「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」とは、1966年7月31日に公開された日本の特撮怪獣映画（カラー）である。東宝（日本）とベネディクト・プロ（アメリカ）の共同製作。
概要
前年に公開された「フランケンシュタイン対地底怪獣（バラゴン）」の続編にあたる作品。
ただし、「主人公がアメリカ人科学者」、「ヒロインは水野久美が演じる助手」、「かつてフランケンシュタインの怪物が飼育されていたが、富士で死んだという前日談」など共通する部分はあるが、設定上は独立した別作品である。
前作に続き、「大人向けの特撮怪獣映画」としてホラー・サスペンス要素が取り込まれており、それまでの怪獣映画とは一線を画した作風となっている。それ故、多くの子どもたちにトラウマを植え付けた事でも知られる。
この作品で初めてメーサー殺獣光線車が登場し、以後のゴジラシリーズでは東宝自衛隊定番の武器となった。
あらすじ
ある日の夜、日本近海を航行中の漁船が巨大なタコに襲われる。しかし、その直後に緑の巨人のような怪物が現れ、巨人は大ダコを追い払うと船から投げ出された船員達を次々と捕まえていった。
唯一生き残った人間から「一年前に人間の前に現れて死んだ“フランケンシュタイン”のような巨人が現れた」という証言が出たため、かつて日本でフランケンシュタインを飼育していたスチュワート博士にもその話が舞い込んできた。だが博士いわく「自分の所に居た“サンダ”は非常に大人しく、人間を襲うようなものではなかった」と言い、スチュワート博士とその助手のアケミも独自に調査を開始する。
そんな中、羽田空港にその緑のフランケンが出現。緑のフランケンは空港を蹂躙し、人間を捕食して去っていった。
自衛隊は緑のフランケンを倒すべく最新鋭の対怪獣兵器“メーサー殺獣光線車”を配備、さらに川に流した高圧電流による包囲網を併用した“L作戦で”再び上陸してきたフランケンを攻撃し、相手を追い詰めるがそこに茶色のフランケン＝成長したサンダが現れて緑のフランケンを助けるようにして姿を消した。
スチュワート達は緑のフランケンがサンダの細胞から生まれたクローン的存在“ガイラ”と判断。その頃、サンダはガイラを仲間として匿っていたが、ガイラはその後も人間を襲い続けた事でサンダは怒りを露わにし、ガイラと対立する。
登場怪獣
サンダ
かつてスチュワート博士の下で飼育されていた猿のようなフランケンシュタインで、茶の体毛で覆われている。
幼少期より人間に可愛がられて育てられた事により性格は温厚で、人間に対して自分から危害を加えるような真似はせず、さらに危機に瀕した人間や同族を助けようという高い知能と情愛の心を持つ。
当初はガイラも仲間のように扱っていたが、そのガイラが次々と人間を襲うため最終的に敵対する事となる。
ガイラ
サンダから剥離した肉片が海に流れ付き、その肉片が自己再生能力で成長して生まれたフランケンシュタインで、こちらはゾンビのような醜い顔に緑の鱗状の体表を持つ。
オリジナルのサンダと違って教育もされず一匹で生きてきたためか性質は野生の獣そのものという極めて凶暴な怪物であり、陸上の人間を餌と見なして襲い捕食する。深海を生息域としている事から強い光が苦手で、陸には夜間か曇天の日に上がってくる。
サンダに助けられても改心する事はなく、彼に隠れて人間を捕食していた事がばれてサンダに追い立てられる。
スタッフ
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関連項目
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- フランケンシュタイン
- ブラッド・ピット - アカデミー賞の授賞式において、「自身が初めて観た映画」として本作の名を挙げた。
- クエンティン・タランティーノ - 代表作『キル・ビル vol.2』において、本作の殺陣を参考にしている。
- 進撃の巨人 - 巨人同士の格闘戦描写、実写版における特撮など本作の影響が強い。
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