ヘラクレス単語

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ヘラクレス
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ヘラクレス英:Heracles)とは、

  1. ギリシア神話の大英雄
  2. 1.を主人公としたディズニー映画ヘラクレス(1997年の映画)

である。ここでは1.について記載する。

英語では「ハーキュリーズ」、フランス語では「エルキュール」。
逞しい男、強いものの代名詞としても用いられる。

概要

ギリシア神話にはの血を引く英雄物語が多数伝わっており、その中でも最もよく知られる人物。
生まれた日から英雄としての素質を示し、様々な冒険や試練に立ち向かい、その物語現在でも広く知られている。
他方、その出自によって苦難のを歩む、種流離譚としての趣も強い。

幼名はアルケイデス。またはアルカイオ
ヘラの栄」を意味する「ヘラクレス」を名乗るようになったのはだいぶ後の事だが、ここでは一貫してヘラクレスと表記する。

生い立ち

ゼウスアルクメーネー。はミュケナイの王女で、英雄ペルセウスの孫でもあった。

彼女叔父であるアムピトリュオンの妻となったが、かつて戦死した兄弟を討ったなら受け入れるという誓いを立てた。これに従いアムピトリュオンが出した後、スケベ定評のあるゼウスは彼に化け、を3倍の長さにしてアルクメーネーとウフンアハンした。
その翌日、戦に勝利して戻ってきたアムピトリュオンは何も知らずにアルクメーネーと結ばれる。こうして彼女神の子人間の子を双子として身ごもった。

子供贔屓に定評のあるゼウス「次に生まれてくるペルセウスの後裔をミュケナイ王とする」と宣言したが、夫の浮気相手に対して容赦しない事に定評のあるヘラはこれに反発。自分の出産女神エイレイテュイアを説得し、アルクメーネーよりも先にステネロス(アルクメーネーの伯父)の子が生まれるよう取り計らった。
かくして生まれた赤子・エウリュステウスはゼウスの宣言通りにミュケナイ王となり、これに遅れてヘラクレスと、のイピクレス人間)が生まれる事になった。

しかし懲りないゼウスは、が子に不死のを与えようと思い立つ。すなわち、眠っているヘラを吸わせたのだ。ところがヘラクレスがを吸うがあまりにも強く、が覚めたヘラは思わず赤子を突き飛ばした。この時飛び散ったミルキーウェイ、つまり天の川になったという。
結局計画は失敗し、ヘラクレスは不死を得られなかった。

そんな経緯もあってか、ヘラは生まれたばかりのヘラクレスに憎しみを抱き、ベッドに二匹のを送り込む。ところが慌てる両をよそに、彼は素手を絞め殺してしまった。
これが彼の「英雄」としての最初の一歩だった。

幸福、そしてどん底へ

その後ヘラクレスはすくすくと育ち、立若者に成長する。名だたる英雄達から武芸を教わり、更にはケンタウロス賢者・ケイローンに師事。向かう所敵なしの無双の士となった。

その後義・アムピトリュオンが所属するテーバイに味方して戦争に参加、勝利をもたらした。
テーバイ王・クレオーンはこれを喜び、メガラを妻として彼に与える。三人の子供にも恵まれ、幸福な生活が続いた……

訳がなかった。

ヘラは「狂気」をヘラクレスに吹き込み、狂乱した彼はする妻と子供、更には子供を皆殺しにしてしまったのだ。正気に返って自分のした事に絶望したヘラクレスは、罪を償う術をめ、預言の地・デルポイへと赴く。

デルポイは古来アポロンによる託が得られる聖地であり、そこで彼に与えられた託は「ミュケナイ王エウリュステウスに仕え、彼から与えられる10の試練を果たせ」というものだった。
これに従い、ヘラクレスは本来自分がなっているのミュケナイ王に仕える事となったのである。内心ヘラクレスを恐れる王は極めて困難な10の試練を果たすよう命じ、失敗して命を落とす事を望んでいた。
後にある事情で2つ追加されたこれらの試練を「ヘラクレスの十二の功業」と呼ぶ。

