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ビロライネン
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ビロライネン(Birolinen)とは、銀河英雄伝説に登場人物で、その名前を持つ人物は以下のふたりが存在する。

  1. 宇宙796年の帝国領侵攻作戦時、自由惑星同盟軍総部の情報主任参謀を務めた軍人。階級は少将
  2. 宇宙640年のダゴン域会戦時、自由惑星同盟軍統合作本部長を務めた軍人。階級は大将

活躍した時代に150年の違いはあるが、どちらも自由惑星同盟軍に所属している。両者の関係について、作中で特に明示されていないが、代々続く軍人の系というものは割とあるので、何らかの血縁関係があるのかもしれない。

本稿では、発言や行動が詳細に判明している2.の人物について記述する。

概要

ビロライネンが自由惑星同盟軍統合作本部長の任にあった宇宙640年は、自由惑星同盟ゴールデンバウム朝銀河帝国の勢が初めて接触し、長きにわたる戦争の幕が開いた年である。運命の巡り会わせで、その重要な時期に自由惑星同盟軍のトップにあった彼は、来する銀河帝国の大軍を迎撃するため、様々な手を尽くした。特に、後方支援の充実に尽したようである(後述)。

結果として彼の努は実を結び、自由惑星同盟は『ダゴン域会戦』で大勝利をおさめた。自由惑星同盟『建アーレ・ハイネセン以来、一世紀にわたって続いた自由惑星同盟市民の苦労が泡に帰すという事態は、ひとまず回避できたのである。

後方から英雄を支援した上司

ダゴン域会戦の大勝利については、その立役者となったリン・パオユースフ・トパロウル名前が非常に知られている。だが、後方で支援した人々の存在も、決して忘れてはならないだろう。ビロライネンも、英雄たちがそのを十分に発揮できるよう、後方支援を尽くした一人である。

時代背景(圧倒的な国力と戦力の差)

宇宙640年当時、自由惑星同盟銀河帝国の差は、150年後(ラインハルト・フォン・ローエングラムヤン・ウェンリーが活躍した時代)よりも大きいものであった。自由惑星同盟の人々にとっては「国家存亡の危機」であった戦いも、帝国軍上層部には「大規模な狩猟以上のものではない」と認識されていたほどである。実際、銀河帝国が動員した将兵440万人・艦艇52600隻という戦に対して、同盟軍が迎撃に出撃させることができた戦は将兵250万・艦艇25000隻と、約半分であった。

大胆な人事

圧倒的に優勢な帝国軍を迎撃するにあたって、まずビロライネンが行ったのは、迎撃の任にあたる指揮官の人選であった。彼は迎撃部隊指揮官として、リン・パオ中将総司令官に、ユースフ・トパロウル中将を総参謀長に起用するよう、当時の最高評議会議長マヌエル・ジョアン・パトリシオに進言し、採用された。この二人は、は抜群だが、性格的にはお世辞にも周囲の受けが良いとは言えない人物であったため、人事に対して、二人と同年輩であった前線指揮官たちからは不不満のオンパレードであった。

戦いに勝利するためには、問題児とされる二人の必要不可欠であるとはいえ、一歩間違えれば、戦う前から同盟軍が戦闘意欲を失いかねないような大胆すぎる人事であった。そこは発案した者の責任というわけで、ビロライネンは不満を抱く諸提督に対して、「君たちを頼りにしている」と連日のように辛抱強くなだめた。なだめるにあたっては、パトリシオ最高評議会議長、ヤングブラッド委員長も協したという。扱いにくい人間をどのように活用するか、という問題は、いつの時代であっても、上に立つ人間の悩みの種である。

後方勤務本部を設立

後方勤務本部は、同盟軍の補給・補充を担当する機関であるが、これを設置し、その初代本部長となったのがビロライネンである(統合作本部長と兼任)。「戦場の外で勝敗を決するのは、情報と補給である」と言明したビロライネンは、若い指揮官たちが戦場で十分に手腕をふるえるよう環境整備に尽した。同盟軍が勝利できた要因としては、戦場を有利な場所に設定できたことも挙げられるだろう。ダゴン域は、帝国軍にとっては有史以来はじめて到達した、航路情報もない「お化け屋敷」も同然の場所だったのに対して、同盟軍にとっては「遊びなれた庭先」だったのである。

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1 ななしのよっしん
2014/10/19(日) 17:41:21 ID: 9wOKyQ8M37
投コメ
アンドラーシュ「」

