フシギウオ(学名:Gibberichthys pumilus)とは、カンムリキンメダイ目フシギウオ科フシギウオ属の深海魚である。
ここでは近縁のマカフシギウオ(学名:G. latifrons)についても解説する。
概要
フシギウオ | |
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目 | カンムリキンメダイ目 |
科 | フシギウオ科 |
学名 | Gibberichthys pumilus |
英名 | Gibberfish |
マカフシギウオ | |
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目 | カンムリキンメダイ目 |
科 | フシギウオ科 |
学名 | Gibberichthys latifrons |
カンムリキンメダイ目という見慣れない分類群だが、これはクジラウオ目とも呼ばれ、カブトウオやクジラウオという魚の仲間が属する遊泳性の深海魚として栄えているグループ。キンメダイ目に近縁と考えられ、かつてはキンメダイ目に含まれることもあった。
フシギウオの最大の特徴はその稚魚にある。
フシギウオの仲間の稚魚の腹鰭は異様に巨大で、自身の何倍もの長さがある上に先端に10以上もの房状の器官があり、それを引きずるようにして泳ぐのである。
この腹鰭の役割として、クラゲや海藻に擬態しているという説もあるが、2005年に日本でマカフシギウオの稚魚が観察された際、房状器官がマカフシギウオの稚魚自身によく似ていたことから、本体のダミーなのではないか?との考察がされている。
異様な腹鰭のおかげで、フシギウオの稚魚は最初親とは違うKasidoron edomという学名で新種として記載されたが、後にフシギウオと同じ種だと分かり無効となったという経緯がある。Kasidoron(カシドロン幼生、カシドロン期)という名前は今もフシギウオの仲間の仔魚・稚魚の期間を指す言葉として残っている模様。
フシギウオ
フロリダ、メキシコ湾からブラジル北部にかけての大西洋に分布。稚魚は浅い場所で見つかるが、成魚は水深320~1,100m程から見つかっている。
和名が付いたのは1983年。稚魚が奇妙だからこの名前が付けられたのかは定かではない。
名前と稚魚が注目されやすい、ということ以外は人間との関わりは殆ど無い。
マカフシギウオ
タンザニア、マダガスカル、サモア、ニューギニアなどのインド洋~西太平洋に分布。水深750~2,000m程から見つかっている。
和名が付いたのは2007年。前述の日本で稚魚が見つかったことが切っ掛けとなった。
神奈川県立生命の星・地球博物館の魚類写真資料データベースでその際の写真を見ることができる。
ダライアスのフシギウオ
マイナーな魚といえるフシギウオだが、1997年にタイトーから発売されたSTG『Gダライアス』では巨大戦艦「ECLIPSE EYE」のモチーフになっている。勿論稚魚がデザインのベースである。
関連リンク
- 学芸員の瀬能がテレビ番組で魚の名前について解説しました | 神奈川県立生命の星・地球博物館 - マカフシギウオの命名の経緯などが書かれている。
- CiNii 論文 - 日本から記録されたマカフシギウオ(新称)のKasidoron期仔魚(硬骨魚綱,フシギウオ科)
関連項目
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