ブレイクコア(Breakcore)とは、音楽ジャンルの1つである。
概要
ブレイクビーツを主体に、サンプリングした音声素材を細かく切断、並び替えなどをし構成した音楽を指す。
特に、アーメンブレイクと呼ばれるブレイクビーツがメインで使われることが多い。
非常に自由度の高いジャンルで、複雑化させたブレイクビーツが使われていれば何をしてもよい、
といった感じの部分があり、ガバのようにディストーションのかかったバスドラムを使ったり、
既存の楽曲や映画のセリフなど著作権に触れる素材を堂々とサンプリングしたり、
レゲエやチップチューン、ポップスやクラシックやへヴィメタル、ヒップホップやグラインドコアや民族音楽など
あらゆる音楽ジャンルの要素を取り入れたりするなど、多種多様なスタイルの楽曲が存在している。
アーティストによるスタイルの違いも大きく、さらに路線を頻繁に変えるアーティストも多いため、
定義がかなり難しいジャンルでもある。
BPMは170~220あたりのものが多いが、 125や260といったものもあり、幅広い値となっている。
また、Venetian Snaresなど、拍子が4/4ではない曲を作るアーティストもいる。
ジャングル、IDM/エレクトロニカ、ハードコアテクノなどが主なルーツとされているが、
先述のように他のジャンルを吸収する性質が強いため、音楽の中でも極めて異質なものと言えよう。
ブレイクコアのシーン
先ほど述べた通り、ブレイクコアは特殊な性質を持つ音楽であるためか、
音楽シーンでは決してメジャーな部類ではない。
しかし、そのジャンルとしての魅力がアンダーグラウンドな人気を博しており、
世界各国に多数のアーティスト、DJ、レーベル、リスナーが存在する。
日本も例外ではなく、インディーズやネットレーベル、同人音楽を中心に根強い人気を誇っている。
サブジャンルおよび類似ジャンル
ジャンルの自由さゆえ曲調が幅広いブレイクコアだが、
サンプリングに使った素材、取り入れた手法やジャンルによりいくつかのサブジャンルに分類することもできる。
類似ジャンルであるドリルンベースもここで解説する。
- ラガコア(Raggacore)
ダンスホールレゲエやラガジャングルなど、レゲエ系統の音楽の要素が入ったブレイクコア。 - チップブレイク(Chipbreak)
チップチューンの要素を取り入れたブレイクコア。 - ジプシーコア(Gypsycore)
ジプシー系の音楽をサンプリングなどして取り入れたもの。
その独特なノリに魅せられた人も多いようで、近年急速に注目を集めている模様。 - アーメンパンク(Amen punk)
パンクの楽曲にアーメンブレイク主体の複雑化ブレイクビーツを重ねたもの。 - ロリコア(Lolicore)
日本のアニメ・ゲームの主題歌、挿入歌、セリフをサンプリングしたもの。
日本のサブカルチャーの影響を色濃く受けているが、海外にも制作するアーティストが多い。
(そもそもの起源も海外だとされている) - マッシュコア(Mashcore)
2つ以上の既存曲をサンプリングして混ぜる、マッシュアップの手法を使ったブレイクコア。 - ダンスコア(Dancecore)
既存曲(狭義にはダンスミュージック)を早回ししてサンプリングし、ブレイクコアにしたもの。
マッシュコアとほぼ同義として扱われることも多い。
ダンスコアという名称はハンズアップ(トランスのサブジャンルの1つ)の別称としても一部で用いられているため、
混同しないよう注意する必要がある。 - ドリルンベース(Drill'n'bass)
ブレイクコアと同じく、ブレイクビーツの並び替えなどで構成した複雑なビートを特徴とするジャンルだが、
ブレイクコアはビートの音圧を高くしたものが多いのに対し、こちらはそれほど高くはしないものが多い。
また、IDM/エレクトロニカ的アプローチが強いジャンルでもある。
(ブレイクコアもIDM/エレクトロニカの影響を受け発展してきたジャンルではあるが)
代表的なアーティストはAphex Twin、Squarepusher、μ-ziqなど。
アーティストの例
海外
国内
レーベルの例
海外
- Ad Noiseam
- Cock Rock Disco
- Planet Mu
- Tigerbeat6
- Sublight Records
- DANCE CORPS
- Sociopath Recordings
- Peaceoff
国内
- merry works
- Vol.4 Records
- Otherman Records
- edsillforRecordings
- MURDER CHANNEL
- ROMZ RECORDS
- No Disco Records
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 4
- 0pt