ファイアブリンガーとは、
本項では1.について記述する。
概要
世界を創造した十二星神は、地上に住んでいる弱く惨めな人間のことを哀れに思い、火を伝える神であるファイアブリンガーを地上に遣わした。ファイアブリンガーは火で暖を取ったり、生活を豊かにすることを人間に教えたが、同時に火で争うことも教えてしまった。そこに冥魔が欲望という心を吹き込んでしまい、人間は自らの欲を満たすために争い始め、更には星神たちに対しても刃向かうようになってしまう。星神、冥魔、人間、魔物は長い時を争うようになってしまい、そこでファイアブリンガーはそれを止めるべく、力の源である精霊を味方に付けようと画策する。その結果、精霊は星神側に付き、冥魔と魔物は勢力を失い、永き戦いに終止符を打った。
が、ファイアブリンガーは、戦いを意図的に長引かせた邪神としてこの世界を追放されることになる。星神たちは「7000年に1度」だけこの世界に戻ることを許したが、邪神ファイアブリンガーは「1000年に7度」と書き換えてしまう。星神たちはまたもこの世界に争いが起きてしまうことを危惧し、「緋色の彗星ファイアブリンガーは、世界に災厄をもたらす邪神である」と人間に天啓を授ける。1000年に7度、つまり約150年に1度ファイアブリンガーはこの世界に帰還すると、それに応えるかのように冥魔と魔物が活発に活動し始めた。その度に星神と人間はファイアブリンガーを迎え撃ち、天の彼方へと追い返すことに成功する。そして7度目の戦いでファイアブリンガーは完全に消滅し、自らの姿が無数の破片となって地上に降り注ぐこととなった。
※以下ネタバレ注意※
真相
…というのは星神たちが自分らにとって都合のいいように書き換えた全くの嘘デタラメであり、人間からすれば創造神である星神のこの伝承を何の疑いもなく信じ続けた。そして公式サイト、ゲーム本編で真相は明かされなかったので、緋の天啓が発売されるまでプレイヤー達も長い間騙され続けた。
そもそも世界を造ったのは十二星神ではなく、元々何もない状態で世界だけが生まれ、最初は精霊、次に原初の神、他の神々、生物、魔物、人間が生まれた。この原初の神というのがファイアブリンガーである。ファイアブリンガーが人間に火を授けたのは真実だが、力のない人間を哀れに思ったのもファイアブリンガー自身である。そして間もなく、後に生まれた神々が天界の覇権争いのために人間を使役したり、精霊の力を奪ったりとやりたい放題し始め、それに見かねたファイアブリンガーが外界から新しい神々を呼び寄せて事態を収束させ、他の神々は冥魔に堕ちた。この外界の神々というのが十二星神に当たる。
十二星神はこの世界を救ったことで文字通り神格化されたが、それ故にこの世界の原初の神であるファイアブリンガーを疎ましく思い、この世界を譲ってくれないかと交渉する。ファイアブリンガーは時折この世界に戻れるようにすることを条件に、十二星神の要望を受け入れることにした。 星神たちは最初「1000年に1度」を提案したが、ファイアブリンガーは「700年に1度」を希望した。そして星神たちはその要望を受け入れるフリをしつつ、「7000年に1度」と書き換えてしまう。しかし星神の企みに気付いたファイアブリンガーは「1000年に7度」と書き換えることに成功する。その後、星神たちは自分たちの物となったこの世界をファイアブリンガーが取り戻そうとするのではないかと恐れ、上述の天啓を人間に授ける。内容は同じだが、その天啓を授けるまでに至った理由は全く別物であり、これも星神たちにとって都合のいいように人間を利用しているだけである。
