『ピンクスゥイーツ』とは、株式会社CAVEが2006年に発売したアーケード用シューティングゲームである。
サブタイトルを含めた正式名称は、『ピンクスゥイーツ ~鋳薔薇それから~』。
キャッチコピーは、「今度の鋳薔薇は超エロカワイイの」。
概要
前作『鋳薔薇』でボスキャラとして登場したローズ・シスターズを主役に携えた、同作の世界観を引き継ぐ続編。今作では母親のテレサがビッグ=バーン率いるロージー・フューチャーに狙われた事から、強制結婚阻止奪還のために戦うことになる。
矢川忍(以後、YGW)が、CAVEに移籍して2作目のSTG。前述通り本作は2005年に発売されたSTG『鋳薔薇』の続編であるが、ストーリーが後日譚であるだけでシステムや雰囲気は大きく異なる。特に世界観は重厚なスチームパンクを意識した前作に対し、本作ではパステルカラーを基調としたステージや、懐かしいブリキのおもちゃを思わせるボスキャラなど、明るいムードで統一されている。前作とのギャップから、ファンの間では「YGWが壊れた!」、「いや、むしろCAVEに順応した」などと囁かれることもあった。
全7面の1周エンド。ただしプレイ開始時に特殊な操作をすることにより、難易度が上がった「HARDERモード」、2周エンドになる「EXTENDEDモード」、通常モードの6面のみで5分間のスコアを競う「SCORE ATTACKモード」を遊べる。
2011年2月24日、xbox360でむちむちポーク!と抱き合わせカップリングで初移植された。
システム
前作が『バトルガレッガ』を踏襲していたのに対し、本作は『サマーカーニバル'92 烈火』が基になっている。いずれも、YGWがかつて携わったSTGである。
自機
自機は4種類の中から選択。決定時に押すボタンによってショットの性能が若干変化。さらにショットは各機体に「ワイド」と、いわゆる直線型の「ラピッド」があり、プレイ中にアイテムを取ることで切り替え可能。その他、移動速度も任意に変化させることができる。
各機体に搭乗するキャラクターは、『鋳薔薇』でボスキャラを務めた「ローズシスターズ」の面々(メイディとミディは二人で一組)。自機のデザインも、前作のボス機をミニチュアライズしたデザインとなっている。
特殊攻撃
- ローズクラッカー
- 本作におけるボム。ただし回数制ではなく、チャージすることによって何回でも撃つ事が可能。
- チャージは一定時間ショットを撃たないことで行う。なお、この間は自機前方にシールドが発生し、一部の敵弾を防ぐことができる。
- また自機が被弾した時は、ローズクラッカーのチャージが完了した状態での再出撃となる。
本作では避けることがまず不可能な弾幕が多々発生するため、このシールドおよびローズクラッカーを如何に使いこなすかが重要となる。 - ローズヒップ
- いわゆるオプション。アイテムを取ることで自機の左右に装備される。
- 専用ボタンを押すことで、フォーメーションを変えることができる。
ランク
このゲームも前作同様、バトルガレッガに代表されるいわゆるランクゲーとなっているが、上記のローズクラッカーで一度に大量の弾を消した場合、それと同時にランクが著しく向上する。そのためクリアを目指しランクを抑えてプレイするには、目玉システムであるはずのローズクラッカーを最小限に抑えなくてはいけないというシステムに矛盾したプレイが要求されてしまう。
また後半面に突入すると、上記の通り避けることがまず不可能=ローズクラッカーを使用せざるを得ない弾幕が増えてくるため、そもそも低ランクを維持することすら叶わなくなってくる。このゲームは被弾時に全ての装備を失ってしまうため、後半面高ランク時に被弾してしまうとそのままずるずるとゲームオーバーになるといった光景がよく見られる。
余談だが、ロケテスト時は被弾して再び現れた自機のローズクラッカーのチャージが最初からという仕様だった。そのためただでさえ辛い被弾からの立て直しが、今よりも遥かに困難な極悪調整だったと言えよう。
ストーリー
「ローズ・ガーデンの凶行(前作『鋳薔薇』のストーリー)」の後、特殊部隊によって捕縛されたテレサ=ローズ。彼女の身は、大西洋上に浮かぶ小島「ヘレニエム」への流刑となるのだった。
そんな彼女の姿を新聞で知り、叫ぶ男が一人。
「惚れた! この女、テレサ・ローズを我が妻にする! 決めた!」
で、彼女の刑はどこまで緩く出来ると思う?
男の名は「ビッグ=バーン」。人々からは「アンタッチャブル・モンスター」と呼ばれる、セントーレア国の影の実力者だった。
凶暴な男との望まぬ結婚を迫られ、ますます失意に陥るテレサ。そんな“母親”を救うべく、彼女の“娘”たち「ローズ・シスターズ」は奪還計画を開始するのであった。
登場キャラクター
メイディ=ローズ&ミディ=ローズ(グロワール・ドゥ・ミディ・アンド・メイディ)
今回は二人一組での参戦。ボイスがとてもにぎやかで可愛らしい。
ショット・ボム共にこれといった特徴が無く、平均的な性能。
ただし、ショットの火力不足が深刻であるため、破壊可能弾の脅威に怯えながらゲームを進めていくハメに。
カスミ=ローズ(ハナ・カスミ改)
プレイヤーキャラ化にあたり、性格が若干攻撃的になった。他国のメカに興味津々の模様。
高威力のナパームと優秀なホーミングを備える、死角の無い機体。
ボムはメミディとほぼ同じ、自機の正面で炸裂するタイプ(ただしチャージがメミディよりわずかに遅い)。
シャスタ=ローズ(チャイルド オブ マウント・シャスタ)
前作に輪をかけてはっちゃけている。ブォンブァ~!
