から移籍したばかりの安藤勝己にとっては、嬉しい中央初GI制覇となった。
その後もスプリント女王として活躍するが、気難しさ故か連覇をかけたスプリンターズステークスで9割方勝っていたのにソラを使ってデュランダルに差し切られるなどイマイチピリッとしない面を見せつつ引退。
翌2004年春からアメリカで繁殖牝馬として暮らすことになった。
繁殖牝馬としては初子のファリダットと2012年産のフィドゥーシアがオープンまで勝ち上がり、2015年産のジャンダルムは2歳重賞のデイリー杯2歳ステークスや古馬重賞のオーシャンステークスを制し、遂に2022年スプリンターズステークスを勝利。自身の勝利から20年の節目で同レース史上初の母子制覇を成し遂げ、見事に母と鞍上の荻野極騎手に初のGI勝利を届けてみせた(奇しくも母子共に、鞍上に初のGI勝利を挙げるというドラマも見せた)
今後も母のような強い「信念」を持つ子が生まれる日は来るのであろうか。
血統表
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
*グレートクリスティーヌ 1987 鹿毛 FNo.22-d |
Danzig 1977 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Pas de Nom | Admiral's Voyage | ||
Petitioner | |||
Great Lady M. 1975 芦毛 |
Icecapade | Nearctic | |
Shenanigans | |||
Sovereign Lady | Young Emperor | ||
Sweety Kid | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Nearctic 4×4(12.50%)、Almahmoud 4×5(9.38%)、Native Dancer 5×5(6.25%)
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関連項目
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