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ファウンド
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ファウンド(found)とは、「基礎を固める」「設立する」という意味の動詞、または「見つけ出す」「発見する」「出会う」などの意味の英語の動詞findの過去形過去分詞形である。

曖昧さ回避

  1. ファウンド(Found) - 2012年生まれのアイルランド競走馬本稿で記述する。
  2. ファウンド(FOUND) - 2012年製作2017年開のアメリカ合衆国ホラー映画

ファウンド(Found)は、2012年生まれのアイルランド競走馬繁殖牝馬

現役時代は詰めの甘さに何度となく泣かされたが、ブリーダーズカップ・ターフを3歳時に、凱旋門賞を4歳時に制して名に名を連ねた。

概要

競走馬としても種牡馬としても一流の英愛ダービーGalileo(ガリレオ)、メイトロンS・ロッキンジSとマイルGIを2勝したRed Evie(レッドエヴィ)、冠の名マイラIntikhab(インティカブ)という血統。マイラーだったが、産駒はファウンドや12ハロンGIIIを勝った全*ベストインワールドが示すようにに近い中距離寄りに出ている傾向がある。名門クールモアが提携している牧場の生産で、クールモアグループの所有馬となり、同グループ御用達のエイダンオブライエン調教師の管理となった。

期待の2歳時代

8月マイル戦で、クールモアセカンドジョッキーであるシーミー・ヘファーナン騎手上にデビュー。ここでは単勝15倍で15頭中6番人気だったが、少し出負けしつつも後にフィリーズマイル(英GI)を制するトゥギャザーフォーエヴァーを3/4身差で退けてデビュー勝ちした。

続けてジョセフオブライエン騎手騎乗でモイグレアスタッドS(GI・7ハロン)に出走。ここではオールバニーS(英GIII)の勝ちカーリーグランスに続く2番人気に支持されたがまたも出負けしてしまい、カーリーグランスとクビ差2着のルシーダの2頭を捉えきれず、ルシーダから半身離れた3着に終わる。

この後はフランスに遠征し、ライアン・ムーア騎手騎乗で凱旋門賞同日のマルセル・ブサック賞(GI1600m)に出走。カブール賞(GIII)の勝ちエルヴェディヤなど複数の重賞を抑えて1番人気に支持されると、好発から中団で脚を溜め、最後は先行抜け出しを図ったエルヴェディヤを差し切って2身半差で勝。これにより一気にクラシック補と騒がれるようになり、翌英1000ギニーオークスの前売りオッズでは速1番人気に浮上した。

歯痒い3歳時代

英1000ギニー最有補と騒がれたファウンドだったが好事魔多し、思うように調教を積むことが出来ず、レース3日前に念の回避が決定した。

これで歯車が狂ったのか、始動戦となった1000ギニー翌日のアサシS(GIII)では、単勝2.25倍の1番人気に支持されたものの、最後の1ハロン最低人気の4歳アイヴィーガーデンズに差し切られて2身差の2着。続く1000ギニーでもプリースコックの2着に敗れ、英オークスを蹴って向かったコロネーションS(英GI・1マイル)ではプール・デッセ・デ・プーリッシュ(1000ギニー)を勝ってきたエルヴェディヤに捉えられてクビ差2着に終わる。

ヘファーナン騎手に乗り替わって出走したロイヤルウィップS(GIII)では4身差で楽勝したものの、愛チャンピオンS(GI・10ハロン2012m)ではこの年の英ダービーゴールデンホーンに敗れ2着ムーア騎手騎乗で初の2400m戦に挑戦した凱旋門賞では後方から競馬をしたものの群から抜け出せず9着と初の大敗を喫し、英チャンピオンS(GI・9f212y≒2004m)では先に抜け出したファシネイティグロックに1身1/4差を付けられて2着と連敗が続いた。

その後アメリカに遠征し、ブリーダーズカップ・ターフ(GI・12ハロン≒2414m)に出走。ここでは史上初となる凱旋門賞からの連勝を狙うゴールデンホーンなどもいた。レースではシャイニングコッパーという人気薄の大逃げを打ち、先行したゴールデンホーンが4で捉えに行って先頭に立ったのだが、ファウンドはこれを底的にマークし、最後に半身差競り落として優勝。1年ぶりのGI制覇をブリーダーズカップという大舞台で挙げ、ようやく溜飲を下げたのだった。なおブリーダーズカップ・ターフでの優勝1999年のフィリー&メアターフ創設で出走数自体が少なくなったこともあり1991年ミスアレッジド以来24年ぶり3頭3歳で勝利したは史上初だった。

連敗にピリオドを打ったファウンドは、3歳シーズンを8戦2勝2着5回という成績で終えた。2着がやけに多かったが、この詰めの甘さは翌年も足を引っってしまうことになる。

歯痒さの中の栄光

4歳時は、仕上がりきっていなかったのか初戦のアレッジドS(L)でいきなり単勝1.9倍を裏切る3着に敗れるという不穏な滑り出しとなった。しかし次戦のムーアブリッジS(GIII)ではファシネイティグロックらを破って勝利した。

