ヘデントール(Redentor)とは、2021年生まれの日本の競走馬である。黒鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2025年:天皇賞(春)(GⅠ)、ダイヤモンドステークス(GⅢ)
生産者はノーザンファーム、所有者はキャロットファーム、管理調教師は木村哲也(美浦)。
馬名の由来は「救世主(ポルトガル語)。コルコバードの丘のキリスト像より」となっている。母コルコバードの由来であるブラジル・リオデジャネイロの世界遺産コルコバードの丘の頂に聳え、リオデジャネイロの象徴ともされるキリスト像からの連想と思われる。
概要
父ルーラーシップ、母コルコバード、母父ステイゴールドという血統。父はキングカメハメハとエアグルーヴを両親に持つ超良血馬で、現役時代は極度のゲート難に苛まれたが香港GⅠクイーンエリザベス2世カップを圧勝。種牡馬としては菊花賞馬あっキセキィ♡やマイルCS、ドバイターフ勝ち馬ソウルラッシュなど散発的ながらGⅠ馬を輩出している。
母は芝中距離を中心に5勝を挙げOPまで出世した実績を持つ。母父は日本を代表するシルバーコレクターにして大種牡馬。ただコルトサイアーの傾向が強かったこともあり、母父としては全日本2歳優駿を勝ったアランバローズが唯一のGⅠ級競走勝利であった。
コルコバードの丘から
~3歳
デビューは2歳11月の東京芝2000m戦。C.ルメールを背に3番人気に支持されたが出遅れてしまい、後方から3~4角で大外を捲って先団に出るという大味な競馬になる。それでも直線しぶとく伸びたが、2番手からソツなく運んだ後の皐月賞馬ジャスティンミラノには全く敵わず2着に敗れる。
2歳はこの1戦のみとなり、明けて2024年初戦は1月、中山芝2000mの未勝利戦。この日もスタートダッシュは一息で中団後方となったが、向こう正面で仕掛けて4コーナー手前で先頭に立つ強引な競馬ながら上がり最速34秒5の末脚で2馬身半差をつけ、力の違いを見せて初勝利を挙げる。
2ヶ月ほど間隔を空け、3月に前走と同コースの自己条件戦に出走。このレースは重馬場だったがほとんど前走の再現となり、後方から最終コーナーで大捲りを仕掛けて上がり最速で大外をぶち抜き3馬身差の大楽勝。一気にオープンへ昇級する。
次走にはダービートライアルのGⅡ青葉賞を選択。過去2走の勝ちっぷりから重賞初挑戦ながら1番人気に支持された。しかしT.オシェアに乗り変わったこのレースはまたも出遅れ。後方から末脚に賭けたが前が止まらない東京では苦しく8着に大敗、ダービー出走の道は絶たれた。鞍上のオシェアは馬場のほかに馬の緩さも敗因に挙げた。
続くは青葉賞と同コースの2勝クラス戦町田特別。ルメールに手が戻ったこのレースもやっぱり出遅れたが、スローペースを読んだルメールに促されて早々に2番手へ進出、直線の叩き合いも難なく制して2馬身差の快勝を収める。
今度は新潟に転戦し、前年の菊花賞馬ドゥレッツァも勝った芝2200mの3勝クラス戦日本海ステークスに出走。今度もゲートは速くなかったが、少頭数の大外枠だったこともありすんなり3番手につけることに成功する。こうなれば末脚の持続力もフルに発揮され、直線ひたすら伸び続けて3馬身半差の圧勝。ルメールはゴール前からガッツポーズし、「楽勝だった。長い距離で重賞にいけると思う」と高く評価した。
ドゥレッツァに続けとばかり、GⅠ菊花賞に挑戦。上がり馬筆頭格として4番人気の支持を受けた。
ルメールはお手馬アーバンシックを選択したため戸崎圭太と初タッグ。やっぱり出遅れて後方2番手からの競馬となるが、1000m62秒0のスローペースと目まぐるしく入れ替わる混戦模様を見ながら戸崎は淀の坂の手前から進出していき、ポジションを押し上げながらコーナーを通過。外目の5番手で直線を向く。ここから直線で猛然とスパートをかけゴール寸前で先行集団を捕まえたが、さらに積極的に動いたアーバンシックには全く追いつけず2馬身半差の2着という結果に終わった。戸崎は「勝てなかったことは残念」としながら「位置を上げても大丈夫だと思った。長距離は合っていそう」とステイヤーとしての資質を評価していた。
