ブラーフミー系文字とは、ブラーフミー文字を祖先とする文字の総称。インド系文字とも言う。
概要
インドで使用されるデーヴァナーガリーおよびタミル文字の他、チベット文字や、東南アジア等で使用されるタイ文字およびクメール文字、そして日本の仏教美術で見られる梵字(悉曇文字)等がブラーフミー系文字に含まれる。
ブラーフミー系文字の主な特徴として以下が挙げられる。ただし一部の文字では例外も存在する。
- 子音文字は単独では「子音+a」(または別の特定の母音)を表す文字として用いられ、「子音+a以外の母音」を表す場合は「半体記号」を子音文字に付加する。例えばデーヴァナーガリーにおいて、क は単独ではkaの音を表すが、これに ी を付加した की ではkīの音を表す。半体記号によっては子音文字の左側や、左右両方に付く物もある。これとは別に、単独の母音を表す文字も存在する。
- 子音文字を子音だけで読む場合は特別な符号(ヴィラーマ)を子音文字に付けるが、子音文字どうしの結合文字で表す事もある。例えばデーヴァナーガリーにおいてkの音を表すには क् と書くが、ktaの音は क् त の代わりに क्त と書く。特にrとyの子音、およびkṣaを表す文字については特別な物が存在している。
- 文字の配列順序は「軟口蓋音→硬口蓋音→そり舌音→歯音→唇音→半母音→摩擦音→気音→その他の子音」で、軟口蓋音~唇音の5種類についてはさらに「無声無気音→無声有気音→有声無気音→有声有気音→鼻音」という順序となっている(日本語の五十音図もこの配列の影響を受けていると言われる)。
主なブラーフミー系文字一覧
- オリヤー文字
- カンナダ文字(カナラ文字)
- グジャラーティー文字(グジャラート文字)
- クメール文字(カンボジア文字)
- グルムキー文字
- サウラーシュトラ文字
- ジャワ文字
- シンハラ文字
- タイ文字
- タミル文字
- チベット文字
- デーヴァナーガリー
- テルグ文字
- バイバイン(タガログ文字)
- パスパ文字
- バリ文字
- ビルマ文字
- ブヒッド文字(ブヒル文字)
- ベンガル文字
- マラヤーラム文字
- ラーオ文字(ラオス文字)
- リンブ文字
- ロンタラ文字(ブギス文字)
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関連項目
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