フェネック とは、哺乳類の動物である。食肉目イヌ科キツネ属の雑食動物。フェネックギツネとも呼称される。
概要
サハラ砂漠など北アフリカの砂漠地帯に生息するキツネの仲間の動物。イヌ科の動物の中で最も小さい種類になる。
全身を短く細かい体毛で覆い、冷え込みが激しい夜間でも必要な熱を溜め込む事を可能とする。砂と似た体色は背景と紛れる保護色としての効果を持つ。足の裏も毛で覆われており、日中の熱せられたフライパンの如く熱い地面でも皮膚を保護し、問題なく活動出来る。また、足の裏の毛は自らの足音を消す効果も備える。
身長30~40㎝・高さ15~17㎝ほどしかない大きさしかない小柄な体格と似合わないほどの、顔のサイズほどの大きさの耳(8.5~15㎝)が特徴。この大きな耳は砂中などに潜む獲物の音を聞き当てるのに優れる他、熱を放熱する機能も備える。
夜行性で、日中の厳しい日差しを避け夜間に活動する。体の様々な機能も冷えこむ夜間での活動に適したもの。小型の動物や昆虫に草木や根っこなど、食べれるものは何でも食べて栄養に変える。エサとする植物からは水分も接種しており、水を飲まなくても平気。コレもほとんど雨が降らない砂漠地帯に適した進化の結果得た特徴。弱肉強食の自然界で生き残るために身体能力は優れ、70㎝もの垂直飛びやその場からのジャンプで1m以上も跳躍したという記録がある。穴掘りも得意で、地中に掘り広げた巣穴を生活エリアとする。巣穴には普段の出入り口以外に緊急時用の非常口が用意されている。巣の広さは120mにも達するという。
性格は臆病で警戒心が強い。繁殖期のオスは気が荒く凶暴で他のオスと盛んに争いメスを獲得しようとする。
小型の動物で逃げる以外に身を守る特徴は無いため、生息地では多くの外敵に狙われる立場。そのため、フェネックは優れた聴力を活かして敵を先に見つけて素早く避難する、という手段で生き残って来た。故に空から急襲してくる猛禽類、特に気配と物音を消して襲ってくるフクロウの仲間は天敵。
フェネックは繁殖力が強い動物でもある。1~2月に繁殖期に入り1年に1回ほど繁殖し子育てに入るのだが、繁殖に失敗すると2・3ヵ月後くらいで再度繁殖期に突入し、なんとしても子孫を残そうとする。1回の出産で4匹ほど・最大で5~6匹の子どもを産み、産まれた子どもは2カ月ほどで乳離れをして9ヵ月で性成熟し交尾可能となる。
フェネックの交尾は非常に時間が長い。まず交尾前に前戯と呼ばれる互いを舐め合ったりじゃれ合うなどの行為を行い、互いの愛とテンションを深め合う。オスのアレは交尾が始まると膨れ上がり簡単には抜けないようになり、交尾時間は最短で45分・長い時は2時間も結合したままになる。
番の絆は強く、子育ては夫婦揃って行い、父親はエサ集めに勤しみ母親は巣穴で子どもの面倒を見る役割分担制子育てをする。夫婦とその子どもを核とする家族単位の群れで生活する。
ペットとしては
フェネックはペットとして飼える動物だぞ!当然ながら犬猫を飼うのとはワケが違う。
警戒心が強いため、あまり人に懐かないという。ネコのように自己中心的な性格で気分がイイとすり寄って来る時もあるが、気が乗らないと近寄らず、イヌのように飼い主に尽くす事はない。個体差があり、多少は人に慣れて警戒を解く個体もいるが、飼い主であろうと人を見掛けると逃げる個体も多い。慣れない個体は幼獣時から飼っても警戒を解いてくれない。発情期は気が立っており、油断してると噛み付いて思わぬケガを負ってしまうぞ。
夜行性なため、日中は静かで夜間は騒々しい事が多い。鳴き声は甲高いためよく響いてしまい、飼育下でも習性として穴掘りをしたがりしきりに地面を掘る仕草を取る。活動的なため人が寝る時間だろうが活発に動く。活動音で近所迷惑になる恐れも。
フェネックはイヌやネコのようにトイレのしつけは出来ない。個体によっては一定箇所で用を足すのもいるが、基本は場所を選ばずしたい時にそのまま用を足す。便の臭いは鼻に付くヒドい刺激臭で、とてもくさい。
フェネックはそんなに流通していない動物なため、購入金額は100万円ほどにもなる高額ペット。また、珍しい動物という事で動物病院でも病例がほとんどなく、取り扱えないと診断を断られる事も多い。飼育する際は診断可能な病院をあらかじめ把握する必要がある。
ちなみに、ニューヨークでは飼う事を禁止されている動物の1つ。
メディア展開
サン=テグジュペリ作の『星の王子さま』に登場するキツネはフェネックをモデルとしている。サン=テグジュペリ本人もサハラ砂漠でフェネックと遭遇した事を手紙で書き残している。
漫画・アニメ『ぼのぼの』では森の住人・ぼのぼのくんの友達としてフェネックギツネくんが登場。体色は元動物と違いピンク色で描かれている。
ディズニー映画『ズートピア』では主人公の1人であるニック・ワイルドがアイスキャンデー営業する際のパートナーとして登場(表記はフィニック)。小さい外見だが性格は怖い。小柄な体格を生かして幼児に成りすまして材料調達に一役買っていた。
メディアミックス作品『けものフレンズ』では擬人化して女の子となったキャラクター(アニマルガール/フレンズ)として登場。どの媒体でもアライグマ(アライさん)のパートナーとして登場している。
けもフレ効果からか、ニコニコ動画ではAV(アニマルビデオ)などでフェネックが映るとレズ扱いコメントが打たれるようになった。フェネックちゃんは別にレズではないぞ!
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関連項目
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