ブーメラン(boomerang)とは、オーストラリアの先住民族アボリジニーが使っていた、投げた後標的に当たらなかった場合戻ってくる「く」の字型の武器・道具である。飛び道具の一種。
比喩として発言者が自分を棚上げした言動、自分自身が当てはまる事を言ってしまうこと。そちらは、ブーメラン(ネットスラング)・お前が言うな の記事を参照。
ただし実戦的なものは必ずしも戻ってくるとは限らない(後述)
概要
狩り・遊具・スポーツとしてのブーメラン
ブーメランとは元々狩猟のために使われていた道具ではあるが、民族儀式や祭りにも使われていた。
世界最古のブーメランは1万年以上前のオーストラリアの地層から見つかった物で、そこからアボリジニーは数千年規模に渡ってブーメランを狩りの道具として使っていたと考えられている。
また、ブーメランに近い物は他の国にもいろいろ存在している。
現在ブーメランは、投げれば戻ってくる道具として娯楽用にも使われている。またスポーツとしてのブーメランも存在する。
パソコンで型をデザイン・印刷して工作用紙に貼り付けて切り抜き重ね合わせをすれば簡単に作成できる。木や樹脂で作成したものと比べて風に流されやすいので屋内で遊ぶのに適している。
基本的には「く」の字型の物がブーメランであるが、流動力学が発達してくの字型をしていなくても戻ってくる形も沢山作られそちらもブーメランと呼ばれている。
ちなみに、宇宙の無重力下でもブーメランは手元に戻ってくることが、日本の宇宙飛行士の実験で明らかになっている。
パンツ(水着)としてのブーメラン
ブーメランパンツを指す。男性向け競泳用水着の型のひとつである。いわゆるブリーフ型に分類されるが、前方から見た時にV字=ブーメランに見えることからブーメランパンツと呼ばれている。その面積の少なさからは想像しにくいが、デザインに流行り廃れがある。よりタイトで面積の少ないデザインが流行した事もある。
創作作品におけるブーメラン
日本では様々な創作作品において「武器としてのブーメラン」が登場する。
通常、投げたり敵に当てたりしても戻ってくる様子が描かれる場合が多い。
長剣や槍では成しえない射程も魅力で、射程と同じ長さの鎖やワイヤーも必要ない。
- 曲線的な軌道によって遮蔽物の背後の対象を攻撃するなど意表を突く
- 複数のブーメランが多方向から襲い掛かる事で対処や迎撃を困難とする
- 離れた空中目標やスイッチなどを攻撃・作動させる
- 特に大型・硬質なものはそれ自体で殴るなど近接攻撃も可能
- 相手に対する威嚇・牽制・警告、武器などを叩き落とす
- 使い捨ての消耗品で良い場合、投擲後に身を隠したり逃亡できる …など割と応用範囲は広く奥が深い。
広義にはトマホークなど重心が偏っているものや、どう見ても戻ってこなさそうな棒状の武器をブーメランのような軌道で使う作品もある。命中精度は射撃のように使用者の技量が現れる場合もある。
…が、戻ってくる点に限っては現実的ではない。
- 破壊力・殺傷能力のある高速回転する物体が手元に返ってくる時点で危険。
- 物体への命中によって運動エネルギーを失う、軌道が変化する。
- 手元に戻ってくる・受け取るという意味では、使用者が無防備で最終的な軌道が予測されやすい。
- 室内・市街地・森林など障害物やの多い場所、狭い場所では役に立たない。
- 主力武器とした場合、投擲によってそれを失う可能性がある。
- 複数本を消耗品として用いる場合、威力を持つものは折り畳めても大型で携行性が劣る。
ブーメラン型の投擲武器として、カイリー(カーリ、キラースティック)という通常のブーメランよりも大きく重量のある武器が実在するが、こちらは手元には返ってこない。
ブーメランは比較的軽量で一般的には投げたら手元に返ってくるものを指すが、武器にできるほどの重量と殺傷力を持つ飛行体が仮に手元に返ってくることがあれば、使用者にも危険が及ぶことになる。