一方でファイアブリンガーも世界を自らの手に取り戻そうと画策するのだが、十二星神を相手にできるほどの力はなく、冥魔となってしまった他の神々と協力するのは難しい。そこでこの世界に最後に生まれた人間にこの世界のことを託そうと考え、帰還の度に見極めることにした。そして7度目の帰還の後、裁定の最終段階としての自身を無数の破片──「緋の欠片」へと姿を変え、地上に降り注いだ。星神、人間側からすれば邪神であるファイアブリンガーが消滅したこととなり、邪神を打ち倒すための帝国は崩壊し、星神たちも天界の覇権争いを始め、冥魔は自身らを封印した星神を打倒すべく暗躍し始め、世界は再び混乱の世となった。ファイアブリンガーは、このような戦乱の世になったからこそ、この世界を託せる人間が出てくるのではないかと期待し、遂には緋の欠片の本当の力に気づく者が現れ始めた。緋の破片がもたらす様々な出来事も全て試練であるとファイアブリンガーは考え、それらを乗り越え、自らの領域──アイ・ハヌムにたどり着いたものに自身と戦うことを最後の試練(今作のラストバトル)として課すのであった。
プレイヤー達からの評価
ファイアブリンガーはタイトルロゴを飾っており、公式サイトにも堂々と登場しているので、どのプレイヤーもストーリーに関わってくると予想はできるのだが、最後に戦うことになる経緯が全くわからない、いわゆるぽっと出のラスボス感が拭えなかった。同じく邪神であるロマサガ1のサルーインのように手下たちが暗躍していたりすることもない。ゲーム本編に登場するキャラクター達もファイアブリンガーは「邪神」、緋の破片は「不吉な物」とだけしか言わないため、プレイヤー側からすれば事の真相にたどり着けるはずがなかった。ところが緋の天啓が発売されると一変、ファイアブリンガーこそが世界の原点に近い存在であり、人間を見守る神であると判明し、プレイヤー達からの株は大きく上がった。それと同時に十二星神こそが諸悪の根源であり、人間を自分たちの都合のいいように扱う非常にゲスい存在であることも判明した。というか大体マリガン神のせい。
最後の試練
前述の通り、ファイアブリンガーは今作のラスボスとして立ちはだかることになる。ファイアブリンガーは3つの形態を持っているが、1回の戦闘で3形態を相手にするのではなく、1形態毎に一旦戦闘が終了する。また進行ルートによって各形態の強さが変化し、黒幕や神獣との戦闘が発生したりする。
ちなみにサガフロンティアのオルロワージュのように人型の状態であるラスボスはいたが、ファイアブリンガーは全ての形態で人型の状態を保っており、これはサガシリーズでは初である。また、RPGのラストバトルと言えば、破壊や殺戮などの非人道的な目的を持った敵を倒して食い止めるというのが一般的であるが、ファイアブリンガーにはそのような背景は一切無く、あくまで乗り越えるべき試練であるという今までのRPGでは類を見ない戦いとなっている。
ファイアブリンガー戦の戦闘曲は「ファイアブリンガー組曲」というものであり、各形態毎にサブタイトルが付けられている。第一形態時は「火を与える者」、第二形態時は「火で惑わす者」、第三形態時は「火を産みし者」、いずれのサブタイトルもファイアブリンガー自身のことである。
第一形態
星神の恩寵を技として使用する。この形態は素早さがかなり高いせいで先手を取るのが難しく、使ってくる技も非常にたちが悪いので、対策なしだと問答無用でハメ殺される。今までのような戦い方では勝つのは困難であり、第一形態が一番強かったと言うプレイヤーも少なくない。HPを削りきると1回だけHP全快状態で復活する。ちなみに行動前にHPを削りきった場合はそのターンの行動はスキップされる。
アシュテールの陰影、カダの陰影
ウズメの陰影
味方のBP+2
強さのレベルが低いと1ターン目に高い確率で使ってくる。いわゆるボーナスターンなのでこのターンのうちにファイアブリンガーの素早さを下げておきたい。
シャムスの陰影
第一形態では最も警戒すべき攻撃。攻撃力は並だが、スタンの発生確率が非常に高く、高い素早さから繰り出されるこの技は非常に脅威。対策しないと文字通り手も足も出ないまま全滅することに。プロテクト技で守るなどの工夫は必須。
ディーマージュの陰影
シャムスの陰影と同様に高確率で混乱にさせてくる。複数人が混乱してしまうとほとんどBPを食われてしまい、最悪次のターンは何もできなくなってしまうため要注意。
マリガンの陰影
攻撃力は高いが、ただのダメージ攻撃なので、シャムスの陰影やディーマージュの陰影と比べたら大した脅威はない。
第二形態
