ピコカキコ:テクニック四十八手とは、ピコカキコにおけるさまざまなテクニックを補完する記事である。なお実際に四十八手あるとは限らない。
概要
ピコカキコをカッコよくステキに鳴らしたり、ピコピコしてない音を出したりするためのテクニックは多いのだが、長年のピコ師以外にはほとんど知られていないものも多い。
そして、テクニックを覚えるためにはそのテクニックが採用されたピコカキコを探す手間があり、これには非常に労力がかかる。
それらを記事としてまとめ、多くの人に周知してもらうことでピコカキコ投稿のハードルを少しでも下げるのがこの記事の目的である。
―――テクニックのエッセンスが抽出し易い様アプローチの近いものを纏めて掲載した。この記事が新たな技術開発の手助けとなれば幸いである
例
テクニック名
実例(リンクで当該ピコに飛べます) |
※ここに解説
コピペエフェクト編
コピペしてコマンドを入れることでエフェクトをかけるテクニック。
デチューン
デチューン・実例 |
同一のトラックを2つ用意し、デチューン(@d)を使うことで周波数をずらすと、うねりが出て鳴り方が大きく変わる。
これによりエフェクト効果を出したり、同じ音のぶつかりを回避することが出来る。
ディレイ
ディレイ・実例 |
同一のトラックを用意し、このトラックにデチューンをかけ、ボリュームを下げた状態で鳴るタイミングを遅らすと、ディレイ効果が得られて奥行きが出る。
2トラックでも十分だが、ディレイトラックのディレイ、ディレイトラックのディレイトラックのディレイと言った感じに、3,4とトラック数を増やしてもさらに奥行きが出る。が重くなるので注意。
トラック複製
トラック複製・実例 |
リピート内に「;(トラックを分ける)」を置くとリピート内のMMLを別トラックとして複製出来る。下線の部分ににステータスを書くと複製元のみに効果がかかる。(例は前述のディレイの効果をかけたものである)
LFO編
LFO(音程や音量などを連続的に変化させるコマンド)を使ったテクニック。
コマンドは。@L[depth],[width],[form],[delay],[time],[dest]で指定する。(form以下は省略できる)
depth…対象の振幅 width…1周期の長さ form…変化パターン delay…遅延 time…回数 dest…揺らす対象
LFOPWM
LFOPWM・実例 |
LFOはdest値を指定することで周波数以外のパラメータを変化させる事ができ、destが3の場合はパルス幅変調となる。
@Wの直接指定によるデューティ比切り替えがアタックにキャラクターを付けるために用いられるのに対し主に音色に変化をつけるために用いられる。
LFOずらし -その1
LFOずらし -その1・実例 |
@5 @W4 O5 L16 @L10,40,0,140,0 $P_E1 d1&1 r1;
@5 @W4 O5 L16 @L10,48,0,192,0 $P_E1 >a1&1 r1;
複数のパートでLFOのwidth値・delay値をずらす事でロングトーンに厚みを出す事ができる。2chのハモり等で効果が大きく、同時発音数に制約のあるチップチューンで用いられる事が多い。
LFOずらし -その2
LFOずらし -その2・実例 |
$Choir{12,32} $Phrase;
$Choir{18,28} $Phrase;
$Choir{15,40} < $Phrase;
複数のパートでLFOのパラメータをずらす事で複雑なうねりを加える。クワイアやストリングスなどアンサンブル系の音色のような効果を得たい場合に用いる。LFOずらし1と異なり同一の音やオクターブ違いの音を重ねる。波形メモリと合わせて使うと効果が高い。
LFOトレモロ
LFOトレモロ・実例 |
LFOのdest値を1とすると音量に周期的変化を加える事ができる。depthを大きく,widthを小さくするとエフェクトのトレモロ効果、depthを小さく,widthを大きくするとヴィブラフォンのような効果に近くなる。
アタックLFO
アタックLFO・実例 |
LFOのdelayを0とし、time値を指定するとアタック時にのみ変化を付ける事がでる。尺八やシンセなど音の立ち上がりが遅い楽器やアタックに表情を付ける時に用いる。
ランダムLFO
ランダムLFO・実例 |
LFOの波形にノイズを指定した場合はアタックLFOの様にtime値を1とすると一回の変化で終わってしまうためある程度大きくする必要がある。単なるアタックLFOよりもアグレッシヴな効果が得られる。
Chiptune
1chディレイ -その1
1chディレイ -その1・実例 |
本来鳴らさない部分を休符で埋めるのではなく、休符前の音をボリュームを下げ薄く鳴らすことで1トラックでディレイ効果のような奥行きを出すことが出来る。
1chディレイ -その2
1chディレイ -その2・実例 |
ディレイする部分を休符前の音ではなくそれより前の音にすることで奥行きがさらに広がるが、少し扱いが難しくなるため一定のリズムで鳴らされているものに使うことがオススメ。例で上げているのは付点八分ディレイ。
手抜き1chディレイ
手抜き1chディレイ・実例 |
@5 @E1,0,12,64,0 Q8 V15 $Clip; /*メイン*/
@5 @E1,0,0,127,0 Q16 V1 $Clip; /*ディレイ*/
無音となる時間に前の音を小さな音で伸ばし続ける。 エンベロープで対応しても実現できるが実例では手抜きのために2ch使用している。
割り込み -その1(フレーズ)
割り込み -その1(フレーズ)・実例 |
フレーズの頭に非常に短く別のフレーズを乗せることで、まるで2つのトラックが鳴っているように錯覚させる事ができる。
短い方のフレーズにはアルペジオを使うと扱いやすいが、アルペジオ以外にもさまざまな用途に使うことが出来る。
割り込み -その2(ベース&ドラム)