十二の功業

ネメアの谷のライオン

魔神エキドナ怪物・テュポーンの間に生まれたライオン。その皮は分厚く、武器で傷つける事が不可能だった。

恐るべき魔獣を相手にヘラクレスは戦い続けたが、持ってきた武器が皆役に立たない。そこでライオンに組み付き、三日三晩をかけて首を締め上げ、ようやく息の根を止めた。
彼はライオンの鋭いで皮を割いて剥ぎ取り、身にまとって強な守りとした。後にこのライオンに上げられ、しし座になったという。

レルネー沼のヒュドラ

レルネー沼に住み着く巨大な。九つの頭と、触れただけでも命を落とす猛を持つ。

ヘラクレスはヒュドラにやられないよう口とを布で覆い、ヒュドラの首を切り落とした。ところがこの首には再生があり、切った端から新しい首が次々と生えてくる。
そこで従者・イオラオスが松明を持ち、首を切り落とした端から焼いて再生を防ぐという手助けに入り、ヘラクレスはようやく全ての首を切り落とす事に成功する。しかし最後の首は不死だった為、上から岩を落として地面に埋めて退治了となった。

この時化・カルキノス(ヒュドラ兄弟)が加勢に入り、ヘラクレスの足を鋏で断ち切ろうとした。しかし当のヘラクレスは全く気付かず、そのままを踏み潰してしまった。一説にはヘラによってつかわされたともされるこのかに座となり、ヒュドラうみへび座となった。

これ以降、ヘラクレスは自分の矢をヒュドラに浸し、必殺の武器として使うようになった。

ケリュネイアの鹿

狩猟女神アルテミス聖獣黄金の蹄を持ち、何者にも捕らえられない程足が速い。

他に4頭の兄弟がおり、アルテミスに生け捕られて彼女戦車を牽いていたが、この鹿だけは女神の腕前をもってしても捕らえられなかった。
しかしヘラクレスは1年もの歳をかけて鹿を追いかけ、疲れた所を見事生け捕りにする。
王に鹿を見せるべくミュケナイへの帰路についたヘラクレスだったが、その前にアルテミスアポロンが立ちはだかる。聖獣を殺したと思い込んで怒る二を前に、鹿傷で捕らえた事をヘラクレスが明すると、ようやくその怒りは鎮まった。

その後鹿アルテミスげられ、戦車を牽く役を与えられた。

エリュマントスの猪

エリュマントス山に住み、人間を食らう怪物。近隣の田畑を襲い、恐れられていた。

エリュマントス山に向かう途中、ヘラクレスはポロスという名のケンタウロス族の饗応を受けたが、祝宴の最中に諍いが起き、ヘラクレス対ケンタウロス族の戦いに発展してしまう。
ケンタウロス族を追いかけたヘラクレスはヒュドラの矢を放ったが、不幸な事にその矢は賢者・ケイローンの膝に命中した。不死である為に死ぬ事も出来ず、猛に苦しむケイローンは自身の不死をプロメテウスに譲って命を落とし、己が師を殺めた事をヘラクレスは嘆いたと伝わる。

戦いの後、矢の威に驚いたポロス矢を手に取ってまじまじと眺めていた。だがうっかり自分の脚に落としてしまい、不死身ではないポロスはたちまち落命してしまう。に昇ったポロスケンタウルス座に、ケイローンいて座になったとされている。

その後エリュマントス山に辿り着いたヘラクレスはの中にを仕掛け、を追い回して首尾よく捕獲した。

アウゲイアスの家畜小屋掃除

エーリス王アウゲイアスが3,000頭のを飼う巨大な畜小屋で、30年間掃除された事がなかった。

ヘラクレスはアウゲイアスに「1日で掃除が終わったらの1/10をもらう」と約束し、大掃除に挑む。ヘラクレスは近くを流れる二本のの流れを強引に捻じ曲げ、30年間溜まりに溜まった汚れをあっという間に洗い流してしまった。
ところがアウゲイアス約束を守らなかった為、後にこれを恨んだヘラクレスによって殺された。また二本のの流れも乱れてしまい、たびたび洪水を起こすようになったという。

ステュムパリデスの鳥

ステュムパリデス畔のに棲息する猛禽。かつては戦いのアレスペットで、を持ち、大群で人々を襲い、をまき散らした。

まずヘラクレスは鍛冶・ヘパイストスを訪ね、ガラガラを授かる。ガラガラを鳴らすと大音に驚いたの大群が飛び立ち、ヘラクレスはヒュドラの矢でことごとくこれらを殺した。
僅かに生き残ったもいたが、皆ギリシアを離れ、二度と戻らなかったという。

