ブラッドムーンとは、
- 英語の名詞「blood moon」。ブラッド(blood)は「血」、ムーン(moon)は「月」を意味するため、直訳すれば「血の月」「血のような月」となる。皆既月食の際、地球の大気を通過して屈折した太陽光線に照らされることで、月が赤く色づいて見える自然現象を指す[1]。
- 2014年1月に発売された、冒険企画局/齋藤高吉製作のTRPG。
本記事では上記の2.について解説する。
概要
夜を彷徨い、人を喰らう怪物(モンスター)たちはみな実在する。やつらに気づいてしまった人間の道は三つ。
死ぬか、壊れるか、戦うか。
そして、戦うことを選んだものたちは狩人(ハンター)となり、血月(ブラッドムーン)の光の中を駆ける。いつかは死ぬ。そのうち壊れる。だが、諦めはしない。
(基本ルールブック裏表紙より引用)
舞台は現代、プレイヤー達は様々なきっかけにより「目覚め」たハンターとなり、日常世界の裏側にに潜む怪物と戦うTRPGである。
シノビガミ、キルデスビジネスをはじめとする「サイコロ・フィクション」シリーズの一つである。また同サイコロ・フィクションシリーズの第3弾『ハンターズ・ムーン』と第5弾『ブラッド・クルセイド』が統合、調整されたものである。
セッション自体は、導入フェイズ→メインフェイズ→決戦フェイズ→結果フェイズ、と進行していく。基本的に導入フェイズでPC同士が知り合い、メインフェイズで敵となる怪物の「余裕」など減らしたりPC同士で交流し、決戦フェイズで怪物との決着をつけ、結果フェイズで結末を描きアフタープレイを行う。
本ゲームにはいわゆるHPというものが存在せず、代わりに「余裕」、「血量」と「部位ダメージ」がある。実際の戦闘においては、ひとまず「余裕」、「血量」の値が減っていき、それが尽きた後「部位ダメージ」が蓄積し、一定以上の数値になったら戦闘不能になるという仕組みである。
世界観
怪物は大きく分けて二種類存在する。「モノビースト」と「ヴァンパイア」である。
「モノビースト」は人を喰らう獣で、通常の人間は見ることができない。その習性は様々であるが、総じて人間を捕食する。彼らを見ることのできない人間は、死の直前まで彼らを認識できず、ただ喰われるしかない。
また、モノビーストは不可解な理由から、満月の夜以外は死亡しないという特徴を持っている。
「ヴァンパイア」は人の血をすすり、幸福を破壊する邪悪な存在である。基本は人型で、人のように話すため、通常の人間も彼らを認識できる。しかし、戦闘体と呼ばれる姿に変化することもあり、そのとき通常の人間は彼らを見ることができなくなる。
また、ヴァンパイアは人の苦悩を愉悦と感じ、幸福を好んで挫く。
人間やその他動物は通常、怪物を認識できない。正確には人間はその他動物には「怪物を認識しない」という能力を持っている。
しかし、「怪物を認識しない」能力を失い、「目覚め」、そして怪物と戦うことを選んだ存在、それが「ハンター」である。
彼らの出自は様々であり、彼らが戦う理由もまた異なっている。だが「目覚め」る前、彼らの多くは元々人間である。
彼らの多くは、基本的に大小さまざまな組織に所属している。所属することにより、装備品や訓練といった支援を受けることができる。
また、ハンターたちにはそれぞれが得意としている武器がある。例えば「斧」や「長銃」、「槍」といったいわゆる武器らしいものから、「犬」や「人形」、「幸運」といったものまで多岐にわたって存在する。ハンターはその中から二種類の武器を組み合わせることで、独自の戦闘スタイルを持っている。
特徴
本ゲーム最大の特徴として「幸福」というものが存在する。
「幸福」とは、ハンターが幸せを感じる物や人、行為、思い出などである。例えば、最愛の恋人、お気に入りのカフェ、剣技に対する自信、年商1億を超える会社社長という地位などである。プレイヤーは自分のキャラクターに対して自由に「幸福」を設定することができる。
そして、「幸福」はハンターに力を与える存在である。なので、怪物たちはハンターの力を削ぐため、そして何より怪物自身の愉悦のため、幸福を付け狙い破壊しようとする。
「幸福」を失ったハンターがどう想い、どう行動していくのか。それはハンターだけが知っている。いや、ハンター自身も知らないかもしれない。
怪物は「支配」というものを持っている。これは怪物にとっての「幸福」である。
ハンターたちは、その「支配」を削ぐことで、怪物の力を削いでいく。
怪物たちは強力だ。簡単に倒すことができない。だが、その力を支えているものを少しでも剥いでいけば、いつかは倒すことができる。
関連動画
関連商品
関連項目
脚注
- 4
- 0pt