4歳
明けて4歳初戦はGⅢダイヤモンドステークス。引き続き戸崎が騎乗したこのレースは発馬こそ速くはなかったがすんなりと5番手につけると、戸崎は早めに動いて4角でもう先頭。外からメルボルンカップ2着のワープスピードも並んできたが上がり最速34秒9という破格の末脚で悠々と振り切り、あとは後続を存分に突き放して4馬身差の完勝。重賞初勝利を挙げ、改めて長距離適性の高さを見せつけた。
次走は天皇賞(春)へ直行。前走の内容が高く買われ、単勝3.1倍の1番人気に支持された。
この週から短期免許で来日したダミアン・レーンを迎えてのレース本番。この日はデビュー以来初めてゲートが完璧に決まり、余裕を持ってインの6番手につけることに成功。淡々とした流れを落ち着いて追走する。
3角で周囲が追い始めたところでは張り合わずに徐々に外に持ち出していき、4角まで仕掛けを待ってゴーサイン。直線で持ち味の息の長い末脚を繰り出し、直線半ばで先行馬を抜き去って先頭に立つ。さらに外からサウジ帰りの同期馬ビザンチンドリームの強襲を受けたがアタマ差振り切ってゴール板を駆け抜けた。
鞍上のダミアン・レーンと管理する木村哲也調教師、そして意外にも馬主のキャロットファームも天皇賞(春)は初勝利。キャロットファームは八大競走完全制覇を達成した。ルーラーシップ産駒はJRA・GⅠ4勝目、母父ステイゴールドはようやくのJRA・GⅠ初勝利となった。
殊勲のD.レーンは「スタートが良くて最初のコーナーまでにいいポジションが取れ、前に馬がいたので折り合いもスムーズだった」とレースぶりを振り返り、「身体も精神状態もまだ若いのでそこが成長してくればもっといい馬になる」と太鼓判を押した。
その後は凱旋門賞や英インターナショナルステークスを視野に入れていたが、6月末に歩様の乱れが見られ、検査したところ剥離骨折が判明。海外遠征を取りやめ、結果として年内は休養。11月末にはキャロットクラブより翌年のアメリカジョッキークラブカップか京都記念で復帰する予定と発表されたが、有馬記念にも特別登録が行われ、ちょっとした騒動になった(下記折り畳み文を参照のこと)。
本馬にはあまり関係ない内容なので注意
12月14日に第70回有馬記念の第1回特別登録馬が発表されたが、その中に翌年に復帰予定と発表されていたヘデントールの名があったことが物議を醸すことになった。有馬記念の出走馬決定順は「第1回特別登録を行った馬の中でファン投票の上位10頭に優先出走権」→「出走馬決定賞金の多い順にフルゲートまで」となっている。ヘデントールは通算256,914票で全体10位・特別登録を行った馬の中でも6位の票を集めていたため、優先出走権を得た形となった。
これによって残りの出走枠は「投票上位9頭+賞金上位6頭」となるわけだが、例えこの後ヘデントールが出走回避した場合でも、繰り上げ出走対象はファン投票上位順からではなく、賞金上位順から選ばれる(賞金上位の馬=ここまで実績を積み重ねてきた馬を選ぶことで競争の質を維持するという理由があるので、一概に投票を優先しろとは言えない事情がある)。即ち、出走枠は実質的に「投票上位9頭+賞金上位7頭」に変わることになる。
これによってファン投票上位10頭目かつ、賞金が不足していたライラックが優先出走権を失い、出走が絶望的となった。早くからライラック陣営は投票を呼び掛けており、その声に応えたファンが少なからずいたこと、更に想定騎手が翌年に調教師転向する=今回が最後の有馬騎乗となる藤岡祐介だったことで、ライラックと藤岡騎手のファンを中心に「何故有馬出走予定が無く、ほぼ回避するであろうヘデントールが特別登録を行ったのか」という怒りの声が上がると共に、その他競馬ファンからも「出走しない馬の特別登録料を出資者から請求するのは金融商品取引法違反なのではないか」という指摘が起こった(後にキャロットファームは出資者に請求を行わないと表明)。
