ヘクトール単語

ヘクトール

ヘクトール(Ἕκτωρ / Hectorとは、ギリシア神話に登場する英雄である。

概要

ホーメロの叙事イーリア』にて歌われる「トロイア戦争」におけるトロイア勢の実質的な総大将、かつ最強戦士
「兜きらめくヘクトール」の異名を持ち、見事な黒髪の美丈夫として描かれる。
トロイア王リアモスヘカベーパリス、レノス、ポリュドーロースカッサンドラポリュクセネー、クレウーサ王位継承者であり、兵士民からの尊崇を集める優れた政治家でもある。
アンドロマケーとの間に一子アステュアナクを授かっている。終わりの見えない戦争の中、いとけないが子を抱きながら、戦争敗北した後の事を思って妻に憂いを打ち明ける、良きにして良き夫。

ギリシア最高の美女レネを、々との約定によりパリスが略奪して連れ帰った事により、トロイア戦争が勃発。の愚挙に怒りを覚えつつも見放す事はせず、トロイアを防衛する為に立ち上がった。
アカイア(ギリシア連合軍)との戦争が10年の長きに渡り続く中、獅子奮の働きを見せる。

何度かの衝突の後、着した戦況に決着をつけるべく、アカイアの英雄アイアースとの一騎打ちを繰り広げる。ヘクトールのは大アイアースの大の、七枚の皮とを重ねたうちの七枚までを貫き、大アイアースは僅かにヘクトールの身体に傷をつけるにとどまった。
決着のつかないこの戦いはゼウスの介入によって中断され、ヘクトールはを、大アイアース真紅帯を交換し、双方の勇を讃えて別れた。

その後も戦は続き、アカイア総大将アガメムノーとの仲違いから引きこもったままのアキレウスの代わりに彼のって戦場に出たトロクロスが出
卓越した戦働きでトロイア勢を押し返すが、ヘクトールはこれに対して打って出て、闘の末にパトロクロスを殺してを奪った。そのを自ら着て戦う事で味方を鼓舞し、アカイア勢を打ち払うが、親友の死を知ったアキレウスは深い嘆きとしい怒りに駆られ、遂に出を決意する。

の如き殺戮の前に、さしもトロイア勢も塞内に逃げ込むが、ヘクトールはただ一人門の前に残った。の上から両親が必死に戻るよう訴えるが、引く事は戦士としての持が許さなかった。
薄するアキレウスは怒りに燃え、総身を朱に染めた恐ろしいものだった。流石のヘクトールもアキレウスの猛攻には背を向け、両者は三度トロイアのを回る。しかしゼウスの持つ「運命の秤」はアキレウス勝利に傾き、ここにヘクトールの死は確定された。
アカイアに肩入れするアテナが甥のデーイポポに化けて姿を現し、ヘクトールに共闘を持ち掛ける。アキレウスとヘクトールがを投げ合うが、直後にアテナは姿を消し、更にアキレウスは彼の手元に戻された。
ヘクトールはに騙された事を知りつつを抜いて飛びかかるが、の喉元の隙間をで深々と貫かれる。最後の言葉として「私の死体は家族の許に返してくれ」と懇願するが聞き入れられず、ヘクトールはいずれアキレウスアポローンの加護を受けたパリスによって殺される運命を予言し、息絶えた。
アキレウスはヘクトールの亡骸を戦車に括り付け、引きずり回して辱める。これを見たトロイア人らは泣き叫び、秤が傾く最後までヘクトールを加護し続けていたアポローンは、死体がこれ以上損なわれないように守ってやった。
しもゼウスもこれを哀れに思い、アキレウスである女神テティスを通じてとりなしをめる。更にプリアモスは単身アキレウスを訪れ、大な身代を差し出すと、涙ながらにが子の遺体を返して欲しいと嘆願した。と変わらぬ老齢の王の言葉にアキレウスも悔い、手ずからヘクトールの亡骸を迎えのに乗せると、喪の為に11日間は戦を行わないことを約束する。
かくして物言わぬ姿で帰還したヘクトールは、嘆き悲しむ家族に迎えられた。その後英雄は丁重に埋葬され、盛大な供養が営まれたのである。

トロイア陥落後、彼の懸念は的中してしまう。
塞内に大虐殺が吹き荒れる中、アステュアナクスはアキレウスの子ネオプトレモスによってから投げ落とされて殺され、アンドロマケーは戦利品として彼に連れ去られた。
後にアンドロマケーはネオプトレモス正妻ヘルミオネーに憎まれて殺されそうになり、ネオプトレモスもまたヘルミオネーに唆されたレステースによって殺される。危地を脱したアンドロマケーは亡夫に代わりエペイロスの女王となり、同じく奴隷となっていたヘクトールの・ヘレノスと結婚。なおネオプトレモスの血脈は後世に続き、アレクサンドロス3世アレクサンダー大王の祖となったという。

後世の創作

に非があると知りながらも見限らず、々の謀略にも立ち向かい、の為に戦い殉じ、最後まで妻子の身を案じたとして、後世においてヘクトールは類なき英雄であると賞賛されている。

知らぬ者はいないであろうトランプの「ダイヤジャック」は、実はヘクトールである。
他にも様々な英雄々が4種のキングクイーンジャックエースモチーフとされている。

イタリアの叙事『狂えるオルランド』では、登場人物であるルッジェーロブラダマンテがヘクトールの子孫だとされる。
また主人公ルランドは、かつてヘクトールが持っていた名ドゥリンダナ(デュランダルを所持しており、ヘクトールの甲冑を所有するタタールマンドリカルドによってつけ狙われる事となる。

2004年映画トロ』では、エリック・バナがヘクトールを演じる。禁断のゆえに戦争の発端となったパリスに激怒するも結局は情にされる優しさや、最後の戦いの前に家族に別れを告げて出する気概など、高潔な武人として描かれている。

2011年ゲームTROY無双』にもプレイアブルキャラとして登場。実直な好で、トロイア最強戦士。忠義に篤く、味方ばかりか敵にも一置かれる存在である。

ソーシャルゲームFate/Grand Order』にランサーサーヴァントとして登場。詳細はヘクトール(Fate)を参照。
オジサン」と自称する、やる気のなさそうな男。しかし生の智将であり、前述の態度も半分は素、半分は相手を油断させる為の擬態である。

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2019/09/19(木)15時更新