クレタの牡牛

クレタ王・ミノスはポセイドンげる生贄として、美しく巨大なポセイドンから送られた。ところがミノスはこれを惜しみ、別のを生贄としてげた。
怒ったポセイドン暴にして暴れさせ、更にはミノスの妻・パシパエに呪いをかけ、に熱をさせた。思い余ったパシパエは名工ダイロスに雌模型を作らせ、その中に入ってを受け入れた。この禁断の交わりによって牛頭怪物ミノタウロスが誕生するが、それは別の話。

ヘラクレスはクレタを訪れ、を捕らえるべくミノスに協を要請。しかし王はこれを拒否した為、やむなく一人でに挑み、生け捕りにする事に成功した。
ミュケナイへ連れ帰って王にを披露した後、ヘラクレスは荒れ狂うを野に放った。その後も様々な場所では暴れまわるが、奇しくもミノタウロスを退治した英雄・テセウスの手によって退治されている。

ディオメーデースの人喰い馬

トラキアディオメーデースが飼育していた巨大な。気性が荒く人間を食う為、ディオメーデースは旅人を捕らえてはこのに与えていた。

トラキアに乗り込んだヘラクレスは速攻でディオメーデースを殺。その死体に食わせると、途端に大人しくなったという。
また異説があり、ヘラクレスは首尾よくを盗み出したが、ディオメーデースが軍を率いて追いかけて来た。側仕えの少年を任せ、王ともどもトラキア軍を皆殺しにしたヘラクレスが戻ってくると、少年に食い殺されていたという。

アマゾーンの女王の腰帯

女性だけの戦闘部族・アマゾーン女王、ヒッポリュテの帯。

アマゾーンとの戦いになると考え、有志を募って乗り込んだヘラクレスだったが、意外にもヒッポリュテは彼らを歓迎。強い男の子種を授かる代わりに自らの帯を与える事を快諾した。
ところがヘラクレスいじめ定評のあるヘラアマゾーンに化け、「女王を攫おうとしている」と扇動。図らずも戦いとなり、ヘラクレスは女王が自分を騙したと勘違いしてしまった。
誤解を解こうとしたヒッポリュテだったが、ヘラクレスは怒りのままに彼女を殺して帯を奪った。しかし彼女を言っていなかった事に遅まきながら気づき、ひどく後悔したという。

これによりアマゾーンギリシアの間に確執が生まれ、後のトロイ戦争にまでを及ぼす事となる。

ゲリュオンの牛

西の大洋の最果て、エリュテイアに住まう巨人ゲリュオンが飼っている。双頭の魔獣オルトロスが見りをし、にも盗まれる事がなかった。

西をしてアフリカにまで到達したヘラクレスだったが、あまりの暑さにブチギレ。を行く太陽に矢を射かけたが、太陽ヘリオスはかえってその剛毅を讃え、黄金の杯を彼に与える。
この杯に乗ると、あっという間にエリュテイアに到着。オルトロス鎧袖一触とばかりに打ち殺し、を取り戻そうとしたゲリュオン返り討ちにした。
またこの旅の途中、近をしようと考えたヘラクレスは、の前に横たわる巨大な山脈を引き裂いてっ二つにした。これがジブラルタル海峡となり、分かたれた二つの山脈は「ヘラクレスの柱」と呼ばれるようになった。

こうして10の功業は果たされたが、ミュケナイ王は「ヒュドラ退治に余人の手を借りた」「小屋掃除に報酬をめた」として効を宣言。新たに2つの命が付け加えられる。

ヘスペリデスの黄金の林檎

巨人アトラスたち、ヘスペリデスが育てている黄金林檎林檎の木は世界の最果てにある「ヘスペリデスの園」にあるが、その場所は誰も知らない

まずヘラクレスはヘスペリデスの居場所を知る為、ゼウスに罰せられているプロメテウスの元を訪ねる。山頂に縛り付けられ、肝臓を大に啄まれる拷問を受けていたプロメテウスだったが、ヘラクレスは大胆にも大を追い払い、彼を解放した。
感謝の印として、プロメテウスは「ヘスペリデスアトラスであれば、黄金林檎を見つける事が出来る」と彼に教える。そこでヘラクレスは罰としてを支え続けるアトラスの許を訪れ、かくかくしかじかと頼み込んだ。

