フォウ・ムラサメとは、『機動戦士Zガンダム』に登場する人物の一人である。
CV:島津冴子(TV版)/ゆかな(劇場版)
概要
地球連邦軍のニュータイプ研究所の一つであるムラサメ研究所において強化人間として改造された女性。フォウ・ムラサメという名前は『ムラサメ研究所の4番目の被検体』として便宜的に付けられたもので、こうした点からニュータイプ研究所において彼女が人間として扱われていない事が窺える。
元々は一年戦争による戦災孤児だったとされるが、本人は強化人間の処置を受ける際に自身の名前を含めた過去の記憶全てを失っている。
作中ではサイコガンダムのパイロットとして、アウドムラ追撃中のスードリに合流。一時的にスードリを離れ、ニューホンコンに素性を隠して上陸した際にカミーユ・ビダンと出会い、お互いが敵同士であることを知らずに惹かれあうことになる。
ニューホンコンではお互いがガンダムを駆り実際に戦い合う事になるが、幾度かの戦闘と説得を経て互いの胸中をさらけ出し、改めて解り合うことに成功する。そしてカミーユの大気圏離脱を支援するためスードリに搭載されていたシャトル用ブースターを起動させるべくサイコガンダムでスードリに突入するが、当然これはティターンズに対する裏切りであった。ブースター起動作業中にアウドムラ撃墜のため特攻を仕掛けていたスードリの指揮官であるベン・ウッダーより銃撃を受け、打ち上げには成功するものの、劇場版では頭部を撃ち抜かれて死亡する。
TV版では死亡しておらず、回収の上再調整が施され、キリマンジャロ基地でカミーユと再会する。当初はカミーユの説得にも応じていたが、再調整の影響から戦火を目の当たりにして豹変し、サイコガンダム2号機に搭乗して戦う事になる。
カミーユの必死の説得により再び正気を取り戻すが、その直後、ジェリド・メサの駆るバイアランの攻撃から彼を庇い、死亡。彼女の死はその場に居合わせたアムロ・レイとクワトロ・バジーナにとって、一年戦争当時のララァ・スンの死を思い起こさせる苦いものだった。また、その魂は最終決戦において他の死者の魂と共にカミーユの側に寄り添っている。
ストーリー上の立ち位置としては先述の通り、ファーストガンダムにおけるララァ・スンのポジションにあるキャラクターなのだが、ララァとは異なりフォウは人工的(かつ非人道的)な処置を受けた強化人間であることから、その悲劇性が際立つ形となっている。また、結末はどうあれカミーユの説得に応じたことから、『スーパーロボット大戦』シリーズ等のクロスオーバー作品では、条件次第で味方キャラとして使用可能となることが多い。
声優交代に関して
『新訳』とも呼ばれる劇場版Zガンダムの制作に際して、TV版から複数のキャスト変更が行われ、フォウに関しても島津冴子からゆかなへキャスト変更がされた。
勿論、声優が引退している等の事情もあるし、劇場版Zガンダムはカミーユ役の飛田展男も改めてオーディションで選び直すなどしていたため、キャスト変更それ自体は決して不自然なことではない。
にも拘らずフォウのキャスト変更が話題になった≒荒れた理由としては、総音響監督である藤野貞義が「島津冴子は引退した」という間違った情報を富野監督に伝えたことや、富野自身が島津冴子に対し「フォウを変更するつもりはなかった」と発言したことが挙げられる。こういった経緯から、このキャスト変更、ひいてはゆかなの起用自体に否定的なファンも一部では見られる。
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関連項目
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