プロギアの嵐(海外版タイトルはProgear)とは、2001年にCAVEが開発しCAPCOMが発売した横スクロール弾幕シューティングのことである。
ストーリー
風力を生かした永久機関「プロギア」により産業が発展したパーツ王国では、ついに不老不死の技術までもが実現されてしまった。永遠の命を手に入れた老人達は「元老院」を名乗り、理想社会の建設を実現するべく政府に宣戦布告、その圧倒的戦力をもって後の世に「賢者の制裁」と呼ばれる大粛清を開始した。
抵抗を試みた政府軍の大人たちは成す術なく倒されていき、やがて残されたのは、子供たちだけで構成された少年空士隊のパイロットだけとなってしまった。
なおも容赦なく繰り返される元老院の攻撃に追い詰められた少年たちは、新兵器「ガンフライヤー」と共に、燃えさかる格納庫の中から戦いの大空へと飛び立っていった。しかし立ち向かう元老院の迎撃は、子供とはいえ容赦なく襲いかかった。
「大人達はみんな死んだ…。大切なものを守るために今度は僕たちが立ち上がる番だ!」
概要
井上淳哉が手掛け、カプコンから発売された横スクロールSTG。当時のSTG界では珍しく、スチームパンク的世界観に立脚している。
そのためかどうか、非常に色使いが濃く、またドットも濃い。
全5面構成。
各ステージの最後には元老院に属する老人たちがボスとして登場し、5面のボスであるレオナルド=ドリル元老大元帥を倒すと1周目クリアとなる。CAVEシューにしては珍しいエブリエクステンド。
自機はTYPE-AとTYPE-Bの2人から選び、その後にガンナー3人の内1人を選ぶ。それぞれ相性の良さ悪さがある。
後述するジュエルを稼ぐとガンナーの好感度が上がり、Lv5以上だと真のエンディングが見られる。ただし…
プレイヤーキャラ
(※アルファベット表記は海外版で確認できるものを記述している。)
- リング=リード (RING)
- TYPE-A 戦闘機 ギャンブラー(賭博師)パイロット
- 14歳、少年空士の若きエース。実力は大人顔負けだが実戦経験は無い。
- 移動速度が遅い分散型ショット。
- ボルト=ボイヤー (BOLT)
- TYPE-B 戦闘機 ミリタント(闘争士)パイロット
- 15歳、いわゆるインテリ。普段は紳士に振る舞っているが悪は許さない。
- 移動速度が速い集中型ショット。
ガンナー
- チェーン=チェロット (CHAIN)
- α式 ガンフライヤー
- 14歳の女の子。リング一筋、正面集中砲火型でTYPE-Aと相性が良い。
- ネイル=ネラ・ネロウズ (NAIL)
- β式 ガンフライヤー
- 12歳の女の子。殺された王家の娘、広い範囲に弾幕を出す。TYPE-Bと相性が良い。
- リベット=リベラ(RIVET)
- γ式 ガンフライヤー
- 18歳の女…の子。正規軍の女性軍人。大佐と不倫の関係で、身ごもっている。
- ホーミングミサイルを出すが、TYPE-A、Bともに相性が悪くいろんな意味で上級者向けのガンナー。
元老院の賢者達
なお、「賢者」も各々の役職名もほぼデッチ上げである。また名前はすべて工具からとられている。
- バロッサム=ペンチ "国視正" (CAPTAIN BALLOSSUM PENCH) - STAGE1ボス
- 乗機:飛行戦艦 "トビウオ" (TOBIUO)
- 自機狙いの弾が多く、本作の中ではまだあしらいやすい方。
- 2周目では弾が3WAYになったりするがやっぱり自機狙いが多い。
- ゲーブリエル=ハンマー "大師"(AMBASSADOR GABRIEL HAMMER) - STAGE2ボス
- 乗機:可変潜水艇 "ハクゲイ" (HAKUGEI)
- 2機目にしてばらまき弾が変則的で位置が取りづらくなっている難敵。
- 2周目は第2形態の弾幕が異常に濃くなっている。
- ジムチャック=スパナ "聖特吏"(SECRETARY-GENERAL JIMCHUCK SPANNER) - STAGE3ボス
- 乗機:高速装甲車 "コロギス" (KOROGIS)
- ばらまき・自機狙いに加え時間差弾幕と遊動三日月弾幕(仮称)を使いこなす。
- 2周目は弾幕が倍加したりしてさらにひどい。
- オルソロ=ニッパー "総議書記長"(GENERAL OLSORRO SLASHER) - STAGE4ボス
- 乗機:空中砲艦 "クラーケン" (KRAKEN)
- CAVE恒例のマザー・バラージ。4方向弾・子機射出・有重力弾・高速ばらまき弾(仮)等やりたい放題。ババア自重してくれ。