アトラスは了承したが「黄金林檎を取りに行く間、自分の代わりにを支えてくれ」と交換条件を出す。やむなく巨人に代わってを支える事になったが、の重さを支えるのは流石英雄でもひとかたならぬ苦痛をもたらした。
黄金林檎を手にして戻ってきたアトラスだったが、再びを支えるのを嫌がり、この林檎は自分がミュケナイに届けると言い出す。そこでヘラクレスは「を支えるのは構わないが肩が痛い。クッションを挟みたいから少しの間変わってくれないか」と言い、巨人を引き受けた所で林檎を持ってまんまと立ち去った。

地獄の番犬ケルベロス

先に殺されたオルトロスに当たる魔獣。三つの首を持ち、眠らずの番犬として死者の脱走を決して許さない。

府に赴いたヘラクレスは、府のハデスと謁見。ケルベロスを傷つけたり殺したりしない事を条件に、生け捕りにして地上に連れ出す事を許可された。
ケルベロスと戦い見事勝利化に成功したヘラクレスだったが、この時ハデスの妻・ペルセポネーを拉致しようとして捕まっていたテセウス達もちゃっかり救出した。
また地上に引きずり出され、太陽を浴びて暴れるケルベロスよだれから、トリカブトが生じたという。

こうして次々と連れてこられた魔獣秘の数々を前に、ミュケナイ王はすっかり怯えてしまった。の大に身を隠しながら、恐る恐る姿を伺うばかりであったという。

その他の冒険

上記の偉業以外にも、ヘラクレスは様々な冒険をしている。

アルゴナウタイ

ルキスの裘をめるイアソンが広く募集をかけた、ギリシア英雄ドリームチーム

名だたる英雄達と共に巨大帆船アルゴに乗り込み、コルキスをにヘラクレスも参加。女だけのレムノスでの美女の誘惑にも負けず、の下を長くしていた男達を叱りつけて再びに出るきっかけを作っている。
しかし途中立ち寄ったミューシアで、彼が可がっていた美少年・ヒュラスニンフによって連れ去られてしまう。ヒュラスを探し続けるヘラクレスを置き去りに、アルゴは出発してしまった。
後々までヘラクレスはこのことを恨んでいたとされている。

ギガントマキア

ギリシア神話における々の大戦。大地ガイア息子たる巨人族・ギガースと、オリュンポスの々の戦い。

ギガースはでは傷つける事が出来ず、人間を借りなければ勝利できないと予言されていた。そこでゼウスアルクメーネーとの間にヘラクレスをもうけ、彼を味方に加えて戦いに挑んだのである。つまりヘラクレスがこの世に生を受けたのは、全てはスケベ定評のある偉大なるゼウスによる慮だったのだ。

な、なんだってー!

……という後付けっぽい話はさておき、ギガースのは強大で、山や岩を投げ飛ばして攻撃するという、かつてない代物だった。しかしオリュンポスの々も負けじと応戦、総力戦に持ち込まれる。
かつてクロノス以下ティターン族を相手にした「ティノマキア」以来の大戦は、しかしヘラクレスの活躍もあり、オリュンポスの勝利で幕を閉じたのである。

最期

十二の功業によって罪を償い、晴れ自由の身となったヘラクレス。
カリュドーンの王女・デーイアネイラを二番の妻として迎え、息子ヒュロスが生まれるなど、幸福な生活が続いた……

訳がなかった。

家族と共に諸するヘラクレス。ある時、彼はのかかっていないを渡る事になった。だがの流れはしく、さしものヘラクレスも難渋していた。
そこへやってきたケンタウロスのネッソスが、自分が方を担いで差し上げようと申し出る。しかし好色に定評のあるケンタウロス、一足く向こうに辿り着いた所で彼女を連れ去り、乱暴しようとした。
だがヘラクレスが放ったヒュドラの矢が、容赦なくネッソスを貫く。猛瀕死となったケンタウロスは、デーイアネイラに「自分の血は媚となる。いずれ夫が心変わりをした時に血を塗ったを着せれば効果がある」とを告げて死んだ。
彼女はそのを信じてしまい、密かにネッソスの血を保存する事にした。

