プレシジョンベースとは、フェンダーから発売されているベースの一種である。
概要
エレクトリックベースとしては、最初に大々的に普及したモデルであり、現在も数多くのユーザーに使用されている。
従来のベースに比べ、ソリッドボディ(アコースティックギターのボディと違い、ボディが一枚板で構成されている)でフレット付き、またアンプで大きな音を出すことができ、当時としては革新的なものであった。
プレシジョン(precision)とは正確という意味。これは誰でも正確な音程を出すことができるということで、従来のダブルベースにはフレットがなく正確な音程を得るのに修練が必要だったのに対し、ギターのようにフレットがネックに打たれたことがその名に由来する。
最初期のモデルは現行モデルよりもよりテレキャスターに近いデザインとなっており、ボディ裏のコンター加工(腰や腹のカーブに合わせて木を削ること)がなく、ピックアップが細長いモデルだったためノイズを拾いやすかった。また弦を受ける駒がテレキャスターのように弦2本に対して1つとなっており、ピッチの正確さは今に比べると劣る。
1954年になると、ブリッジが弦1本に対し1つずつ設けられ、精密なハーモニクスチューニングが可能となったためより正確なピッチが得られるようになった。一方で、最大の変化はピックアップにあった。従来の細長い物1つから、低音弦用と高音弦用の2つを直列につないだスプリットタイプのピックアップを採用することでノイズを低減し、より力強い独特の音が得られるようになったのだ。
1960年には、従来のメイプル指板だけではなくローズウッド指板を採用するなど材質綿での再検討がなされた。また、当時はジャズベースが上位機種として開発されており、ジャズベースはローズウッド指板を使っていたためこれに倣った可能性もある。70年にはプレシジョンベースながらより細めのネックでデザインされたこともある。
現行モデルでは54年や57年のメイプル指板モデル、60年や62年のローズウッド指板モデルのレプリカが生産されている。また、ボディやネックの形状はプレシジョンベースながら、スプリットタイプのピックアップとジャズベースのピックアップを両方搭載し、より音作りの幅を広げているものもある。
なお、古いモデルのレプリカには正面から見てピックアップの右上にプラスチックの部品が付いていることがあるが、これは弦を親指で弾くことを前提として、人差し指ないし中指を置いて支えにするものである。後年ではピックアップや4弦に親指を置いて支えとし、人差し指と中指で弾くことが増えたためオミットされた。
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