教科書に出てくるフーリエは二人。他にゲームに出てくるフーリエが居るが、そちらは該当項目を参照。
- ジョゼフ・フーリエ(数学者)
- シャルル・フーリエ(空想的社会主義者)
- フーリエ(PSO2)
ここでは1を解説する。
ジョゼフ・フーリエは18-19世紀のフランスの数学、物理学、考古学者。数学史でも一、二を争う山師で、代表作はもちろんフーリエ解析。
概要
フランス高等師範学校(教師の養成校である)の第一期生。といってもフランス革命期のごたごたですぐ閉鎖されたため、実質的には現場叩き上げの教授といっていい。
学者としては応用数学畑の人で、具体的な数値方程式をできるだけ誤差を出さずに効率良く解く方法だとか、熱伝導の理論だとかそういう方面の業績が中心である。有名なフーリエ解析も熱伝導の研究から生まれたもので、現代に至るまで幅広い工学応用を持つ大鉱脈の発見だった。
さて、このフーリエ解析なのであるが、フーリエ本人によるオリジナルの見解は以下である。
実のところ、オイラーやガウスといった大物は皆三角級数の存在には気付いており、その事自体はフーリエの独創といえるほどのものではない(後年ラマヌジャンなんかも再発見している)。しかし関数がなんだかも定まっていないような時代に「すべての関数」とアジったのはフーリエだけで、これをきっかけとしてフーリエ解析はメジャーシーンへと躍り出た。要するにフーリエはハッタリが上手かったのである。
実際フーリエ解析は便利だったし「大体あってる」のも本当だった。問題は「どこまであってるのか」という事で、フーリエ級数の基礎付けは19世紀数学の大きなトピックの一つとなっていく。実はコーシーによる解析学の厳密化やリーマンやルベーグの積分理論、さらにはカントールの集合論などはフーリエ解析と密接に関係しており、「必ずしも正しくない主張が時には物事を進歩させる」といういい例になっている。ゲッチンゲンで引き篭もってたどっかの爺さんに聞かせてやりたい話である。
1830年、63歳で死去。エジプト遠征の時にハマった「熱は命なりッ!おぉお~ん」というオカルト習慣が遠因、らしい。
その他
有名なのはフーリエ解析をプロデュースした数学者としてだが、他にも知事をやったり考古学をやったり色々な仕事をしている。かのロゼッタストーンを一時期保管していたこともある。学者というよりは技術に通じた現場監督みたいな人だったのだろう。
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関連項目
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