後に彼が戦に勝利して捕虜としたオイカリア王女イオレーをにする事になると、デーイアネイラは先の言葉を思い出した。そしてヒュドラで汚染された血を塗ったを、夫に届けさせたのである。

妻から送られたに疑いを抱く事もなく、ヘラクレスはそれを身に着ける。するとたちまちは体に貼りつき、ヒュドラが全身に回っていった。苦痛のあまりヘラクレスは皮膚ごとり取ったが、最助かる術はなかった。
が子ヒュロスに自分を火葬し、イオレーを妻にするよう告げたヘラクレスは、オイテー山の頂上にを積み上げ、生きたまま炎によって焼き尽くされた。自分が図らずも夫を殺したことを知ったデーイアネイラは絶望し、命を絶った。

死後

しかし英雄にしてゼウス息子であるヘラクレスは、そのまま死者として府に赴く事はなかった。
彼のはオリュンポスに迎えられ、そこでようやくヘラ和解。そしてヘラ青春女神・ヘーベーを妻に迎え、々の英雄として幸福に暮らしたという。めでたしめでたし

彼の姿をった星座からにかけて頂に昇る。日本語での正式名称はラテン語読みに由来するヘルクレス座であってヘラクレス座ではないので注意。

また、ヘラクレスの末裔を名乗る王は非常に多かった。ヘラレイダイと呼ばれる彼らの系譜は複雑で、その流れはスパルタアルゴス、マケドニアなど多岐にわたる。
テルモピュライの戦い」で勇名を残したスパルタレオニダス1世、後に大帝国を築いたマケドニアアレクサンドロス3世アレクサンダー大王)は、ヘラクレスの子孫という事になる。

後世への影響

彼の強さにあやかろうとしてか、軍事関係で英語名「ハーキュリーズ」を見る事は多い。
イギリス海軍戦艦、およびインド海軍空母HMS ハーキュリーズ」はまさにそれで、他にもアメリカの軍用輸送機C-130装甲車にその名がつけられている。

アガサ・クリスティが生み出した名探偵エルキュール・ポアロの名の由来でもある。
ずんぐりとした小男の、知の巨人としての活躍を描いた短編集『ヘラクレスの冒険』が上されている。

その冒険譚はたびたび映画化されており、当然ながら俳優が多く演じている。
シュワちゃんことアーノルド・シュワルツネッガーデビュー作は『SF人ヘラクレス』(1970年)だったりする。内容はコメディ路線で、当時の芸名はアーノド・ストロングという、割とわかりやすいアレだった。なおDVDでは流石アレすぎたと思ったのかアドヴェンチャー・オブヒーロー』である。

アメコミではMARVELの『マイティ・ソー』に「ハーキュリース」として登場。
故あって神話世界から地球人間として転生、同じく地球転生した北欧神話の戦ソーと出会い、紆余曲折あって信頼を結び、互いに兄弟となった。時にライバルとして戦い、時に友として共闘する。神様らしからぬ気さくな性格で、あのデッドプールともマブダチ。楽しい人生謳歌している。
2011年クロスオーバーカオス・ウォー』では役となり、カオスキングことアマツミカボシを相手に戦った。

1997年には彼を主人公としたディズニー映画ヘラクレス』が開。元の神話から大幅な脚色が加えられているが、アラン・メンケンによる名曲も相まって多くのファンに支持されている。
その後ディズニースクウェア・エニックスの提携で話題となったゲームキングダムハーツシリーズにも登場している。

データイーストから発売されたゲームヘラクレスの栄光シリーズにおいても、役を務め……ているのは第一作と外伝だけで、あとは主人公サポート役として登場している。
世界観はギリシア神話を踏襲しているが、ストーリー自体はオリジナルと言っても差し支えない。第三作『ヘラクレスの栄光III 々の沈黙』は、シナリオ完成度から現在でも特に評価が高く、システムゲームバランスなどに問題を抱えるものの、シリーズ最高傑作と推すファンが多い。
なおシナリオを手掛けたのは野島一成。『探偵 神宮寺三郎シリーズシナリオを務め、後に『ファイナルファンタジーVII』でストーリーを担当したほか、みんなのトラウマと名高い『バハムートラグーン』のディレクターでもある。

