ヘッケラー&コッホ社 (Heckler & Koch GmbH、H&K社) とは、ドイツの銃器メーカーである。
概要
1950年創業。当初は精密機械を製造していたが、1956年に方針を転換し銃器メーカーとなる。
ルーツは1949年ごろにエトムント・ヘッケラー(Edmund Heckler)とテオドア・コッホ(Theodor Koch)らが設立の中核を担った。
二人はかつて、ドイツ最大の銃器メーカーであった「マウザー社」の技術者であった。だがナチス・ドイツの敗戦とともにマウザーは解体され、旧知の仲であった両名が設立したこの会社は当初、ミシンなどを製造していた。
その後、当時の西ドイツが「ドイツ連邦軍」を設立すると、軍用小火器を事業の中心とする方針を固める。
元精密機器を扱っていただけあって、同社の特徴はポリマー素材を多用した軽量化や、命中精度や信頼性の高さにあり、「現在もなおチートクラスの連射できる狙撃銃(PSG-1)」だの「世界初の精密射撃できるサブマシンガン(MP5シリーズ)」といった世界初系のエピソードから、ハイエンドな銃器を語る上で外せないメーカーで、まさしく「ドイツの銃器は世界一ィィィ」というセリフが相応しい社風を持つ。
しかし、伝統的なドイツ人気質はこのH&K社においても例外ではなく、上記のような堅実かつ信頼性の高い銃器を開発する一方で、「ちょっと未来を先取りしてみたぜ!」的なトンデモ銃をよく作ってしまうことでも有名である。そして大抵の場合そうした銃器は、「技術開発に走りすぎた」ために爆死してしまった確率が高い。以下はそのエピソード。
- 【VP70】・・・グロックに先駆けて世界初のポリマーフレームを採用したハンドガン。 しかし、いろんなところが重くて指が疲れる代物だった
- 【HK G11】・・・ケースレス弾(無薬莢弾)を採用した世界唯一(?)のアサルトライフル。しかし、いざ運用を開始してみると様々なトラブルやデメリットが露呈したため、開発・製造は中止となった。極少数が西ドイツ軍にて採用されたのみ。
こんな技術的なこだわりを持つ一方で新時代を代表するG36やMP7といった銃器においては、それまでの自社製品(MP5,G3等)において使われてきた「ローラーロッキング・システム」という発射機構を採用せず、より一般的なガス・オペレーション方式を採用するなど柔軟な姿勢も見られる。
また、イギリスのSA80A1(紳士のあさるとライフル)をSA80A2に、アメリカ陸軍のM4カービンをHK416に近代改修・改良したのも同社である。既存の品物のアレンジも良さにも定評がある。
また、先進技術主義という点も含め、ベルギーのファブリック・ナショナル社(FN社)とは長くライバル関係にあり、特にPDW(対防弾チョッキサブマシンガン)開発競争では「MP7」をFN社の「P90」に露骨にぶつけたという経歴がある。近年においてもアメリカ軍の特殊部隊における採用を巡ってFN社の「SCAR-L」や「SCAR-H」と、HK社の「HK416」ならびに「HK417」は激しいセールス合戦を繰り広げている模様。
メディア面では特に、各国で採用されているMP5・USPなどは、現代戦をテーマとしたゲームやアニメなどでは必ずと言っていいほど登場するので、同社の製品は銃文化の殆ど無い日本国内でもそこそこの知名度がある。
特に、MP5短機関銃などはイギリスのSASをはじめ、日本のSATなど各国の特殊部隊で採用されているため、名前は知らずとも、見知った一品が多いのも特徴といえる。
下記動画を観た後ならば邦画洋画問わず、兵士の持っている銃器に対してニヤリと来ることができる、まさしくニコニコ向けな銃を取り扱うメーカーであるといえるだろう。
ちなみに、社名はドイツ語では“ヘッケラーウントコッホ”と発音するのが近いのだが、英語発音で“ヘッケラーアンドコッホ”もしくは“ヘッケラーアンドコック”と呼ばれることもあったりする。
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