- 2周目では弾幕パターンが完全に別物になり、真・遊動三日月弾幕や多段弾幕(仮)などより弾幕が男らしくなる。
- レオナルド=ドリル "元老大元帥"(PRESIDENT LEONARD DRILL) - STAGE5ボス
- 乗機:球状要塞 "ボルボックス" (VOLVOX)
- ラスボスにして長丁場である5面の主。大仰そうな名前にふさわしく、囲み弾幕や波紋弾幕、体当たり攻撃(仮)など質量ともに強敵。
- 2周目では異常に硬くなり、さらに硬い第3形態が追加。第3態の非均等分布固定弾と細胞弾幕(仮)が異常に厳しく、特に細胞弾幕は密度分布が不定期に遷移するため、ボムが切れたらいわゆる「気合避け」を要求される。
ジュエリング
本作の点稼ぎの核を成すシステムが、敵機の爆発に弾幕を巻き込むシステム「ジュエリング」である。
- 自機は最初は高速移動モードであるが、ショットボタンを押し続けることで低速移動モードになる(なりたくない場合は連打する)。
高速モード時はプレイヤーが広範囲に攻撃し、低速モード時は上述ガンナーが自動的に敵機を追尾して攻撃する。 - 高速モードかつ「敵弾を敵機撃破時の爆発に巻き込む(ジュエリングを起こす)」と宝石のはまった指輪が出る。はまっている宝石には小粒アメジスト~ダイヤモンドまで10ランクに分かれ、最高ランクの宝石の価値が左下隅に表示され、一時記憶される。
- 低速モードかつジュエリングを起こすと指輪の宝石と同じランクの宝石が出る。宝石は指輪よりもはるかに得点が高いが、1つでも宝石を手に入れた状態で低速モードを終了すると指輪と宝石の価値がリセットされる。
- 宝石/指輪を獲得するとそのランクに応じて左下のジュエルカウンターが上昇する。ジュエルカウンターの1/1000が打ち込み点になるため、高スコアを記録するには高速モードと低速モードを使い分けなければならない。
- 各モードを切り替えると画面上の宝石/指輪が自機に吸い寄せられる。
つまり、
「敵前列の直線上に弾を集め」
「高速モード時に敵弾を爆発に大量に巻き込み」
「低速モードで画面上に大量の高ランク宝石を出現させ」
「高速モードに戻して宝石を集め」
「ジュエルカウンターを上げ、打ち込み点を上げる」
というサイクルで得点を稼ぐことになる。
下述2周目は雑魚もボスも大弾幕を張りまくるため、ジュエリングによるスコア稼ぎには有利になっている。
2周目
多くのCAVE製STGと同様、本作品にも高難度の2周目が存在する。
突入条件は「使用ボムが2個以内」「ミス回数が1度以内」のいずれかを達成して1周目をクリアすることである。
- ジュエルカウンターが2倍になる。
- 宝石の流失速度が増加する。
- 敵編成と攻撃パターンが変わり、弾幕が濃くなる。特にボスの弾幕はSTAGE1からクライマックス。
- 敵を倒すと、撃ち返し弾を大量に発射してくる。
- 道中でミスをすると、必ず面の始めからリスタートになる(戻り復活)。なお、ボス戦はその場で復帰する。
- 点数による残機エクステンドが一切無い。(1UPアイテムは一度だけ取得できる)
- ボスを倒した際の台詞が変更される。不死に立脚した苦悩と狂気が垣間見える。
- ラスボス(ドリル)がマスクを脱ぐ。といっても、その中身はキッパーかツッケットをかぶった生命維持装置つきの老人だが。
- 好感度の高低に関わらず、全面クリアするとトゥルーエンディングを迎える(1周目は好感度が5~6レベルでないとトゥルーエンドにならない)。
- エンディングに、スタッフロールが追加される。
といった変更点がある。
特筆すべきは道中の戻り復活である。近年では被弾してもその場で復活するSTGがほとんどを占めているが、本作は被弾すると面の最初に戻されてしまう(例えば、マリオなどのアクションゲームは戻り復活であるものが多い)ため、残機に頼らない完璧なパターンが要求される。
2-5の道中の長さはまさに悪夢であり、「2-5道中到達」と「2-5道中突破」では雲泥の差があるとされる。ここで挫折したプレイヤーも多い。
なお、2周目専用の真ボスは存在せず、2-5のレオナルド=ドリル元老大元帥にはボムバリアが搭載されていない(ボムによるごり押しが可能)。しかし、ある意味では5面の長い長い長い長い道中こそが、2周目の真ボスと言えるかもしれない。
関連動画
関連項目
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