フィエステリアとは、地球に実在するエイリアン殺人プランクトンである。
…お前のようなプランクトンが居るか!居てたまるか!
尚、本稿では毒素を生産する能力を持つフィエステリア・ピシシーダについて取り扱うものとする。
概要
渦鞭毛藻の一種。
一応藻類なのだが葉緑体を持っていない。つまり従属栄養生物(餌を食って栄養を得る生物。我々人間を含む動物も当然これに属する)。
非常に複雑なライフサイクルを持ち、20数種類の形態にトランスフォームする。
…説明するとメンドイので、Wikipediaのフィエステリアの項目
にこいつの生活環を描いた図があるからこっちを見てね。
Wikipediaのこいつの項目でもある通り、こいつの基本的な行動パターンは「シスト(待機状態)で待ちぶせて、鞭毛虫の状態で攻撃をする」というものである。
普段は水底でシスト状態で待機しているが、魚などが近づくと魚が出している分泌物に反応して鞭毛虫に変態(紳士でない方の)、「攻撃モード」になる。そして強力な毒素で魚の細胞の浸透圧を狂わせて出血させ、傷口にペダンクルという口を差し込んで血球などを吸収する。傷口ペロペロだけならまだしも血管内に乱入して「ヒャッハー!新鮮な魚だぁ!」と暴れまわることもよくある。それなんてエイリアン?
「食事」を終えたフィエステリアは再びシストに戻り、次の獲物を水底で待ち構える。
恐るべきはその変態のスピード。このプロセスをたった数時間で全てこなしてしまう。トランスフォーマーならともかくこいつは地球に実在する生命体だ。こんなの絶対おかしいよ。
鞭毛虫状態の攻撃力もヤバ過ぎるが、シスト状態は文字通りの「完全防御」。
硫酸筆頭の化学薬品にもある程度なら耐えることができるとか。何この完全生命体。
フィエステリアの攻撃の相手は魚だけではなく、動物全般に渡るといっても過言ではない。もちろん人間も例外ではなく、うっかりフィエステリアの巣窟となっている湖沼に何も考えずに入った日には毒素で出血させられた挙句傷口ペロペロされて序に血管内に乱入したフィエステリアによりリアル「カンスのスーパーマーケット病」状態にされてあの世行きなんてことも有りうる。
さらにたちの悪いことにこいつの出す毒素はエアロゾル化して大気中を漂い、周辺の動物にも被害を出す事があるという。
こいつの毒素による症状は皮膚の化膿、消化器への障害、頭痛、吐き気、果ては短期の記憶障害もありとおよそなんでもあり。そして治療薬は無い。相手は死ぬ。
もはや兵器じゃね?
…以上の特性から「バイオハザード Lv3」に堂々認定されている。あのエイズウイルスと同じランク。
こんな暴れん坊極まりないフィエステリアであるが、栄養の少ない環境では他の藻類を捕食して葉緑体を取り込み、それを使って光合成をしている。どこのウミウシだ。
結局「捕食」してんじゃねーか、とか野暮なツッコミはいけません。
言い方を変えれば「富栄養化により凶暴化する微生物」とも言える。
富栄養化の原因、つまり水の中に栄養になりそうな有機物を垂れ流しているのは他でもない我々人間。
ある意味、自然界からの警告の役目を背負わされた生物とも言えるだろう。こんな警告嫌過ぎるけど。
余談
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関連項目
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