割り込み -その2(ベース&ドラム)・実例 |
ベースで上記の割り込みを行い、割り込んだ音に下降LFOをかけるとバスドラムとベースを擬似的に同時に鳴らしたように聞こえる。
割り込み -その3(ノイズ)
割り込み -その3(ノイズ)・実例 |
$CK16=@E1,0,5,0,0 @N0 a128 @E1,0,8,0,0 @N124 a32..; /*Closed Hi-Hat & Kick L16*/
$CS16=@E1,0,5,0,0 @N0 a128 @E1,0,15,0,10 @N110 a32..; /*Closed Hi-Hat & Snare L16*/
ノイズで割り込みを行うことも可能。ハイハットは性格上一定のパターンを刻む事が多いため割り込みに向いている。
デューティ比切り替え
デューティ比切り替え・実例 |
$Note1{note,time}=@w2%note32&@w4%note%time;
$Note2{note,time}=@w1%note32&@w2%note%time;
$N4{A, B, note} = @W%A %note32& @W%B %note8..;
$N8{A, B, note} = @W%A %note32& @W%B %note16.;
割り込みの要領でアタックのデューティ比だけを変更させると、音に多彩な表情を付けることが出来る。波形に制限の多いファミコンやゲームボーイ仕様の場合、表現を大きく広げることが出来る。
高速アルペジオ
高速アルペジオ・実例 |
/:16{gce}16:/
1トラックで和音を再現する場合は、和音の構成音を高速でアルペジオさせることで和音に近い効果が出るようになる。
ドラム・パーカッション
2chドラム
2chドラム・実例 |
/*Tone*/
@0 @E1,2,20,0,10 O4 X1 @L300,24,2,0,1 $Phrase;
/*Noise*/
@4 @N80 @E1,0,20,8,20 X1 Q8 @X96 $Phrase;
スネアドラムやタムなどの音は音程感を持った成分を含むため、ノイズ音とトーン音を組み合わせて鳴らすと綺麗な効果を得やすい。
プチノイズドラム
プチノイズドラム・実例 | |
プチノイズドラム・実例(スネア付き) |
@2の三角波では波形の立ち上がりがピークとなるためアタック時に所謂プチノイズが発生する。このプチノイズはFlMMLとしては貴重な要素であり、パーカッシブなアタックを持つ音色としてキックドラムやマレットパーカッション音色の作成に用いる事ができる。
ノイズミックスドラム
ノイズミックスドラム・実例 |
矩形波では@W-[n]とデューティ比に-を付ける事でPSGで言う所のノイズミックスモードとなる。 ある程度の2chドラムのような効果が得られ、古いリズムボックスのような音になる
ノイズミックス金属音
ノイズミックス金属音・実例 |
矩形波の音程を極端に上げた状態でノイズミックモードを使うと、ノイズ部が残響音のようになり金属音のように聞こえる
GBノイズドラム
GBノイズドラム・実例 |
$C=@11 Q16 @E1,1,3,0,0 O0 c+; /*Closed-HH*/
$O=@11 Q16 @E1,0,8,24,64 O0 c; /*Open-HH*/
$S16=@11 Q16 @E1,0,0,127,0 O1 g128 @E1,0,10,0,8 O0 f32&64&128; /*Snare*/
$K16=@12 Q16 @E1,0,8,0,0 O2 f16; /*Kick*/
GBノイズ(@11, @12)は発音毎に乱数がリセットされるため常に同じ音が出る。そのため極端に短い音やショートノイズでも結果が安定し、GB再現以外の場面でも使える場面が多い。例ではディケイを短くした短周期ノイズをキックに用い、スネアは始めにごく短い音を鳴らす事でアタックにキャラクターを付けている。
フィルタ金属音
フィルタ金属音・実例 |
$C=@4 @N0 X1 @E1,0,17,0,0 @F-2,0,124,72 a; /*Closed Hi-Hat*/
$O=@4 @N0 X1 @E1,0,18,56,64 @F-2,0,124,72 a; /*Open Hi-Hat*/
ホワイトノイズは@Nを小さくする事で金属的な響きを持つようになるがハイパスフィルタをかけることで低音を削りレゾナンスで中域を強調することでより金属音らしい音になる。
フォルマント(ノイズ)
フォルマント(ノイズ)・実例 |
/*Spark*/
@4 @N0 X1 @E1,0,72,0,96 @F-2,0,88,88 L8 @'I' @V127
フォルマントフィルタは本来母音に対応する倍音成分を強調する機能であるが手軽に複雑な音を出せる事に加え、通常のフィルタと両立するためノイズに使用する事で特殊効果的な音色作りに役立つ。
その他
DPCM LFOバグ
DPCM LFOバグ・実例 |
DPCMにLFOをかけると、サンプリングした音を基準として12音階で音程が取れるようになる。このため、実際の楽器などをサンプリングすれば、現在のFlMMLでは到底再現出来ないような音も扱う事が出来るようになる、
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- ピコカキコ
- ニコニコ大百科:ピコカキコヘルプ
- ピコカキコ:サンプル音色データベース
- ピコカキコ:波形で遊ぶ
- ピコカキコ:フィルタで遊ぶ
- ピコカキコ:FMで遊ぶ
- ピコカキコ:VCAエンベロープで遊ぶ
- ピコカキコ:VCFエンベロープで遊ぶ
- ピコカキコ:GM音源を再現
- ピコカキコ:基礎コース(初級)
- ピコカキコ:基礎コース(3級)
- ピコカキコ:基礎コース(2級)
- ピコカキコ:基礎コース(1級)
外部リンク
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