『フラクタル』 (FRACTALE) とは、A-1 Pictures制作のオリジナルテレビアニメである。
2011年1月~3月に、フジテレビのノイタミナ枠他で放送された。全11話。
概要
「フラクタル」とは、ブノア・マンデルブロが導入した幾何学の概念である。これが原作名に使われている理由は明らかではない。
かねてより東浩紀がTwitter上で山本寛とアニメの構成合宿をしていると話していたが、2010年8月号のアニメ誌にて情報解禁した。音楽は、オーケストラを使っている。
2010年9月から2011年11月まで、『ガンガンONLINE』(スクウェア・エニックス)にて赤崎睦美によるコミカライズが連載されていた。コミックスは全3巻。概ねアニメ通りになっているが、暴力的な描写がマイルドになっている部分もある。
2011年の『ダ・ヴィンチ』(メディアファクトリー)2月号より、原案の東浩紀によるノベライズ版『フラクタル/リローデッド』の連載が開始された。原作と協調しつつも同時にケンカも売る神設定になっているらしい(『吉田尚記のオールナイトニッポン』ゲスト出演回より)。小説は11話以降を描いているが、事実アニメはフラクタルシステムが残っているのに対し、小説はフラクタルシステムが崩壊している。小説は2011年に出ると小説の連載誌であるダ・ヴィンチにて予告されていたものの未刊行。(東が凍結を宣言したという噂もある。)
ニコ生解説の山本によれば『天空の城ラピュタ』『ふしぎの海のナディア』の影響は大幅に受けている様子。
風景やEDテーマ等ロケハンを行ったためか、ケルト文化・アイルランド的な要素がさりげなく多かったりする。
3月11日に東日本大震災が発生したため、自主規制により放送版第9話にはいくつかのシーンがカットされている。(BD・DVD版ではオリジナル版)
ファンブックである「フラクタルログブック」にはインタビューの他、設定集が掲載されている。
あらすじ
"フラクタル・システム"という管理システムにより、人類は働かなくても生きていけるという時代に突入。
しかしそれから千年の時が経ち、フラクタルは密かに崩壊しかかっていた。そんな大陸の片隅の島に住むクレインの前に、謎の少女フリュネが現れるが、一晩で姿を消してしまう。ペンダントに記録されたドッペル(アバターの様なもの)のネッサと共にフリュネを追い旅に出たクレインはやがて”システム”の秘密を知ることになる・・・
登場人物
- クレイン (CV:小林ゆう)
- 主人公。14歳の草食系男子。フラクタルシステムは使いつつも、それほどのめりこんではいない。
この世界の人間にしては珍しく固定の家を持っている。一人暮らし。父親・母親は同居していない。古い機械技術が大好きで、小説版の設定では凄腕のハッカーと設定されていた。フリュネが現れたことで自然と騒動に巻き込まれている。 - フリュネ (CV:津田美波)
- ヒロイン。フラクタル・システムを管理している僧院の巫女。16歳。
ずっと僧院で暮らしてきたため世間知らずで体は硬い。実は無数に存在する器の1つであり(子供の頃の姿はネッサと同じ姿である)、バローから虐待を受けていたような描写がある。僧院から抜けたしてきており、ロストミレニアム運動から攻撃されていたところをクレインに助けられる。無駄に行動力があり、単独行動グセがある。 - ネッサ (CV:花澤香菜)
- 10歳。フリュネが残していったブローチから出てきたドッペル。
通常のドッペルと異なり完全に人型な上、人が触れることもできる。それゆえに回線を異常に圧迫して
通信網やセンサーを狂わせてしまうことがある。クレインが大好き。実はフラクタルを再起動するための鍵。 - エンリ (CV:井口裕香)
