株式会社フランス書院とは、官能小説で有名な日本の出版社である。
概要
1975年創業。日本では「官能小説と言えばフランス書院」というくらい有名な出版社・ブランド。
三笠書房という日本の出版社の完全子会社(実質的には三笠書房内の官能小説部門)であり、フランスの企業というわけではない。なぜこういった名前になったかというと、創業当初は翻訳官能小説が中心の出版社だったからのようである。
当初は「フランス書院ノベルズ」という新書判のレーベルで翻訳官能小説を出していた。1982年から、「フランス書院オリジナル」という新書判のレーベルで日本人作家の書き下ろし官能小説を出すようにる。1985年に、現在も刊行が続いている「フランス書院文庫」を創刊。以降は翻訳・国内にかかわらず文庫での官能小説出版がメインとなっていった。
その後、フランス書院コミックのレーベルを立ち上げ、コミック分野にも参戦。当初は「成人コミックと言えば」と言われるほどの人気であったが、競合他社の商品が乱立することで売り上げは徐々に低下。成人漫画に対する規制が厳しくなってきたこともあり、書店で見かけることもほぼなくなり、終了となった。
1993年には「ナポレオン文庫」を創刊、オリジナル作品中心のジュブナイルポルノ(エロライトノベル)というジャンルを確立する。その後、後継として2003年に創刊した「美少女文庫」はジュブナイルポルノを代表するレーベルとなった。
1997年には女性向け作品を扱うブランドとして「プランタン出版」を設立。ボーイズラブ・ティーンズラブ作品はそちらのブランドで出版されている。
また余談であるが公式Twitterであるフランス書院文庫編集部は、自社の商品宣伝はそこそこにエロトリビアを高頻度で呟いているので必見である。
主なレーベル
- ■| フランス書院文庫 | (1985年-)
- フランス書院の中核と言える官能小説専門文庫レーベル。書店でも非常に目立つ | 黒い背表紙に黄色い文字のタイトル | でおなじみで、「官能小説」と言われて日本人が想像するのはこのレーベルというぐらいに官能小説の代表とも言える存在である。派生レーベルもいろいろあるが、2021年現在はよりハードな内容の作品を出すレーベルとして「フランス書院文庫X」(2015年-)がある。
- フランス書院コミック文庫(1987年-1999年)
- 成年向けコミックを収録する文庫レーベル。初期は劇画調の作品もあったが、やがて美少女コミックがメインになった。他に同社のコミックスレーベルとして、「フランス書院Xコミックス」(1993年-2012年)や「Zコミックス」(2002年-2003年)があった。また雑誌として「COMICパピポ」(1991年-2007年)などがある。
- ナポレオン文庫(1993年-1998年)
- ライトノベル的なイラスト表紙・イラスト入りの官能小説レーベルで、要するに美少女文庫のご先祖様。SF・ファンタジーが中心で、現代ものは少ない。ここから雑破業がデビューしたり、某SF作家や某ライトノベル作家が別名義で書いていたりする。101冊を刊行して文庫での刊行を終了し、新書判の「ナポレオンXXノベルズ」(1998年-2003年)に引き継がれたが、こちらも美少女文庫の創刊とともに役目を終えて終了した。
- 美少女文庫(2003年-)
- 現在もバリバリ現役刊行中のジュブナイルポルノレーベル。キルタイムコミュニケーションの二次元ドリームマガジンとともに、ジュブナイルポルノを代表する存在である。現代ものが中心だが、近年はファンタジーも増加中。一般ラノベ作家が全く隠す気のない別名義やそのまんまの名前で書くことも増えている。何か大ヒット作が生まれると露骨な便乗作品が素早く出るのでもおなじみ。姉妹レーベルとして、SM・調教・催眠・孕ませなどのややハードな内容を扱った「美少女文庫えすかれ」(2009年-2017年)があった。
大百科に記事のあるフランス書院刊行作品
フランス書院文庫
美少女文庫
- お兄ちゃんのこと、好き好き大好き好き好き (水無瀬さんご)
- 搾精病棟~性格最悪のナースしかいない病院で射精管理生活~(搾精研究所) - ノベライズ
- 転生したら破滅フラグしかない悪役貴族だった件〜エルフ、獣人、吸血鬼をメイドにしました〜 (馬路まんじ)
- 土下座で頼んでみた (ほんじょう山羊、原作:ふなつかずき) - ノベライズ
関連動画
関連リンク
関連項目
- 4
- 0pt