画面の端から端まで届くボムが主な特徴。
ショットもレーザー主体のため、火力も申し分ない。
パイロットの性格を現している機体だと言える。
レース=ローズ(フレンチ・レース:エス)
ママ大好きな姉妹のリーダー。白衣+眼鏡のコンボを引っさげて参戦。
貫通性のあるサンダーレーザーと、自機を中心に広範囲に広がるボムを持つ。
4機中で最も火力が優れている機体。
ただし、性能に若干クセがあるので使いこなすには慣れが必要。
ピンクスゥイーツ(キャラメル=ピンク&メープル=ピンク。1面ボス)
バーン様の姉。テレサに頼み事があったらしいがその伏線が作中で消化されることは特に無かった。
ストーリーで体の不調を訴えていたので、テレサの持つ義肢技術が関係あると思われる。
ソシエ=ソア(2面ボス)
「優しいお姉さん」。
フューチャーズ(侍女たちの総称)のまとめ役であり、甘えてくるノヴァのお世話も務める。
野望を胸に秘めてるとかいないとか。
開きすぎな服装が、見える見えないの議論を巻き起こした。
ハーモニー=ハミング(3面ボス)
「引っ込み思案いじめられッ子」。
大人しく、協調性を重視するタイプ。
普段からユニと一緒にいて、彼女にいじめられているがまんざらでもない模様。
性格の割に強烈な攻撃が多く、初見殺しの代表格。
彼女のボンバー攻撃は多くのプレイヤーの度肝を抜いた。
ユニ=ユリシーズ(4面ボス)
「自信過剰いじめッ子」。
物事を器用にこなす、強気でイケイケな人。
ハーモニーをいじめているが、彼女のおとなしさ・しおらしさに憧れを抱いている。
4面ボスにしてはそれほど強くなく、”地味”の烙印を押されがち。
破壊数を稼ぐときは第2形態のランダムっぷりに悩まされる。
フリージア=フリーダム(5面ボス)
「天真爛漫お祭り娘」。
歌声に定評のある女の子。ラッタッタン・ラッタッタン♪
好戦的な性格で、今回の戦いをとても楽しんでいるようだ。
矢川シューによくある”凶悪な5ボス”。
危険な攻撃に対していつでもボムを撃てるよう備えておこう。
スーパー=ノヴァ(6面ボス)
「ビッグ=バーンの実の息子」。
こんなかわいい子がryな男の子であり、お父さん大好きっ子。
フューチャーズと破天荒な父親をまとめあげる聡明さを持つ。
スク水代表として同時期に稼動した某エグゼリカと覇を競っていた…かも。
形態変化時のサンダーレーザーをどれだけ撃ち続けてくれるかでスコアに差が付く。
ビッグ=バーン(7面ボス)
「アンタッチャブル・モンスター」。
天下無敵の暴れん坊お父さん。セントーレア有数の実業家で、やりたい事を何でも実現する力を持つ。
テレサと強引に結婚したものの、娘たちが襲来してきたため自ら相手をすることに決めた。
ラスボスの名にふさわしく、正真正銘ボム無しでは回避不可能の攻撃を仕掛けてくる。
「鋳薔薇」ファンは波動ガンにニヤリとさせられた。
運も絡むため一概には言えないものの、スクランブルエッグ(中ボス、通称「7面卵」)の方が強いとされる。
別にバーン様が弱いわけじゃないよ!卵が狂ってるんだよ!
楽曲
本作のBGMは、CAVE社内のサウンドチームが担当。いずれの曲もファンからの評価は高いが、中でも内藤那津子女史によるイメージソング「Canzone Di Amore Di Ross」(通称:IBA★LOVE SONG)は、聴いた人間の度肝を抜いた。
この曲により、女史はファンからの人気を確固たるものとし、以降のCAVE作品には同女史によるイメージソングがつけられるのが恒例となった。
余談
1つに残機無制限になるバグがある。残機が5以上になると残機が無制限になる、アルカディアでも大々的に報じられた。エクステンドは厳しいものの、業務用ゲームにとってはとってはとんでもない事。店の善意で残機を増やしていたりしたら・・・しかもアルカディアスコア集計の時にこのバグを使っても良いという・・・・
3つめに6面でフリーズするバグがある。シューティングにおけるフリーズはとんでもない心の傷をシューターに負わせてしまう。
しかし2006年4月21日以降のバージョンだとバグは修正されている。
Xbox360版
初移植となるXbox360版においてはオリジナルのアーケードver1.0(上記の残機無限バグは修正されている)と微調整が行われたver1.01、そしてアレンジモードを収録している。
オプションでランクやスコアエクステンドに関する設定が可能なので、かなり遊びやすくなっている。
アレンジモードでは、当たり判定を表示、ショットが連射と長押しで変化するお馴染みのシステムに変更。
ローズヒップのフォーメーション変更ができなくなった代わりにローズクラッカーがショットとは別のボタンに割り振られている。このため、ショット中もシールドを張れるようになった。
さらにローズヒップを消費して発射する波動ガンを搭載。
敵弾がローズクラッカー、波動ガンに当たると得点アイテムに変換される(そのうえ、どちらかで敵を倒すと得点倍率が上がる)ため稼ぎの方針も大きく変化している。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
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