ヘカテとは、ギリシア神話における夜の闇と魔術の女神であり、月の女神アルテミスとは従姉妹。
長音表記は「ヘカテー」。
名前の意味は「遠くまで力の及ぶ女」(hekatos の女性形)とも「意志」とも。
概要
元々はトラキア(現在のギリシャ・ブルガリア・トルコ国境周辺)やアナトリア半島(トルコ)西部にあるカリアで信仰されていた女神であるとされているが、ヘカテの語源からエジプト神話の多産と復活の神ヘケトが由来であるという説もある。
ティタン神族の出身でペルセスとアステリアの娘(巨女か?)であり、ゼウスから天・地・海を行き来出来る力を与えられ、人間に全ての富と名声を与える御利益の女神としても崇拝されていた女神だったが、後にペルセポネーと関連し、侍女となって冥界に降り、冥界を支配する神の一柱へと変わり全ての魔術を司る女神となった。冥界での地位は冥界の王ハデス・女王ペルセポネーに次ぐとも言われる。ヘカテの活躍は長くなるのでwikipediaを参照されたい。
古代ギリシャのアッティカ地方では三叉路の女神であり、日本で言う旅の安全を祈願する道祖神的な神として信仰されていた。
中世になると一変、魔女達に集会を擁護する者として崇拝されており、月の出ない夜に松明を持ち、魔獣ヘルハウンドを従えた姿で魔術が行われる三叉路や十字路に現われる女神と変化した。
姿
身体が3つある彫刻や顔が3つあるレリーフがギリシャで発掘されて現在に伝わるが、初期のヘカテー像は人間と同じように身体1つ顔1つの姿であり、2世紀の地理学者パウサニアスによると、紀元前5世紀の彫刻家アルカメネスが3つの身体の姿に作り始めたとされる。ヘカテー風の3人で踊る娘の像や3人のアルテミス像なども有りややっこしい。アルカメネスが作ったヘカテー像以降、女性を三方向に向かせた彫刻にするのがちょっとしたブームになっていたと思われる。
近代の創作では
モチーフとしてのキャラクター化は有名なアルテミスやぺルセポネーほどには行われていない。
欧米作品ではディズニーの『ヘラクレス』、マーベル・コミックの『ミス・マーベル』などに登場。日本のゲーム作品『女神転生』シリーズに「ヘカーテ」なるキャラや(なぜか魔王扱い)、ライトノベル作品では『灼眼のシャナ』でヘカテーの名を持つキャラクターが存在しており、ヘカテーを元にした三つの体を持つ『東方Project』のキャラクター、ヘカーティア・ラピスラズリなど少数ながら出番がある。
関連項目
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