ブラック・ウィドウ(Black Widow)とは、マーベル・コミックに登場するスーパーヒーローである。
また、新型コロナの影響で度重なる延期を経たが、2021年には彼女を主役とした同名の実写映画も公開された。
その他のブラック・ウィドウに関してはブラックウィドウの記事を参照。
概要
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ブラック・ウィドウは凄腕の女スパイである。
多くのスーパーヒーローが超能力・超科学・魔法などを用いて戦うなかで、彼女は卓越したスパイ技術(格闘技、銃火器などの技術も含まれる)を活かして戦う。
基本コスチュームは黒ずくめのボディスーツ。諜報活動・暗殺を得意とするが、戦闘では様々な体術・武器を巧みに使いこなす。特徴的な武器として、両腕に装備して相手に電撃を流すウィドウズ・バイトがある。
女スパイのお約束である、その美貌を活かした色仕掛けも得意。具体的な能力としては以下が挙げられる。
謀略や権謀術数も十八番であるため、時には他のキャラクターが得意としない「裏の仕事」を任されることもあり、二面性を持つキャラクターだとも言える。
オリジン
本名はナターシャ・ロマノフ。
ロシア(ソ連)生まれであり、KGBでスパイ訓練を受けた。
現行設定では、レッドルームと呼ばれるスパイ育成機関で過酷な訓練を積み、スパイとして活躍させられるべくマインドコントロールを受けていたとされている。
またこの時特殊技術によって、老化を抑え、身体能力を高める処置が施されている(キャプテン・アメリカの超人血清と似たようなもの)。
その後はロシアのスパイとして、アメリカで諜報活動を行う。コミック上での初登場はアイアンマンのヴィランの一人としてであり、トニー・スタークに諜報活動を行っていた。
だが、スパイ活動の中で知り合ったホークアイに惹かれていき、最終的にはソ連からアメリカへ亡命して、アベンジャーズやS.H.I.E.L.D.に参加することになった。
なお長期連載を続けるマーベル・コミックの例に漏れず、ブラック・ウィドウと名乗るヒーローは複数存在している。
実写映画
マーベル・シネマティック・ユニバースにおけるブラック・ウィドウについて記述する。
基本的な設定はコミックと同じだが、実写に合わせてか老化抑制や超人的な身体能力の設定は無く、凄腕のスパイという形でまとめられている。
基本的に冷静沈着で感情を表に出さないが、他のメンバーを思いやり、チームの団結を大切に考えるまとめ役でもある。若干クーデレ。
他のヒーローとのクロスオーバーという点では最初期から登場する古参メンバーであり、MCU作品への登場回数もアイアンマンやニック・フューリーに並ぶ多さである。
サブキャラクターとしての登場が多かったが、2021年には単独映画が公開される。
俳優はアクションもこなすクールビューティー俳優、スカーレット・ヨハンソンが一貫して務める。
アイアンマン2
原作リスペクトで、ニック・フューリーがトニーの監視のために送り込んだS.H.I.E.L.D.のエージェントとして登場。
あくまでサブキャラクターとしての登場だが、終盤では活躍が見られる。
アベンジャーズ
『アベンジャーズ』からはヒーローとして本格的に描写されるようになる。
チームの紅一点として謀略・戦闘含め様々な活躍を見せる。
一方でバラバラな個性を持つメンバーの中では割と常識人であるため、ハルク化したバナーをなだめたり、洗脳を受けたホークアイを介抱するなど、随所で苦労している。
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
S.H.I.E.L.D.エージェントとしてキャプテン・アメリカと共に活躍している。彼がS.H.I.E.L.D.から追われることになった際は協力し、共に陰謀に立ち向かっていく。
今作ではキャップとの関係性が深く描かれ、人生の先輩としての貫禄を見せつけた。あとキャップの童貞っぽさ。
終盤ではある大きな決断を下しており、彼女のヒーローとしての理念・精神を窺うことができる。
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
アベンジャーズの一員としてハルクのなだめ役を任されてあり、そのこともあってかバナーとは良い関係になっている。
戦闘での活躍は言わずもがなだが、終盤では囚われのお姫様役を担うなど、今作のヒロインとも言える。
スカーレット・ウィッチに攻撃された際の幻覚やバナーとの会話で、今まで描かれなかった彼女の辛い過去を窺うことができる。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
キャプテン・アメリカと共に新生アベンジャーズのリーダーを務める。
ソコヴィア協定には同意するが、チームとしての和を重視しているためであり、作中での彼女のスタンスは基本的に中立である。
最終的にはキャプテン・アメリカとウィンター・ソルジャーの逃亡を手助けし、トニーの元から去る。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
キャプテン・アメリカらアベンジャーズ離脱組と共に行動しており、ワカンダでの防衛戦に参戦。スカーレット・ウィッチ、オコエら女性メンバーと共にプロキシマ・ミッドナイトと対峙し、地球vs宇宙の女の戦いを繰り広げる。
アベンジャーズ/エンドゲーム
消滅したフューリーに代わりアベンジャーズの代表を務め、各地のメンバーと連絡を取っている。リーダーとして孤軍奮闘し、希望を失いつつあるメンバーを励ましている。
「タイム泥棒作戦」の実行に当たっては、悪堕ちしてローニンと化していたホークアイを説得し、作戦に引き入れる。
ホークアイと共にソウルストーンの回収に向かうが、そこで…。
ブラック・ウィドウ
遂に製作されたブラック・ウィドウ単独作。
MCUの24作目であり、フェーズ4のファーストタイトルとなる。2020年5月公開予定…であったが世界的な新型コロナウィルスの流行により2020年3月に公開延期が発表された。2020年4月には11月までの公開延期が発表された。2020年9月には2021年5月への公開延期が発表された。2021年3月には2021年7月への公開延期が発表された。また、7月の劇場公開と同時にディズニー+での配信も始まると発表されている。
2021年7月8日に一年以上の延期を経てついに劇場公開。翌9日からはインターネット配信サービス「ディズニー+」でも配信が開始される。
ブラック・ウィドウの過去に迫る作品であり、彼女がスパイとして育てられた特殊機関「レッドルーム」が物語に深く関わってくる。
ブラック・ウィドウの「妹」エレーナ、「母」メリーナ、「父」アレクセイ/レッド・ガーディアン、あらゆる技術を習得する能力を持つヴィラン・タスクマスターなどが登場する。
興行収入に関して
本作『ブラック・ウィドウ』は初週こそ全米でコロナ禍以降最高の売り上げを達成し、ネット配信でも6000万ドルを売り上げた。劇場とネット配信の合計では初週で2億1500万ドルを達成したとディズニーは発表している。
しかし、公開翌週には劇場の興行収入が66%ダウンという異常な急降下を見せた。この原因はやはり劇場公開即日のネット配信によるものだと言われている。
ネット配信に関しての訴訟
2021年7月、主演のスカーレット・ヨハンセンが本作の早すぎるネット配信は契約違反だとしてディズニーを訴えた。
ヨハンセンの出演料は劇場での興行収入に基づいているとされ、2週目以降の劇場での興行収入の急降下によって本来得られたはずの金額よりはるかに少なくなってしまったとされる。ヨハンセン側は映画の公開・ネット配信以前からこうなることを危惧してネット配信に関する契約の更新を求めたが、ディズニー側から拒否されていたという。
この件に関して、マーベル・スタジオの社長であるケヴィン・ファイギもヨハンセン側を擁護するような発言があったという報道もある。
関連項目
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