ファン間での推測として「賞金上位9頭目でそのままでは出走できるか微妙な木村厩舎管理馬・スティンガーグラスのため、ファン投票出走権を1枠潰して賞金枠を広げたのではないか?」という論が起こり、スティンガーグラスの馬主であるエムズレーシングを批判する声もあったが、後にエムズレーシングは「現時点の管理体制での出走は難しい」として同馬の回避を発表、並びにヘデントールの登録には関与していないと発表した。
さらにキャロットファームもヘデントール登録については関知していない旨の発表を行い、結果として「木村師の独断だったのでは?」という推測のみが残っている。よりにもよって木村師がファン投票で出走した有馬記念勝馬を管理していたことで、余計に競馬ファンの怒りを買う形となった。
いずれにせよ、言うまでもない話ではあるが、ヘデントール自身(と更に言えば出資者)には何の罪もなく、風評被害に晒されているだけである。
血統表
| ルーラーシップ 2007 鹿毛 |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
| Miesque | |||
| *マンファス | *ラストタイクーン | ||
| Pilot Bird | |||
| エアグルーヴ 1993 鹿毛 |
*トニービン | *カンパラ | |
| Severn Bridge | |||
| ダイナカール | *ノーザンテースト | ||
| シャダイフェザー | |||
| コルコバード 2013 黒鹿毛 FNo.17-b |
ステイゴールド 1994 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
| Wishing Well | |||
| ゴールデンサッシュ | *ディクタス | ||
| ダイナサッシュ | |||
| エンシェントヒル 2001 鹿毛 |
*エンドスウィープ | *フォーティナイナー | |
| Broom Dance | |||
| *アズテックヒル | Proud Truth | ||
| Tribal Hill | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
クロス:Mr. Prospector 4x5(9.38%)、ノーザンテースト 4x5(9.38%)
関連動画
ヘデントールに関するニコニコ動画の動画を紹介してください。(特にない場合はこの部分を削除してください)
関連静画
関連リンク
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アスコリピチェーノ
- アドマイヤテラ
- アマンテビアンコ
- アンモシエラ
- アーバンシック
- エトヴプレ
- カゼノランナー
- カランダガン
- カルパナ
- ガビーズシスター
- オベイユアマスター(競走馬)
- シュトラウス(競走馬)
- コスモキュランダ
- ゴンバデカーブース
- サントノーレ
- サンライズジパング
- シエラレオーネ
- シックスペンス
- シティオブトロイ
- シュガークン
- シンエンペラー
- シンメデージー
- ジャスティンミラノ
- ジャンタルマンタル
- スウィープフィート
- ステレンボッシュ
- ソンシ
- ソーピードアンナ
- ダノンデサイル
- ダブルハートボンド
- チェルヴィニア
- テンカジョウ
- テーオーパスワード
- ハヤテノフクノスケ
- ビザンチンドリーム
- ピューロマジック
- フィアースネス
- フォーエバーヤング
- フジユージーン
- プリフロオールイン
- ボンドガール
- ミスティックダン
- ミッキーファイト
- メイショウタバル
- ラムジェット
- レガレイラ
- レライタム
- ロスアンゼルス(競走馬)
▶もっと見る
- 2
- 0pt

