概要
皆既日食の時に月によって隠された太陽の縁から赤い炎が立ち昇っているように見える事から、日本では紅炎と呼ばれている。
プロミネンスが赤く見えるのは、主にHα線(エッチアルファせん)を放射しているためである。
通常時は分光望遠鏡を使わなければ見ることができないが、皆既日食の時には望遠鏡で見ることができる。
また、望遠鏡にHα線を選択的に通す特殊なフィルターを用いることで、通常時でも観測することが可能となる。
プロミネンスとは何か
光球(太陽の表面)の上には、彩層と呼ばれる大気の層が太陽の下層にある。
この彩層の濃いガスが磁力線に沿って吹きあがり、上層にある希薄な大気であるコロナの中まで伸びていく。
この磁力線に支えられて立ち上る約1万℃の炎状の水素ガスの雲がプロミネンスである。
形や大きさはさまざまで、寿命は数分から数か月に及ぶものまである。
ダークフィラメント
太陽の中央付近にあるプロミネンスを観測すると、光球よりも暗い筋状に見える。
これは、ダークフィラメントや暗条(あんじょう)と呼ばれている。
光球上にあるかないかでこのように見え方が違うのは、プロミネンスの物質が光球からの光を吸収してしまうために、暗く見えるからである。
黒点を繋ぐ磁力線に伴う筋状のプロミネンスはフィラメントと呼ばずにフィブリルと呼ぶことが多い。
プロミネンスの種類
プロミネンスには、活動領域(黒点や白斑部)以外の部分に現れて数ヶ月に渡って安定に存在する静穏型紅炎と、黒点などの活動域に現れて激しく形を変える活動型紅炎の2種類がある。
静穏型紅炎は高さは1.5 ~10万km・長さ6 ~50万km・幅7000kmにもなる巨大なものだが、活動型紅炎はその数分の1程度しかない。
ただし活動は活発で、プロミネンスの中の磁場の強さは静穏型よりも強い。
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