フサイチパンドラとは、2003年生まれの日本の元競走馬・繁殖牝馬である。
主な勝ち鞍
2006年:エリザベス女王杯(GI)
2007年:札幌記念(GII)
概要
父サンデーサイレンス、母ロッタレース、母父ヌレイエフという血統。父は説明不要の大種牡馬。2002年に死亡しており、この世代がラストクロップであった。母は米国馬で、兄弟に1984年欧州年度代表馬El Gran Senorや種牡馬としてLast Tycoon(キングカメハメハ等の母父)を輩出したトライマイベストを持ち、同牝系からカジノドライヴや欧州2歳王者Xaar、牝馬にしてベルモントSを勝ったRags to Ritchesなどが出ているかなりの良血馬。
購入者が超高額馬の爆買いで名を馳せたフサローこと関口房朗なのでこの馬も高額…かと思いきや、8700万円と案外安く購入された(もちろん普通の馬より数段高いのだが)。ちなみにこの時フサローが買った馬で一番高かったのが、テレビ番組内で命名されたことでも有名なフサイチジャンク(3億3000万円)である。…なんだかなぁ。
栗東の白井最強もとい白井寿昭厩舎に入厩し、新馬戦を6馬身差で圧勝。1勝馬ながら2番人気で阪神JFに出走するが、テイエムプリキュアの大駆けに追いつけず3着。年末の自己条件も3着と敗れ3戦1勝で2歳シーズンは終了。翌年初戦のエルフィンSは6着と大敗するが続く自己条件を勝ち、GIIIフラワーカップで2着となり収得賞金を加算。クラシックへの挑戦権を確保する。
クラシック初戦の桜花賞は2番人気に支持されるが6.6倍と微妙なオッズ。本番は微妙どころではなく14着と惨敗してしまう。オークスは福永祐一に乗り替わり、中団からよく伸びたがカワカミプリンセスの2着に敗れる。
秋もローズS、秋華賞と連続3着と惜しい競馬が続く。エリザベス女王杯はメンバーが揃ったこともあって7番人気と評価を落とすが、それに反発するように早めに集団の前に出る積極策から外目を突いて伸びる。しかし最後はまたも馬群のど真ん中を突き抜けたカワカミプリンセスに破られ2着。
…かと思いきや、最後の直線でカワカミプリンセスがヤマニンシュクル(11着)の進路を妨害していたことが発覚。審議の結果12着に降着となり、フサイチパンドラに初GIが転がり込む結果となった。この勝利で、サンデーサイレンス産駒は初年度のフジキセキから最終世代まで全世代の産駒がGIを勝つことになった。
なお、この勝利がSS産駒の牝馬による最後のGI勝利(産駒全体ではマツリダゴッホが勝った2007年有馬記念が最後)。そして、この世の春を謳歌していた関口房朗はその後資金繰りに行き詰まり、所有馬を差し押さえられるなど一気に没落。消えるように競馬界から去り、結果的にこれが最後のGI勝利となった。馬主として15年、あまりに早い栄枯盛衰だった…。まあ、フサイチジャンクとかザサンデーフサイチとか掴まされてたらそうもなるだろう…。
ともあれGI馬となったフサイチパンドラは中1週でジャパンカップに参戦し、当年の二冠馬メイショウサムソンや前年ディープインパクトを破った喉鳴りのハーツクライに先着し5着と善戦する。
翌年は何故か交流重賞のエンプレス杯で始動し2着。その後日経賞とマイラーズCは9着、ヴィクトリアマイルでは12着、GIIIクイーンカップでさえ5着と不振に陥るが、札幌記念ではフサイチと縁の深い藤田伸二と初タッグを組み、なんと逃げ切って勝利。3歳2月の自己条件戦以来の1着入線での勝利を挙げる。
その後中1週でダートGIIIエルムSに出走するという奇策に出るが11着と惨敗。仕切り直して出走したエリザベス女王杯では先団につけて上がり最速タイという強い競馬をしたのだが、相手がよりにもよって先行して強いダイワスカーレット…。最後まで末脚を伸ばして追い詰めたが3/4馬身及ばず逃げ切られ2着に惜敗。それでもスイープトウショウには先着する意地を見せた。その後ジャパンカップは先行して見せ場は作るも直線で力尽き9着。ラストランとして予定していた有馬記念は跛行で回避し、そのまま引退となった。
引退後は既定路線通り繁殖入り。子出しはよかったし、産駒も安定して勝ち上がるがパッとしない馬ばかり。フサイチパンドラは2017年10月に死亡してしまう。
ところが、ちょうど死の直前に未勝利を脱出していた7番仔アーモンドアイが次走のシンザン記念を制覇し重賞初制覇。さらに直行して桜花賞も勝つと、オークスはさらにぶっちぎって圧勝。秋華賞も圧倒的な強さで勝利し牝馬三冠を達成。同年のジャパンカップでは2分20秒6というとてつもないレコードで制し、2020年の引退までに芝GI9勝という前人未踏の大記録を叩き出すという、クラシック無冠に終わった母の無念を次々と晴らす快走を見せた。同期のテイエムプリキュアやカワカミプリンセスは繁殖牝馬として苦戦しており、天国のフサイチも娘の活躍に鼻高々であろう。
血統表
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
*ロッタレース 1992 栗毛 FNo.8-f |
Nureyev 1977 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Special | Forli | ||
Thong | |||
Sex Appeal 1970 栗毛 |
Buckpasser | Tom Fool | |
Busanda | |||
Best in Show | Traffic Judoe | ||
Stolen Hour | |||
競走馬の4代血統表 |
産駒一覧
※特に記載がない限り中央のみの戦績。また産駒はすべて引退済み。
- スペルヴィア (2009年産 牡 父 シンボリクリスエス) 23戦2勝
- ピュクシス (2010年産 牝 父 シンボリクリスエス) 8戦1勝
- サンエルピス (2011年産 牝 父 キングカメハメハ) 12戦1勝
- パンドラズホープ (2012年産 牝 父 キングカメハメハ) 中央6戦0勝 地方5戦2勝
- ダノンエール (2013年産 牡 父 ハービンジャー) 4戦1勝
- パンデリング (2014年産 牝 父 キングカメハメハ ) 不出走
- アーモンドアイ (2015年産 牝 父 ロードカナロア) 15戦11勝
- ユナカイト (2016年産 牝 父 ヨハネスブルグ) 17戦2勝
- サトノエスペランサ (2017年産 牡 父 ルーラーシップ) 5戦1勝
関連動画
関連商品
フサイチパンドラに関するニコニコ市場の商品を紹介してください。
関連コミュニティ
関連項目
- 7
- 0pt