ファランクス(Phalanx)とは、次のいずれかのことである。
- 古代バビロニア・マケドニア等で利用された、重装歩兵による密集方陣(ファランギタイ)。
- ゲーム会社ZOOMが発売した、X68000用のSTG。 → PHALANX(ゲーム)
- アメリカ軍が開発した、近接防御火器システム(CIWS)の1つ。→ CIWS
- ゲーム『デモンズソウル』に現れるデーモンの1つ。
- ゲーム『デモンズブレイゾン 魔界村 紋章編』に登場する悪魔。進化形態に「アルティメット・ファランクス」も登場。
1.の概要(ファランギタイ)
歩兵を一定の方向に並べ、歩兵全員が両手に長槍、左腕に盾を付け、そうした歩兵を間断なく密集させて行進する重装歩兵(ホプリタイ)の運用戦術。また、それらを行う兵科をファランギタイと呼ぶ。
さらに詳しく書くと、前方全面に重装の兵を置き、その後方に軽装騎兵・重装騎兵・軽装歩兵(投槍を専門に扱う歩兵、もしくは弓兵)を配置し、歩兵が敵主力を抑え込んでいる間に重装騎兵が側面に回り込んで攻撃し、後詰めの軽装騎兵が追撃するという陣形である。
当時、まだ兵士と兵士が正対して会戦することが多かった時代では、その前方に集中させた攻撃力によって突撃する限り他軍を圧倒することができた。このファランギタイにより、バビロニアはシュメールやスパルタを打ち負かしてメソポタミア全域を支配し、方陣を改良したアレクサンドロス大王はマケドニアと共に地中海の覇者となった。因みに、ファランギタイはギリシア語で、現代英語の「ファランクス」の方が有名である。
しかし、攻撃力を前面に集中させた影響で側面攻撃に弱く、また、非常に扱いづらい長槍を前面の歩兵に持たせたため機動力の低下は尋常ならざるものがあり、この弱点を衝いた古代ローマ軍にマケドニア軍は散々に打ち負かされ、マケドニアはローマに服属することになる。なお、盾に関しては非常に長いサリッサを両手で扱う必要性から、通常のホプリタイの装備するものよりもかなり小さい。対して、アテナイやスパルタのホプリタイは、片手で扱える程度(2m前後)の槍を持つ代わりに、身を覆うほどの大盾を装備した。
転じて、密集した集団や重装槍兵の比喩として使われる。
特に三国志大戦などでは槍兵を並べて進軍する様から槍兵主体のデッキをして「マケドニア戦法」という。
2.の概要(STG)
株式会社ZOOMが1991年に発売したSTG。息の長い作品であり、18年後の2009年に復刻版がWiiウェアとして配信されている。詳細は PHALANX(ゲーム) にて。
4.の概要(デーモン)
デモンズソウルに現れるデーモン(ソウルの濃厚な密集体)の1つ。光り輝く本体を蔓状の物体と盾と槍を持ったスライムで守っている。一説にはボーレタリア王に仕えた将軍が部下の兵士ごとソウルを奪われた結果生まれたという。
上述のように盾と槍を多数身にまとっており、そのままではダメージを与えることはおろか無数の槍で串刺しにされてしまう。
またまとわりついたスライム状の手下を分離させ、密集方陣を敷いて主人公に迫る。
しかし手下もろとも火に弱いため、火炎瓶や松脂を使うと非常に効果的。手下ごと焼き殺してしまおう。
手下を出し過ぎて本体が盾の下から露出したら、そこを切りつけていけばそのうち倒せる。
関連項目
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