- 「ロストミレニアム」という運動に参加しているグラニッツ一家の長女。クレインをエッチな男呼ばわりするが、連呼している本人の方がエッチだとは誰も突っ込まない。13歳。部下に黒服ニ人組タカミー(CV:宮下栄治)、ブッチャー(CV:近藤浩徳)を従えている。スンダが行方不明の後はリーダー的な役割を担っている。
- スンダ (CV:浅沼晋太郎)
- 「ロストミレニアム」という運動の一派に属するグラニッツ一家のリーダー。情に厚い。フラクタルシステムの横暴性を憤怒しつつも、最終的にフラクタルシステムを破壊しようとは思っていないなど、思想的には確固たるものではない。20歳。僧院にて攻撃を受け重傷を受けつつクレイン・フリュネ・ネッサを最上階に送り届けた後の行方はわかっていない。
- モーラン (CV:島本須美)
- フラクタルシステムの管理を行っている「僧院」の祭祀長。カリスマ性があり神官に慕われている。40歳。実は無数にある器の1つの成り損ない。フリュネに嫉妬に似ている感情をぶつける。フリュネが成長すればモーランのような姿になると思われる。僧院にてディアスに一緒にいた所を最期に行方不明。
- バロー (CV:宮本充)
- モーランの夫。科学者。48歳。偏執的・変質的にフリュネを狙う。フラクタルシステムの再起動のための研究の執念を燃やす。器のための「ネッサ」をクローン量産し、器にそぐわないネッサ達を処分している。ディアスに研究所を爆破され重傷を負った後僧院にてフリュネを手に入れるもフリュネに腹をさされた後、僧院が崩壊し死亡した。
- 黒ネッサ (CV:花澤香菜)
- 4話の祭りで現れたネッサに似た少女。フリュネを姉様と呼ぶ。9話にて、クレインとふれあい、クレインの献身的な助けに心を許すも、研究所の脱出ルートをクレインに教えた瞬間炎に巻かれ行方不明となった。数ある器の1つ。
- ディアス (CV:前野智昭)
- ロストミレニアム運動の一派。スンダの一派と違い手段を選ばない方法で圏外民を仲間に引き入れたり、僧院を攻撃したりする。攻撃力を持った艦船を保有する。最期は仲間を逃した後、モーランを口説いた後行方不明となっている。
スタッフ
- 原作 : マンデルブロ・エンジン(山本寛、東浩紀、岡田麿里の連名)
- 監督 : 山本寛
- シリーズ構成 : 岡田麿里
- ストーリー原案 : 東浩紀
- キャラクター原案 : 左
- キャラクターデザイン・総作画監督 : 田代雅子
- セットデザイン : 青木智由紀/イノセユキエ
- プロップデザイン : 田中裕介
- メカニックデザイン : 林勇雄
- 美術監督/イメージデザイン : 袈裟丸絵美
- 色彩設計 : 中島和子
- 撮影監督 : 石黒晴嗣
- 編集 : 坪根健太郎
- 音楽 : 鹿野草平
- 音響監督 : 鶴岡陽太
- アニメーション制作 : A-1 Pictures
- プロダクション協力 : Ordet
- 製作 : フラクタル製作委員会
主題歌
- オープニングテーマ「ハリネズミ」
- 作詞・作曲・歌:AZUMA HITOMI / 編曲:AZUMAYA
- エンディングテーマ「Down By The Salley Gardens」
- 作詞:ウィリアム・バトラー・イェイツ / 作曲:アイルランド民謡 / 編曲:AZUMAYA / 歌:AZUMA HITOMI
- エンディングテーマ「サリー・ガーデン」
- 作詞:ウィリアム・バトラー・イェイツ / 作曲:アイルランド民謡 / 編曲・日本語版作詞・歌 - AZUMA HITOMI
- 挿入歌「昼の星」
- 作詞:岡田麿里 / 作曲:神前暁 / 編曲:神前暁/ 歌:AZUMA HITOMI
関連動画
関連項目
外部リンク
フジテレビ「ノイタミナ」 上段 | ||
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