自らの分身を召喚し、自身は剣技をメインに攻撃してくる。セオリー通り戦えばそれほど難しくない戦いだが、火力が非常に高いので、一手誤ると途端に厳しい戦いになる。第一形態同様、HPを削りきると1回だけHP全快状態で復活する。
ファイアサーバント、ライトサーバント、シャドウサーバント
自身の分身を3体呼び出す(同時に出現できるのは4体まで)
1ターン目に高確率で使用する。強さによって技名が違うが、基本的にはどれも同じ。これで呼び出された分身はファイアブリンガーをプロテク ト技で庇ったり、ファイアブリンガーやプレイヤーキャラの技をコピーして使ってくる。厄介と言えば厄介だが、分身は連撃の起点にも利用できる。
サクション
使用頻度は高くないが、せっかく削ったHPを回復させられてしまうため、なんとしても使われるのを食い止めるべき。サーバントはそれほどHPが高くないので、全体術で一掃してしまうのが一番手っ取り早い。
音速剣
第二形態唯一の良心。ただし強さのレベルが低くないと使ってこない。
二刀烈風剣
こちらが使ってても強いのだから、敵に使われたら弱いはずがない。安易にプロテクト技で守るとほぼ全部当たる可能性もあるので注意。
デスブリンガー
攻撃力が高い上にLPを削ってくるため、非常に危険。第三形態のことを考えると、LPが低いキャラはこの戦闘には出さないほうが無難。
不動剣
敵単体に斬属性ダメージ+使用ターンに受けたダメージ量に応じて威力上昇
リザーブ技を除けば第二形態最高火力。構えたターンはサーバントの駆逐に専念する、被弾率が高い位置にいるキャラをプロテクト技で守るなど、とにかくこの攻撃で受ける被害は最小限に留めたい。
喪神無想
まともに受ければ半壊するので、リザーブ技を構えているターンに接触攻撃は厳禁。間接攻撃を使えば解除できるが…
剣風閃
音速剣等でリザーブ状態を解除しようとするとこの攻撃にハメられてしまう。喪神無想とこの技を判別する術は無いので、立ち回りは慎重に。
二刀荒時雨
第二形態では規格外の威力を誇る。しかしBPコストが高いので序盤は使ってこず、剣風閃と反応する属性が違うので、構えられても判別は可能。意外にも強さのレベルが上がると使ってこない。
第三形態
両手に携えていた剣を地面に突き刺し、呼び出した隕石に乗った形態。スケールは大きくなったが、隕石はただのオプションであり、ファイアブリンガー自身は別に大きくなったり、姿が変わったりはしておらず、相変わらず人型を保っている。2本の剣はレーヴァテインという名のお供として登場。レーヴァテインはファイアブリンガーを庇ったり、カウンター技を構えたりするので、連撃を狙いつつ、早めに撃破しておきたい。ファイアブリンガーは最終形態らしく強力な全体攻撃を頻繁に仕掛けてくる。この形態のみHPを削りきると2回復活する。
サイコキネシス
クリムゾンフレア
破格の威力だが、ヴァッハ神と違って通常通り3ターンの詠唱が必要になるので、正直ただの隙でしかない。この詠唱中にHPを削りきれば詠唱もリセットされる。当然といえば当然だが、強さのレベルが高くなると使ってこない。
メテオブリング
特に厄介な効果も無いので、他の攻撃と比べると大したことはない。
ゾディアックフォール
ロマサガ3以来の顔見せ。こちらのBPを下げてくるので、連発されると非常に危険。
ぶちかまし
第三形態唯一のリザーブ技。それ故に構えていれば簡単に見切れるので、実質的にボーナスターンになる。
ファイアブラスター
お供が生存している状態で使われると攻撃ターゲット指定がぶらされるので、なかなかに面倒な攻撃。攻撃力も高い。
ギャラクシィ
第三形態では最も危険な攻撃。威力が高い上に低下するBP量も多く、終盤に連発されるとこちらはまともに行動できなくなる。ターン経過でBPが増えない陣形はこの戦いには不向き。
ヴァーミリオンサンズ
特殊な追加効果は無いので、ギャラクシィに比べたら遥かにマシ。とは言え攻撃力は非常に高い。
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関連項目
- 7
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