フン族とは、古代末期に中央アジアからヨーロッパへきた遊牧民族。出自や民族はよく分かっていない。
概要
中央アジアからヨーロッパに出現。4世紀頃には確実に黒海沿岸に進出し、当時文献に記されたヨーロッパほぼ全てを蹂躙していった。最盛期にはライン川流域から黒海沿岸までの広大な領域を誇った。フン族の活躍がガリア人、ゲルマン人、スラブ人の諸族を押し出すことになり、これらの諸族はローマ帝国に侵入。いわゆるゲルマン民族の大移動を引き起こす。東ローマ帝国は貢納や軍事的に従属させること、更にこれらの諸族を傭兵として雇うことが出来たが、経済が低調だった西ローマ帝国は東ローマ帝国に比べ財政基盤が貧弱であり、更に領内に次々ゲルマン人の王国が出来ていったため、崩壊の原因となった。
アッティラの死後、従属化にあったゲピド族によって敗北し、アッティラの息子エリク王も討ち取られた結果、フン族の覇権は終わった。然しながら、欧州の混乱は止まらず、西ローマ帝国の崩壊にともなって暗黒時代ともされる中世に突入するのである。
フン族の獲物
その他、滅亡離散した部族が多数あると推測される。
匈奴説
フン族が、中国史料にある中央アジアで活躍した匈奴と関連があるのではないかという説があるが、現在は関連しているとも、またしていないとも言えない状況である。いくつかの共通点はあるものの状況証拠に過ぎない。
匈奴 | フン族 |
騎馬遊牧民族である | 騎馬遊牧民族である |
中国北方からモンゴル高原を起源としており、モンゴロイドと推測される。 |
アッティラの外見として間接的ながら以下のことが述べられている。 |
91年に北匈奴が後漢に征討され、現在のカザフスタンへ逃走。中華圏からはその動向が不明となる。 | 370年頃にヴォルガ川を越えアラン人を破って、中央ユーラシアから黒海北方へ進出。 |
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関連項目
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