ブロマイド(Bromide)とは、臭化物を意味する化学用語である。
日本では、タレントの肖像写真のことを表す和製英語となっている。
概要
ハロゲンの一種・臭素(bromine)が化合した物質のことを臭化物(bromide)と呼ぶ。
英単語としてのbromideはこの意味しか持たない。
代表的な臭化物である臭化銀(silver bromide)は光によって臭素と銀に分解し、遊離した銀が黒くなって現れる性質がある。これを利用し、銀塩写真の感光紙として臭化銀印画紙(bromide paper)がよく使われたため、日本では「ブロマイド」に「写真」の意味が加わったものと思われる。
日本での用法
日本では、大正時代頃より、俳優など有名人の生写真が写真展などで売られるようになり、これらを「ブロマイド」と呼ぶようになった。昭和より上の世代にとっては「ブロマイド」というとこの種の写真を思い浮かべることがある。
1990年代の第2次アイドルブーム時代には、これらの写真は「ブロマイド」より「生写真(雑誌のグラビア印刷などではない、直接カメラで撮って現像した写真の意)」と呼ばれることが多くなり、「ブロマイド」という言い方は死語となった。
2000年代後半の第3次アイドルブーム以降は「ブロマイド」の呼称に復権の兆しが見られるが、その頃にはすでにデジタルカメラが普及して「生写真」自体が珍しくなったため、銀塩写真でなくとも、写真風のプリントがなされたアイドルのポートレート全般を指すようになっている。そのため、写真にすることが不可能な架空のキャラクターの「ブロマイド」も登場するようになった。
当初よりこの種の写真を販売していた株式会社マルベルは、呼び方を少し変えた「プロマイド」を商標登録している。同社は、「ブロマイド」の呼称を冒頭の臭化銀印画紙の意味で用いている。
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