フェルナン・ブローデル(1902~1985)とは、フランスの歴史学者でアナール学派の第2世代を代表する人物である。
概要
1902年フランスのロレーヌ地方で生まれるが、パリに転居しソルボンヌ大学を卒業する。その後はアルジェリアのリセの教師として活動していたが、やがてアンリ・ピレンヌや、リュシアン・フェーヴルらと出会う。第2次世界大戦中にドイツの捕虜となるが、捕虜収容所で博士論文を書き続け、1947年に発表した。それこそがかの有名な『地中海』である。
その後1957年からフェーヴルの後任として『アナール』の責任編集者となり、1969年にル・ロワ・ラデュリ、ジャック・ル・ゴフ、マルク・フェローら次の世代に引き継ぐまでアナール学派をけん引した。その後はイマニュエル・ウォーラーステインとともにフェルナン・ブローデル・センターを築くなど、晩年まで精力的に活動していったのである。
『フェリペ2世時代の地中海と地中海世界』、いわゆる『地中海』に彼の思想が表れている。まず歴史には、
加えて第一のほとんど動かない歴史を考察するために地理学的な視点と長期持続を見通そうとし、そのために一つの歴史空間として選んだのが地中海世界であるのだ。
こうして彼によって歴史学は事件史から長期持続の歴史というマクロでグローバルな視座が導入され、現在の世界システム論やグローバル・ヒストリーの礎が築かれたのである。
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