フェノバルビタール単語

フェノバルビタール
1.3千文字の記事
  • 0
  • 0pt
掲示板へ
医学記事 ニコニコ大百科:医学記事
※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

フェノバルビタール(Phenobarbital)とは、バルツール向精神薬である。

概要

有機化合物
フェノバルビタール
フェノバルビタール
基本情報
英名 Phenobarbital
略称 PB
化学 C12H12N2O3
分子量 232.24
化合物テンプレート

フェノバルビタールは、長時間作用バルツール睡眠薬抗不安薬・抗てんかんである。機法における劇薬、習慣性医薬品であり、麻向法における第三種向精神薬でもある。商品名はフェノバール®など。剤形は、錠剤、散剤、エリキシル剤、注射剤、坐剤がある。不眠症、不安緊状態の鎮静、強直間代発作などに用いられる。副作用として眠気、運動失調、発、肝障害がある。

1911年ドイツ化学者Heinrich Hörleinによって合成された。その鎮静催眠作用の有用性が確認されると、翌1912年には製企業バイエルから睡眠薬Luminal®”として販売開始された。さらに、てんかん患者に睡眠的で投与したところけいれん発作の発生率が顕著に低下したことから、抗けいれん作用も発見された。かつては睡眠薬としての利用が多かったがより安全に使用できるベンゾジアゼピン系睡眠薬開発されたため、現在に抗てんかんとして用いられる。ただし、強直間代発作の第一選択バルプロナトリウム

フェノバルビタールをはじめバルツール系(バルビツレート)は、中枢神経系に存在するGABAA受容体のピクロトシン結合部位(バルツール結合部位)に結合し、Cl-チャネルを開口(とくに開口時間を延長)させることで、神経奮を抑制する。幹網様体賦活系(覚醒維持に関与する神経系)などの神経の機抑制により、鎮静催眠作用や抗けいれん作用を示す。

バルビツレートは、その強い中枢抑制作用によって依存を形成しやすいため、漫然とした使用は避けるべきである。身体依存の形成には、GABAA受容体とNMDAグルタミン受容体の機的なバランスが関与していると考えられている。また、精依存や耐性も形成する。濫用したのち急に投与を中止すると、振戦、せん妄、けいれんなどの退(禁断症状)を呈する。

フェノバルビタールは、物代謝酵素シトクロムP450(CYP)を誘導するため、併用している物と相互作用を引き起こす。CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP3A4がフェノバルビタールによって誘導されるため、これらの酵素を介して代謝される物の作用にを与える。したがって、たとえばアゾール系抗真菌薬リコナゾール、高血圧症治療タダラフィルなどと併用禁忌。また、フェノバルビタール自身もCYP2C19などにより代謝されるため、この酵素を誘導ないし阻する物のを受ける。

関連リンク

関連項目

関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

【スポンサーリンク】

  • 0
  • 0pt
記事編集 編集履歴を閲覧

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

フェノバルビタール

まだ掲示板に書き込みがありません…以下のようなことを書き込んでもらえると嬉しいでーす!

  • 記事を編集した人の応援(応援されると喜びます)
  • 記事に追加して欲しい動画・商品・記述についての情報提供(具体的だと嬉しいです)
  • フェノバルビタールについての雑談(ダラダラとゆるい感じで)

書き込みを行うには、ニコニコのアカウントが必要です!