フレイザードとは、「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」の登場人物である。
概要
氷と炎の半身を併せ持つ岩石生命体で、ザボエラ曰く「氷のような冷徹さと炎のような暴力性を併せ持つ」人物。
魔軍司令時代のハドラーの性格をもっと極端にした性格の持ち主で、非常に残忍且つ功名心が強い。
誕生から1年しか経っていない事もあってなのか、功績を挙げる事には異常な執着心を見せる事が多々ある。魔王軍の中でもその残忍さが目立った人物でもあり、女性であるマリンの顔に火傷を負わせたり、自分以外の能力を1/5に激減させる「氷炎結界呪法」を発動させ、アバンの使徒相手に一方的な戦いを見せた事もある。
当時のハドラーがそうであったように、彼もまた人間に対する偏見を強く持っている。それを裏付ける一面として、当時不死騎団長だったヒュンケルとは特にそりが合わず、隙あらばその功績を横取りした上で殺そうとした事がある。
別名「魔王軍の切り込み隊長」。
そう呼ばれるようになったのは、魔王軍結成時に一堂に会した6名の軍団長への褒美として、バーンが火柱の中に浮かばせた「暴魔のメダル」を氷の半身を溶解させてまで真っ先に手にした事から。
作中ではオーザムを攻略、そこに人間が存在していたという痕跡を文字通り「根絶やし」にしていた。また、バーンの勅命がヒュンケルに下った事が彼の逆鱗に触れ、ヒュンケルがダイに敗北した所で出現、地底魔城周辺の死火山を噴火させ、ダイ諸共マグマの海に飲み込ませようとした。
ヒュンケルの後任となり、ホルキア大陸攻略を担当。バルジ島の中央塔に潜伏中だったレオナたちを襲撃、パプニカの残存戦力を壊滅させようとするも、最中にアバンの使徒が到着、ダイ達と戦闘を繰り広げる。
氷炎結界呪法の影響下から撤退しようとしたアバンの使徒を挑発するように、気絶していたレオナを氷漬けにするも、結局撤退を許す結果になっている。
マトリフやクロコダイン、九死に一生を得たヒュンケルの協力を得て、結界の支柱となっている「氷魔塔」「炎魔塔」の破壊に成功したダイ一行は再びバルジ中央塔へと到着する。連携攻撃で氷炎魔団を退けるも、地中に潜伏していたフレイザードの奇襲によりマァムが窮地に陥る。クロコダインの機転によりマァムが救われると、そこへヒュンケルも到着。
無傷での勝利は不可能と見たフレイザードは、「過去の栄光」であった暴魔のメダルを捨て、命を賭けた博打に打って出るのであった。
切り札「弾岩爆花散」で一方的な展開を見せるが、最中にその極意を理解したダイの空裂斬が、氷と炎を繋ぎ止めていた「核」の岩を両断。対消滅を回避する為に氷と炎の半身を分離したところを、ポップのベギラマで氷の半身を焼かれてしまう。
絶体絶命の窮地に立たされたフレイザードの前に現れたミストバーンにより、「魔影軍団最強の鎧」を与えられ再び戦いを挑むが、ダイの相手にはならず、空裂斬の会得により完成したアバンストラッシュにより鎧を破壊されてしまう。
もう一度チャンスを請うフレイザードだったが、無情にもミストバーンに踏み潰されて彼の命は尽きた。
「墓くらい立ててやるか?」とフレイザードに同情の意を見せるポップだったが、ヒュンケルは捨てられた暴魔のメダルを指し、「あれがヤツの墓標だ」と言い、墓が立てられる事は無かった。
作中ではザボエラと比肩される悪役とも言われているフレイザードだったが、歴史の無い己の人格ゆえにただ栄光を求めていた事を察すると、同情の余地はあったかもしれない。
また、彼の言動から来る男女平等などの理論として「フレイザード理論」というものが存在している。
武装鎧(アーマード)フレイザード
ミストバーンの力により炎の暗黒闘気「魔炎気」となり、ミストバーンが与えた鎧に入り込んだ状態。
鎧の魔剣と同質の金属で出来ていると言われ、呪文を弾く性質を持つ上にクロコダイン以上の力も併せ持っている。
また、巨体にもかかわらずかなりの速力を持ち、タックル一発でポップとヒュンケルを戦闘不能に追い込んでいる。必殺技は拳に魔炎気の炎を纏った「爆炎(フレア)パンチ」。
かなりの強さを持っているはずだが、無意識の内に完成版アバンストラッシュの威力を悟ったダイの相手にはならず、放たれたアバンストラッシュの直撃を受けて鎧が破壊されてしまった。
余談だが、この鎧は鬼岩城編で再登場を果たしており、「デッドアーマー」という3体の鎧兵士になっていた。
こちらも槍殺法を会得したヒュンケルの相手にはならず、纏めて秒殺されている。