それはともかく記事作成乙
合作本部長大将って事を考えると、同盟軍の大将は当時ビロライネンしかいなかった可性あるな
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2 ななしのよっしん
2014/10/19(日) 21:02:05 ID: M0/e/izLO+
宇宙艦隊長官がいたら当然その人が迎撃の総揮を取ったと思うがいないっぽかったもんな。
人事がすんなり決まらなかったあたりも他の提督と階級が並んでたあたりもリンパオは長官じゃなかったようだし。
当時の同盟軍の軍組織ってどんなだったんだろう。
長官の役職事態存在してなかったんだろうか。

リンパオの幕僚だったオルトリッチ少佐が後に長官職についてる事からダゴン会戦から20年くらい後には長官の役職も存在してたんだろうけど。
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3 KEI
2014/10/20(月) 19:35:53 ID: f1QaVt3OGx
当時は軍組織も小さかったでしょうね。
いくら来るべき時の為に年兵を鍛えてとしても。
そこで初めての国家同士での戦争
兵士も艦艇も根こそぎ集めて編成となれば
後方勤務担当の部署の設置は必須。

ダゴン戦後
 膨→肥大→停滞→腐敗
といったところかな。
まあ、軍だけじゃなく同盟全体ではあるが。
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4 ななしのよっしん
2014/10/27(月) 21:52:34 ID: Be/PsvZkFm
>>2
本編の時代でも一個艦隊の官は中将をもってこれに充てる、とあるから、もともとは「同盟関係にある自由な諸惑星」がそれぞれの軍を持っていて、そのトップ惑星間の対等を保つため中将と規定され、大将は同盟の統合としての役職に付随する徴的な階級だったんじゃないかな。
初期のアメリカみたいな。

ダゴン戦勝を称えるためにより上位の階級である元帥位が創設され、同時に帝国との戦争が本格化していく中で中央集権が進んでいったんだろう、と推測してみる
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5 ななしのよっしん
2016/01/30(土) 14:38:46 ID: bvFccgLEpw
合作本部長兼後方勤務本部長って独裁権の基になりかねないからと
ダゴン戦後に兼任禁止されてそう
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6 ななしのよっしん
2016/03/31(木) 09:51:45 ID: tHUmuZWocf
>>4
その発想は面いし、ありえると思う。
「諸惑星の軍」というのが本伝でいう巡視隊や警備隊の原で、ダゴン以前では宇宙海賊の摘発や救難活動などに尽していたんじゃないかな。
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7 ななしのよっしん
2017/11/25(土) 13:28:23 ID: RAi2dzkgbb
>>4
長征のモデルメイフラワー号っぽいし、ありえそう。
同盟って政治制度が極度に分権化してるし、地方制度も相当分権化してそうなんだよね。
ラグナロックビュコック爺さんが「各系が同盟から離脱するかも」みたいなこと言ってたけど、元々自分たちが持ってた軍事権を取り上げられたのに同盟が安全保障を全うしない、なら独立して軍事権を取り戻して自衛しちゃるって発想だったのかも。
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8 ななしのよっしん
2019/05/16(木) 04:21:33 ID: vGU9/qY4qd
亀レスだけど同盟ってむしろかなりの中央集権国家だと思うけど
じゃなきゃ政治家ハイネセンだけ安全ならそれでいいみたいな発想にならないような
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9 ななしのよっしん
2019/11/14(木) 20:06:02 ID: Be/PsvZkFm
帝国への対抗上、軍事については相当集権化が進んでいると思うけど、それは仕方なくであって納得してる人間は少ないってところなんじゃないかと。ハイネセンだけ守れれば~、結局政治的理由でランテマリオ会戦強いられたわけだし。
軍事以外は……正直ハイネセン以外の描写が少ないんでわからん。エルファシルがスムーズ独立できたあたり、自治組織はかなりしっかりしてる気もするが。
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10 ななしのよっしん
2020/06/15(月) 21:05:33 ID: OsLovJXL0y
帝国からの逃亡と建という成り立ちからして当然帝国への対抗という是があるにせよ
いつ攻めてくるか分からない(というか攻めてくるのかすら分からない)敵の為に時間をかけて
軍を育て予算への理解を民にめるってのも大変だよなあ
長征一万光年偉業をを敬意をもって伝え続けるみたいな精バックボーンがなければ
「そんなことに使うくらいなら給付金くれ!給付金!」てなもんだ
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