ピークア・ブーとは、漫画『キン肉マン』に登場するキャラクターである。
概要
<完恐>の称号を持つ完璧・無量大数軍であり、完璧超人始祖編から登場。名前のピークア・ブー(Peek-a-boo)が英語で「いないないばあ」を意味しており、その名が指すとおり赤ん坊をモチーフにした超人である。体つきは筋肉が発達した成人の超人そのものだが、試合開始直後の内面は赤ん坊そのものであり、何も知らない無垢な状態になっている。初期状態では素顔を顎についた手で隠した状態になっている。言葉もまともに発することはなく、まさに赤ん坊のように「ホンギャホンギャ」と発するだけである。試合が始まると、少しずつ素顔が現れ、容姿も子供が大人へと成長する過程のように変化していく。
その正体は、対戦相手の技を受けることで相手の技術を吸収して学習し、急激なスピードでそれ以上の技術で技を身につけてしまう「急成長超人」。最終的に相手を上回る実力を身につけて倒す特殊なファイトスタイルの持ち主である。相手の技術そのものを身につけてしまうため、試合の中で使用していない技まで自分のものにしてしまう。成長を遂げると、顔つきも大人のものになり、体に身につけていたよだれかけも消え、知能も高くなることで普通に言葉を発するようにもなる。口癖は「ホンギャー」。
対戦相手とすれば、技を繰り出せば繰り出すほど強くさせてしまい、しかも自分の持っている戦闘技術をさらに高いレベルでトレースされてしまう非常に厄介な相手と言える。だが、急激に成長しすぎてしまうために基礎技を忘れてしまうという弱点があり、相手が大技を使わずに基礎技主体で組み立ててくると対応ができなくなる。また、この学習能力は赤ん坊の状態からスタートしなければならず、戦いが終わるたびにストロング・ザ・武道によってリセットされ、記憶を消されて精神状態を元の無垢な赤ん坊に戻されていた。この扱いを本人は不満に思っており、武道に対して反抗的な態度を取っている。もっとも武道はピークア・ブーの能力を高く評価しており、特に気にしてはいない。一方で武道に対する恐怖心も抱いているようで、怒らせて睨まれると脅えていた。
腹部はハンドゲートと呼ばれる巨大な2本の手で覆われており、いないないばあの要領で腹部を露わにすると、そこには恐ろしい形相の顔面(フィアフェイス)が隠されている。ちなみに、成長をリセットできるのは武道だけらしく、赤ん坊の状態に戻った際のコスチュームや赤ん坊のおもちゃは武道が買い与えたものらしい。超人閻魔様にも父性というものが芽生えているのだろうか?
プロフィール
作中での活躍
正義・悪魔・完璧の三つ巴対抗戦第1ラウンドにおいて、両国国技館でこれが現役復帰初戦となるキン肉マンと対戦。序盤は1年のブランクがありエンジンのかからないキン肉マンを相手に他の4試合が終えるまでずっとストンピングを浴びせていた。
キン肉マンのエンジンがかかり始めると、試合が本格的に動くようになる。当初はローキックのカットすら知らない状態だったが、試合が進むにつれてキン肉マンの言葉や動きから戦い方を学び、キン肉バスターはおろか使っていない48の殺人技まで使用する強豪超人へと急スピードで成長する。ピークの持つ「ガクシュウ」能力によって技を繰り出せなくなったキン肉マンを相手に優位に試合を進め、試合中3年ぶりに会話することとなったストロング・ザ・武道の支配から逃れるだけの強さを身につけるため、キン肉マンの技をさらに学習しようとする。だが、キン肉マンに急激な成長を遂げていったことによって基本的な技を忘れてしまうという弱点を見抜かれてしまい、大技を使わず基礎技ばかりを繰り出すキン肉マンに対応できなくなる。最後は、基礎技の集合体である風林火山によって敗北する。
試合後、完璧超人の掟に従い自決しようとするが、心の強さを説くキン肉マンの言葉によって躊躇する。掟に従い自害するよう促す武道の言葉に脅えながらも、涙ながらに「もっと強くなりたい」という本心を述べ、キン肉マンと再戦の約束を果たすことによって分かり合い、自害を思いとどまる。それは武道の言葉に反発することを意味し、同時に完璧超人の在り方について疑問を抱くようになる。
その後現れた完璧・無量大数軍第二陣に対しても掟に抗う意思を見せるが、ネメシスのマッスル・スパークによって処刑されそうになる。落下の瞬間にキン肉マンが体を張ってクッションになったことで命は助かるが、重傷を負い、ジェロニモと同じ病室で入院し、テレビで戦いを見守ることになる。このときに武道の正体がザ・マン=超人閻魔であることを知ったと思われる。
その後病院を抜け出し、幽閉されていたネプチューンマンを救出し、ネメシスとの決戦を翌日に控えたキン肉マンの前に現れる。ネプチューンマンと共にすっかりビビっていたキン肉マンに喝を入れると、完璧超人界の変革のためにネメシスと戦い、彼を正して欲しいと頼む。
キン肉マンとネメシスの試合の最中、反逆者という立場でありながら試合会場である甲子園球場に姿を見せると、本人の反対を押し切って強引にネメシスのセコンドに就く。とはいってもキン肉マンを裏切ったというわけではなく、ネプチューンマンも同じく完璧超人の未来のためネメシスを応援する立場に立っていた。実際にキン肉マンと戦った経験からアドバイスを送り、ネメシスの窮地を救うこともあった。
試合後、敗北したネメシスは掟に従い自害しようとするが、涙ながらに辞めるよう説得。ネメシスもピークが掟を破ったことに理解を示していたが、そこへザ・マンが現れる。すると、ネプチューンマンと2人でネメシスの処刑を取りやめるよう命がけで懇願する。結局、悪魔将軍が割って入ったこともあり、ネメシスへの処分は保留となり、悪魔将軍との戦いを側で見るように命じられる。
ザ・マンが悪魔将軍に敗れた後は、ザ・マン、ネメシス、ネプチューンマンと共に超人墓場へと帰還し、新たな完璧超人界構築のための第一歩を踏む。
必殺技
- ガクシュウ
- 急成長超人であるピークア・ブーが持つ技を受けた対戦相手の技術を学習し、それを上回るレベルで自分のものへと吸収してしまう能力。
作中ではキン肉マンから学習したキン肉バスター、超人絞殺刑、キン肉壊体固め、宇宙旅行を披露している。
もっとも急成長を遂げるが故に基礎技を忘れてしまうという弱点がある。 - ビッグベイビー・ボム
- ピークにとっての唯一のオリジナル技。腹部のハンドゲートによって相手を逆さ状態に捕らえ、ジャンプしながら相手の頭部をマットへと叩きつける。
技のフォルムそのものは田上明のダイナミック・ボムに近い。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- ネメシス(キン肉マン)
- ストロング・ザ・武道
- グリムリパー
- マックス・ラジアル
- ターボメン
- クラッシュマン(キン肉マン)
- ダルメシマン
- マーリンマン
- マーベラス(キン肉マン)
- ジャック・チー
- ポーラマン
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