ピストル星(英名:Pistol star)とは、1990年代初頭にハッブル宇宙望遠鏡によって発見された恒星である。
概要
当時、これまでに発見された恒星の中で最も明るく、太陽の700万倍の明るさだとされる。
太陽系から見て銀河系の中心方向約2万5000光年の距離にある(つまり銀河系の中心付近)。星間物質により隠されているが、それがなければ地球からも4等星の明るさで見える。
命名の由来は、ピストルの形をしたピストル星雲の中にあるためであり、この星雲もピストル星が放出した物質である可能性が高い。
その凄まじいエネルギー量から、たった6秒で太陽1年分のエネルギーを放出している。逆にピストル星1年分のエネルギーを放出するのに、太陽では数百万年も要する。
また、質量は太陽の150倍程度と考えられており、理論上恒星として存在できる質量は太陽の100倍程度なので、それを大きく上回っている。そのため、恒星としては非常に不安定であり、一定ごとに質量の大放出が起こっていると思われ、その時は超新星クラスの大爆発を起こす。その際に恒星表面が吹き飛び、高温の内部が剥き出しになる。今度はその部分が表面となるため、赤色巨星になれず青白いまま(赤色になるためには表面温度が低くなくてはならない)。こういう星を「高輝度青色変光星(Luminous Blue Variable 略:LBV)」もしくは「かじき座S型変光星」と呼ぶ。
データ
名称 | ピストル星 |
距離(光年) | 25000 |
スペクトルタイプ | LBV |
視等級 | ? |
絶対等級 | -11.4 |
半径(太陽比) | 350 |
質量(太陽比) | 150 |
光度(太陽比) | 7,000,000 |
表面温度 | 20000 |
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