しかも大抵は高速回転しているのがほとんどであり、疲労・負傷・老齢などで受け損なう可能性もある。
単純に敵や物体に命中すると運動エネルギーを失って落ちる、軌道が変わってしまいあさっての方向へ飛んでいくため回収は困難。百歩譲って運動エネルギーを一切失わずに敵や木々をぶった切りながら飛翔するブーメランが手元に返ってきたらやはり危ないことこの上ない。
飛翔する以上は槍や長剣以上に広い面積が必要であり、室内や森林などでは使用が制限される。
単純に野球のボールのようにどこかへ飛んでいって紛失する可能性もあり、敵前で探す暇がない。水深のある水中や溶岩に落ちたら終わる、繰り返し命中や酷使による変形で軌道や癖が変化する可能性もあるため、安定した使用には複数本で運用するのも一つ。
副次的な武器として用いたり、主力武器が別にある、ブーメランがなくても元々が強いなら良い選択肢かもしれない。
…なんて作り話のフィクションに細かいことを突っ込んではいけない。
ゲーム「モンスターハンターシリーズ」におけるブーメラン
ダメージは8固定。斬属性が付いているので斬撃のみで破壊可能の部位(尻尾など)でも破壊可能。斬属性攻撃が出来ないハンマープレイヤーなどが持ち歩いている事がある。
8回に1回の確率でロストしてしまう。スキル「神のきまぐれ」や「投擲技術UP」でロストする確率を下げることが可能。
また、猫スキル「ネコの投擲術」で与えるダメージが倍になる。
全体防御率の影響を受けてしまう。特に「MHP2G」においてG級モンスターは尻尾の耐久値、全体防御率共に上がっているので上記スキルがないままブーメランで尻尾を切断しようとすると尻尾が切断される前に最大所持数である5本全てを投げきってしまうこともざら。このため、上記スキルを付ける、「砥石」+「竜骨【小】」で現地調合するなどの対策をしておくとよい。
MHP2時代は、ラオシャンロンやシェンガオレンといった特殊なモンスター以外の全てのボスモンスターをブーメランのみで討伐した記録がある。
現在2chブーメランスレ有志がG級クエストにチャレンジ中。
ゲーム「ワイルドアームズ」のブーメラン
psシリーズで発売されているゲーム「ワイルドアームズ」にもブーメランという敵が登場する。
名前の通り手にブーメランで攻撃してくる。
TCG「マジック:ザ・ギャザリング」のブーメラン
青のバウンス系呪文の一種で、土地を含むパーマネントを1つ持ち主の手札へ戻すインスタント。
イラストのバリエーションが多いが、上記のような武器や道具らしきものが描かれているものがないため、こちらは比喩的な意味を表していると思われる。
漫画「テニスの王子様」のブーメラン
強烈なスピンをかけてボールをカーブさせる「スネイク」をコートの外に向けて放ち、ネットのポールの脇を通して相手のコートに入れる技。
コートの外に出た球がブーメランのように戻ってくることから「ブーメランスネイク」と名付けられた。
実際のブーメランの様に手元に戻ってくる訳ではない。
(放った球を手元に戻すトンデモ技も存在するが、こちらはブーメランと名付けられてはいない)
一見すると反則のように見えるが、コートの外からポールの脇を通して相手のコートに入れるという技はルール上認められており「ポール回し」と呼ばれている。
実際に試合で使われることも珍しくはなく、漫画の技の再現として話題に上げられることが多い。
関連動画
遊具・スポーツのブーメラン
ゲーム
関連静画
関連項目
比喩
余談
「ブーメラン」と聞くと、西城秀樹の「ブーメランストリート」を口ずさむ人も居なくはない。
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