フロリンダ・ウェアハウザー(Florinda Wearhauser)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。
概要
外伝「ダゴン星域会戦記」の登場人物。自由惑星同盟の文民で、赤毛の女性。
宇宙暦640年のダゴン星域会戦当時、自由惑星同盟軍の総司令官となったリン・パオ中将の愛人であり同棲者であった。総数1000人近いとも言われるリン・パオの愛人の中でもっとも有名な女性、のひとり(彼のもっとも有名な愛人の女性は5人いるのである)。
作中での登場
フロリンダが作中に登場するのは会戦前、リン・パオが迎撃総司令官に任じられた直後に、職業的熱意に燃えたある国防委員が高級士官用クラブで食事中だったリン・パオとフロリンダのもとに突撃!隣の晩ごはんした時のことである。
しゃもじを持ってはいない国防委員の熱弁をリン・パオが受け流しているあいだ、フロリンダは特に口出しもしなかったが、けっきょく国防委員が憤然と立ち去ったあとでリン・パオとは犬猿の仲である戦闘的不平屋、参謀長ユースフ・トパロウルを引き合いに持ち出し「あなただって似たようなもの」「舌をだすにしても、相手の後ろ姿にむかってするていどの器用さはあってもいい」などと辛辣に諭している。
さらには、「(考えてみると)けっこういいコンビ」などと評してこの人格的には割とアレな男をやりこめている。特に彼をめずらしく憮然とさせたのは、「おたがい、まったくいやな奴だけど、あいつをコントロールできるのはおれしかいない、おれ以外の誰にもつとまらない――そう思っていればプライドも傷つかないわね」という言葉であった。
リン・パオとの関係
上記の通り、彼女はリン・パオと同棲していた「愛人」であって、皮肉屋で協調性に欠けるリン・パオという男のことを本人以上によく理解していたように見えるとしても、両者がなにかロマンチックな交際をしていたとは考えにくい。漁色家という点では某強精帝はともかく後世(ある意味)名だたる英傑たちに劣らぬリン・パオも、フロリンダとの同棲中でも無関係に、別の、かつ複数の女性と関係を持っていた。
しかし一方で、フロリンダとの関係は、リン・パオが持った無数の関係のなかでも特別なものがあったことも確かなようである。同棲はしてもついに婚姻関係にはならず(リン・パオは「法的には終生、独身であった」とされる)、敬されながらも不遇だったダゴン会戦以降のリン・パオとの関係がどんなものだったかはわからないが、リン・パオの末期にたちあい、葬儀と埋葬をおこなったのは彼女であった。
関連動画
関連項目
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