ギリシア神話を題材にしたアクションRPGゴッド・オブ・ウォー』では3作に登場。
既にオリュンポスの々の仲間入りを果たしており、主人公クレイトスにとっては異母兄弟となる。自分を差し置いて戦いのとなったクレイトス嫉妬していた。
ヘラの忠実な「息子」としてクレイトスの前に立ちはだかるが、闘の末、前が見えねえ状態になるまでボコボコにされて死亡。「ネメアのカエストス」(獅子をったガントレット)を奪われた。
神の子として生まれ、運命を狂わされて家族を殺した」クレイトスキャラクター像はヘラクレスを踏襲しているが、解り合う事はなかった。

TYPE-MOONの『Fate/stay night』に登場する『狂戦士』のサーヴァントバーサーカーの知名度は非常に高い。
狂化により意思疎通は困難を極めるが、そのは第五次聖杯戦争でも最強格。マスターであるイリヤスフィールとはで結ばれており、兵戦においては文字通り最強を誇った。その卓越したから、実はキャスター以外のあらゆるクラスに適性があると評されている。
その後も生作品、およびソーシャルゲームFate/Grand Order』に同クラスにて登場。
成田良悟によるスピンオフ小説Fate/strange Fake』では、異名により召喚。本来の『英雄』とは異なる、意外な姿とクラスで登場する。

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ヘラクレス

3 ななしのよっしん
2018/06/11(月) 21:09:44 ID: uWeCSDQAFZ
D映画ハデス日本語版は嶋田久作氏なのだがキングダムハーツでは映画タレント声優ではなく軒並みテレビアニメ声優だった中で一この方だけが映画以来復帰して演じている
ハウスオブマウスというDキャラが共演するアニメでも引き続き嶋田さんだった、ハデスに何か思い入れがあるのだろうか?
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4 スレ確認は大事
2019/03/03(日) 20:59:15 ID: JGcpIyT9RE
デーイアネイラが可哀想である
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5 ななしのよっしん
2020/04/20(月) 12:30:54 ID: CO+Hsj9idL
ハーキュリーが英名だったんだ
トールといい英語読みマイナー神様多いんだね
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6 ななしのよっしん
2020/06/14(日) 18:26:39 ID: yA3gvkHC+F
仮面ライダー剣モチーフヘラクレスオオカブトだからか手にするスートのカードヘラクレス由来の物が多いんだな
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7 ななしのよっしん
2020/12/23(水) 14:51:07 ID: mJ2gGiS81T
死因を塗られたパンツ穿いた
と最初見たとき何の冗談かと思ったが、実際にロシアが反体制パンツ殺しようとした話が出てきて草生える
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8 ななしのよっしん
2020/12/26(土) 20:43:56 ID: +l/vPSIMDc
ヘラクレス結びの由来、知ってる
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9 ななしのよっしん
2021/10/05(火) 07:17:24 ID: CBSVZC93L9
強さの
日本でいうヤマトタケルだろうか
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10 ななしのよっしん
2021/11/27(土) 09:37:02 ID: mCtpIzBp9i
地味ヘカテ―と縁がある
ヘラクレスの誕生を助けてエイレイテュイアにキレられ、イタチに変えられたアルクメネの女(または友)のガランティスを保護したのはヘカテ―だし、ギガントマキアヘカテー松明ボコボコにした巨人にとどめを刺したのはヘラクレスだし
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11 ななしのよっしん
2023/02/09(木) 02:20:02 ID: 9/Kcv3Byt5
ひいじいさんペルセウスは美青年に描かれやすいのに
ヘラクレスはムキムキゴリマッチョに描かれることが多い気がする
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12 ななしのよっしん
2023/12/08(金) 18:45:00 ID: zGcf51IW3o
聖徳太子母親が厩で産気づいて厩戸皇子と名付けられたのはイエスの誕生の話が西方から伝わったと言われてるように、ヘラクレス神話中東中国を経て日本に伝わってヤマトタケルになった。
あるいは共通の話のルーツアジアにあって、ギリシャではヘラクレス日本ではヤマトタケルになったという説もある。ちなみに、ヘラクレス殺人贖罪をするために3年間女装して召し使いにさせられたなんて話も残っている。
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