ヘスティアとは、以下のことを表す。
- ギリシア神話に登場する「炉」「かまど」の女神ヘスティア(Εστία, Hestia)。
アルテミス、アテナと並ぶ三大処女神としても有名。ヘスティアーとも。 - 1にちなんだ小惑星の名前。
- 小説「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の登場人物の一人。→「ヘスティア(ダンまち)」
本項では1について解説する。
概要
オリュンポス十二神の一柱。
クロノスとレアの長女で、ゼウス、ポセイドン、ハデス、ヘラ、デメテルの姉にあたる。ローマ神話ではウェスタと同一視された。聖獣はロバ。
古代ギリシアの家庭生活の基盤を成している「炉」や「かまど」を司る神。そのため家庭の守護神、そして平和と繁栄の象徴として崇められた。また慈愛の象徴として孤児の保護者でもある。
家庭の延長線上にある「国家」の守護神ともされ、都市国家のヘスティア神殿は政治の場とされた。
とかく不穏な逸話が多いオリュンポス十二神の中でも温厚で心優しく、慈悲深い性格。例として、オリュンポス十二神に選ばれなかったディオニュソスのことを憐れみ、その座を譲っている。
それ故目立った神話がなく地味ではあるが……
アテナ、アルテミス同様に純潔を貫いた処女神としても知られるヘスティアだが、そこに至るまではそれなりに波乱の展開があった。
まずクロノスの子として生まれてくる際、クロノスは「自分の子によって王座を奪われる」という予言をおそれ、最初に生まれたヘスティアを丸呑みにしてしまった。その後生まれてきた彼女の兄弟たちも次々とクロノスの餌食になってしまう。
これに恨みを抱いたレアは最後に産んだゼウスをひそかに隠し、石を衣で包んだ上でクロノスに飲み込ませた。後に逞しく成長したゼウスによって五人の兄弟姉妹は救出されたが、吐き出される順番が一番最後であった為、兄弟の中で一番若く美しい容姿で生まれてくることとなった。
成長した彼女はその美貌からモテモテで、ポセイドンやアポロンから求婚されることとなる。
しかし自分を巡っての争いがエスカレートし続けることを止めさせたかった彼女は、ヘスティアに友好的だったゼウスに頼み、彼の前で生涯の純潔を誓うことで争う理由を消失させた。
ある時、でっかいtntnを持っている事で有名な生殖と豊穣の神プリアポスが、眠っているヘスティアを見つけて下心を出した。こっそり近づくプリアポスだったが、近くにいたロバが大声で鳴き、ヘスティアは危うい所を救われる。この出来事により、ヘスティアの聖獣はロバと定められた。
一方で邪魔をされたプリアポスはカンカンになり、彼を信奉する者は祭儀においてロバを生贄として捧げたという。
関連項目
- 0
- 0pt