「氷」と「炎」
早い段階で倒されたフレイザードだったが、彼の存在が後に思わぬ伏線となっていた事が発覚する。
マトリフの秘呪文「極大消滅呪文」メドローアである。
マトリフがポップにメドローアを伝授する際に彼の話題を取り上げており、「炎と氷の呪文を同時に使えていたらまず勝てなかったろうぜ」と、発想そのものは評価している。
作中でも最強に位置する呪文であるメドローアをフレイザードが使えていたなら、もっと恐ろしい事態になっていた事は想像に難しくないだろう。
また、メドローアの当該記事の掲示板に於いて、メドローアを5発同時という驚天動地の発想をしたツワモノが存在するが、それはまた別の話である。
「 メ ド ロ - ア ! 」
墓標終了のお知らせ
物語も終盤に差し掛かり、バーンパレスが地上に柱を投下していた頃、バルジ島が攻撃対象になっていた事はご存知だろうか。そう、フレイザードの墓標があるバルジ島が、である。
作中では誰も触れることも無く、当のバーン様でさえその事を気にも留めていなかったが、ピラァ・オブ・バーンの破壊力から推測するに、メダルが破壊されていない確率はかなり低いと思われる。
しかし、気にする事は無い。墓標が立派になっただけなのだから。
地に捨てられたメダルから、地上を吹っ飛ばす程の威力がある立派な御柱に変わっただけなのだから。
フレイザードには是非安らかに眠って頂きたいものである。
主な技
氷と炎を併せ持つフレイザードは、強力な火炎や吹雪を吐き分けたり、禁呪法生命体ならではの特殊な技も有している。特筆するものは以下に列挙する。
- フィンガー・フレア・ボムズ
- 五指爆炎弾。炎の指先からメラゾーマ5発を同時に放つ。 作中ではフバーハを発動させたアポロに対して「面白い手品」として発動。 呪文である為フバーハでは防御出来ずにアポロたちは直撃を食らう羽目になった。 また、ダイにも使おうとしていたが、この時は核にダメージを受けた影響で不発している。 これを見ていたポップが学習し、後にザムザ編・鬼岩城編で使用している。 禁呪法に近いらしく、ポップの身体に負担がかかる描写も為された事がある。 フレイザードが乱発できるのは、マトリフ曰く「奴が命を省みない化け物」だからできる芸当であるとの事。
- 氷炎爆花散(ひょうえんばっかざん)
- フレイザードを構成している岩石の一部を爆発と共に猛烈な勢いで四散させる技。
作中でもその場にいた全員にダメージを与えたほか、氷炎結界呪法を発動させる合図として用いていた。
なお、身体を構成できる程度に岩石を残して発動させていたが、作中では二度しか使用していない為、岩石全てを攻撃に用いることが出来るかどうかは定かではない。 - 氷炎結界呪法
- 氷魔塔と炎魔塔の2つの魔塔を支柱として、フレイザードの核に作用させ自分以外の相手の能力を1/5に激減させる強力な結界を展開する禁呪法。マァムの魔弾銃も作動しなかった事から、対象は生物だけでなく道具にも及んでいると思われる。
- 弾岩爆花散(だんがんばっかざん)
- フレイザードの切り札。氷炎爆花散の強力版でもある。
氷炎爆花散との相違としては、全身の岩石全てを攻撃に用いることが出来る点と、岩の軌道を自在にコントロールできる点と、持続時間が非常に長いという点。
但し、生命力を著しく消耗する大技である為、文字通り命を賭した大博打とも言える技である。
フレイザード語録
ハドラーの性格を色濃く、極端に受け継いだフレイザードは、その言動も何処かハドラーに通ずる点が散見されている。ここでは、その一部を抜粋・列挙する。
- ここは戦場だ!殺し合いをするところだぜ。男も女も関係ねェ強い奴が生きて弱い奴は死ぬんだよ!!
傷つくのがイヤなら戦場に出てくるんじゃねぇ!! - オレは戦うのが好きじゃねぇんだ…勝つのが好きなんだよォォッ!!!
- たとえ全てを失ったとしてもオレの勝利だけはのがさねぇ…!!
- …もう過去の栄光はいらねぇ…新たな勝利をつかむ為に…オレは生命をかけるのだあッ!!!
- だからオレは手柄が欲しいんだ
たとえ百年生きようと千年生きようと手に入らねぇぐらいの手柄がな!! - 「勝利の瞬間の快感だけが・・・!! 仲間の羨望のまなざしだけが・・・!!
このオレの心を満たしてくれるんだ!!」
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関連項目
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