フロントミッション5とは、スクウェア・エニックスが発売したPS2用シミュレーションRPGである。
正式名称「フロントミッション5 Scars of the War」、FM5というタグも使用されている。
制作者ブログに曰く、「"ファイブ"ではなく"フィフス"です」とのこと。
概要
人型機動兵器「ヴァンツァー(WAP)」を駆る、フロントミッションシリーズのナンバリング第5作。
OPデモでの第一次ハフマン紛争に始まり、旧作をある程度なぞりつつU.S.N.(ニューコンチネント合衆国)の兵士であるウォルター・フェンの目線からストーリーが展開される、いわばシリーズのダイジェスト的作品である。
シミュレーションとしての評価は概ね良好な一方、時系列の関係で存在しないはずの機体が出現するなど、本筋には絡まないものの設定の破綻が散見される。これに関しては、既存設定に忠実にしすぎると敵味方の機体構成があまりに単調で彩に欠け、いかにも面白味を損なってしまうがための措置であると制作者インタビューで説明されている。
その殆どが名前とグラフィックのみではあるが過去作品のキャラクターが多数登場する。
またシリーズ初代に登場した"地獄の壁"こと第64機動戦隊も本編中にほんの少し登場する。
固有のシステム等
本作では旧シリーズには無かったシステム、ないし従来のそれをより洗練したシステムが多く存在する。
仔細は外部サイトなどに詳しいので、ここでは特筆すべきものを幾つかかいつまんでとりあげる。
スカウト
勧誘システム。特定の兵士を部隊に引き入れることができる。
キャラクターごとに得意な役柄や装備が異なるため、どの機体に搭乗させるのか、その機体をどのように運用するのかをあらかじめ考慮した方が良いだろう。
なお、一部のキャラクターは特定の条件を満たさなければスカウトできない。
改造
RPという専用通貨を消費し、武器、各部パーツ、バックパックの強化を行う。ストーリーの進展に伴い最大で12まで改造ランク上限が引き上げられる。ハードモードでは改造上限を規制されることはない。
バックパックを除く殆どのパーツには、多寡の差はあるがバランス型や特化型といった派生が存在する。デスマッツやグラップル系は多すぎ。これにより幅広くキメ細かい性能調整が可能となった。
後述のサバイバルシミュレーターにおいてランク13まで改造できるパーツもある。
LW系統などの軽量化改造は以降の強化が不可能となるものが多い。うっかりセーブしないようにしよう。
リンク
4thから導入されたシステム。要は支援攻撃。4thでは設定が面倒だったが、今作では簡素化された。
味方は全ユニット、敵はリンクを組んでいるユニット同士にのみ、「流れ弾」の当たり判定が発生する。並んだ敵を射撃して無駄弾を減らしたり敵の反撃による同士討ちを誘えるが、位置取りによっては味方を巻き込みかねず、さらに敵も同様にこちらの同士討ちなどを狙ってくる。特に長射程のガンナー武器がくせもので、まずい配置をすると貫通属性のある武器で敵諸共に複数の味方を葬り去りにかかることも。攻撃倍率上昇のスキルが発動するとより悲惨。
こうした仕様から、射撃主体ならば極力乱戦を避けて丁寧に集中砲火を浴びせるのがセオリーと言える。
本作はリンクの活用が前提とされており敵味方ともに打たれ強い。戦車は順当だがヘリの堅さは異常。
アリーナ
金銭に相当するCPを賭けて最大で3on3の戦闘を行う闘技場。 双方の総合戦闘能力の差に応じてオッズが変動し、もちろんこちらが不利であればあるほど勝利時の稼ぎは大きい。
戦闘データの再現らしき過去シリーズの人物が多数登場し、故人も含め懐かしい面々を拝める。
戦闘は自動で行われるが敵味方ともにAIがパーなのが難点。勝てる試合でも負けることが稀によくある。
サバイバルシミュレーター
本作の肝(多分)。通称「不思議のダンジョン」。
WAPパイロット一名を指名し、単機でパーツを回収しつつひたすらステージをクリアしていく。無事に全階層を突破するか脱出アイテムを使うと、一定数のアイテムかRPを持ち帰ることができる。
最大ステージ数は本編難易度により変動し、ノーマルで50層、ハードで100層となる。初めのうちは浅い階層までしか潜れないが、本編の進展に伴い階層上限が増加する。これを逆手に取って序盤でRPを稼ぐことも可能。
10層ごとに特殊ステージが用意されており、機体塗装の異なる特定の敵機は貴重な武器や消費アイテムをドロップすることがある。また第50層および第100層に配置されているボスはどちらも非常に強力。
シミュレート開始の時点で全階層の入手可能アイテムが固定されるため、運が悪いといいパーツが集まらず苦労する。クリア特典パーツのみ中断セーブ&ロードでの入手パーツ変更が可能。
本作には多彩なパーツが存在するが、その殆どがこの要素を通じてのみ入手可能で、しかもハードモードでしか入手できないものも非常に多いため、アイテムコレクターは必然的に百時間単位で入り浸ることになる。ちなみに、シリーズの看板機体であるゼニスの派生パーツもサバイバルでしか入手できない。
主要登場人物
- ウォルター・フェン - 森川智之
- 主人公。U.S.N.陸軍の歩兵から選抜訓練を経てWAPパイロットとなった。
- 訓練修了早々に第二次ハフマン紛争が勃発、以後ハフマン島各地の戦場に赴くことになる。
伊達男らしく遠征中に現地のロシアン美人といい雰囲気になって同僚に暴言を吐かれる場面も。 - ランディ・オニール - 稲田徹
- 常に懐にチョコバーを忍ばせる大食漢のノッポ。関連商品のスリーショットの向かって右の方。
- ウォルターとは幼馴染の竹馬の友で、歩兵として、またWAPパイロットとして肩を並べる。
賑やかし要員の問題児だが、いざとなれば仲間を守るために自ら矢面に立つガッツの持ち主。 - グレン・デュバル - 大川透
- ウォルターとランディの幼馴染。O.C.U.(オシアナ共同連合)のWAPパイロット。
第一次ハフマン紛争以来は互いに敵国人となり疎遠であった。彼との再会が物語の幕開けとなる。
友人にケツを差し出すよう要求する危険な狼男。 - リン・ウェンライト - 本田貴子
- U.S.N.海軍第11特殊機甲強襲連隊"ストライク・ワイバーンズ"を率いる女傑。
- ウォルターとランディの幼馴染。幼い頃は泣き虫だったそうだが、本編中では鬼。
ツンデレ軍デレ。あーうー。 - エドワード・コリンズ - 高木渉
- 面白黒人。とぼけた男だが、ヴァンツァーの操縦技能は確か。
残念ながらボイス付きで軽妙なトークを聞く機会は無い。 - ヘクター・レイノルズ - 谷口節
- リンと馴染みの、U.S.N.対テロ特殊機甲部隊"バーゲスト"の隊長。通称ヒゲダルマ。
エドワードもだが、特定の隊員構成で一軍部隊を編成するとRPをくれる。ヒゲスキー。 - エミール・クラムスコイ - 久川綾
- 在アラスカ特殊放射線研究所の所長。3rdからゲストとして登場。別人としか思えない。
専門はマジカルビームと語学講座。 - ジェイミー・ビンソン
- 誤射王。「隊長、死んでください」
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関連項目
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- ページ番号: 3660960
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