ところが、続けて出走したタタソールズゴールドカップ(GI・10f110y≒2112m)では、単勝1.53倍という圧倒的人気を集めたにも関わらずファシネイティグロックに3身3/4突き放されて2着に敗れ、これでケチが付いたのかコロネーションカップ(英GI・12f6y≒2420m)では1番人気ポストポンドに4身半差を付けられ2着日本エイシンヒカリに次ぐ2番人気で出走したプリンスオブウェールズS(英GI・9f212y≒2004m)では全に抜け出したところを最低人気マイドリームボートにクビ差差されて2着となり、ヘファーナン騎手騎乗で出走したヨークシャーオークス(英GI・11f188y≒2385m)では同厩の3歳セヴンスヘヴンに後れを取って2身3/4差2着ランフランコ・デットーリ騎手騎乗で出走した愛チャンピオンSではフランスアルマンゾールに大外からぶっこ抜かれて3/4身差2着と、タタソールズゴールドカップを皮切りにGI5戦連続2着という痒いにも程がある成績を記録してしまった。

しかし、ロンシャン競馬場修工事によってシャンティ競馬場で行われた凱旋門賞ポストポンドや日本ダービーマカヒキなどに続く5番人気(PMUによる現地オッズexitJRA海外馬券発売では3番人気)で出走したファウンドはこの大舞台爆発ムーア騎手の手綱に導かれてハイペースインから突き抜け、同厩のハイランドリール・オーダーオブセントジョージの追撃を振り切り、2着続きの憤をらすかのように2分2361コースレコード叩き出して勝した。ついでにムーア騎手とオーダーオブセントジョージ上のデットーリ騎手ゴール直後の濃厚なキスが一部で話題になったりした。

この後、ブリーダーズカップ・ターフに出走して引退……というプランだったのだが、体調が良かったのか予定を変更して英チャンピオンSに出走。しかし先に抜け出したアルマンゾールとの差が縮まらないまま2着に敗れた。その後、予定通り引退レースとしてブリーダーズカップ・ターフに出走したものの、今度はスローペース逃げに持ち込んだハイランドリール逃げ切られて3着に終わり、これを最後に引退・繁殖入りとなった。

通算成績は21戦6勝2着11回3着3回GI3勝。着外は3歳時の凱旋門賞のみだが、3~4歳時の2年間だけでGI2着10回というのは*シーキングザダイヤとかフリオーソビックリである。しかもヴァーミリアンなどの強勢に何度も倒されていた[1]2頭と違い、ファウンドのGI2着時の勝ちアルマンゾールを除いて全て違う(しかもそのうち1回は最低人気)のである。そんなところもシルバーコレクターという印に拍をかけるのだろう。

まあ何はともあれ、ブリーダーズカップ・ターフを3歳として初めて勝利し、凱旋門賞レコード勝ちした実は間違いなく本物である。実際4歳時はカルティエ賞最優秀古にも選出されている。

繁殖牝馬として

繁殖入りしたファウンドはアメリカ種牡馬として成功を収めているウォーフロントと交配され、事に出産2020年に初バトルグラウンドがデビューし、GIIヴィンテージSを勝ちGIブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフで2着となっている。

ちなみにバトルグラウンドを産んだ後の2018年7月、*メイビー(ディープインパクト産駒2000ギニーサクソンウォリアー)が来日するというニュースの中でファウンドが次年度にディープインパクトを交配するため既に来日していたという事実が判明。全く前触れがなかったため話題となったが、2019年3月ディープインパクトが首の痛みで種付けを中止してしまった(そのまま7月死亡)ため、残念ながら実現することはかった。

血統表

Galileo
1998 鹿毛
Sadler's Wells
1981 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Fairy Bridge Bold Reason
Special
Urban Sea
1989 栗毛
Miswaki Mr. Prospector
Hopespringseternal
Allegretta Lombard
Anatevka
Red Evie
2003 鹿毛
FNo.1-m
Intikhab
1994 鹿毛
Red Ransom Roberto
*アラビアII
Crafty Example Crafty Prospector
Zienelle
Malafemmena
1992 鹿毛
Nordico Northern Dancer
Kennelot
Martinova Martinmas
Pavlova
競走馬の4代血統表

クロスNorthern Dancer 3×4(18.75%)、Hail to Reason 5×5(6.25%)、Mr. Prospector 4×5(6.25%)

関連動画

関連コミュニティ

関連項目

脚注

  1. *シーキングザダイヤGI2着9回中6回はアジュディミツオータイムパラドックスカネヒキリに負けたのが2回ずつ、フリオーソに至ってはGI2着11回中4回がヴァーミリアンに負け、他にもスマートファルコンエスポワールシチーに2回ずつ負けている。

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1 ななしのよっしん
2020/05/13(水) 01:21:45 ID: quz2c1fQmm
記事作成お疲れ様です。ファウンドはいちおう英語の動詞・形容詞の意味もあるので
それについても書いたほうがいいと思いました。
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2 ななしのよっしん
2021/06/27(日) 23:02:39 ID: bZrKiiSv4/
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3 ななしのよっしん
2021/07/13(火) 04:34:20 ID: yK84CBgBtn
スノーフォールとかいう化け物生み出したの見てるとファウンドにディープつけれなかったのはホント痛手だったなぁ
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4 ななしのよっしん
2022/12/23(金) 01:27:56 ID: t6V4jojSEW
舞台は勝つあたり間違いなく実はあるけど詰めが甘いのか勝利女神にちょくちょく見放されるのか恐ろしいほどに僅差二着が多い
ゴールデンホーンに凱旋門で負けてBCターフで借りを返した後凱旋門勝ったらBCターフで同厩のハイランドリールにし返される展開はもはや芸術
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5 ななしのよっしん
2023/10/06(金) 09:24:10 ID: bZrKiiSv4/
フリントシャーファウンドマッチレースを開催して、どっちが2着になるかの賭けを開いてみたかった
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