ヘンゼルとグレーテルとは(独: Hänsel und Gretel)とは、『グリム童話』に収録されている作品である。
ヘンゼルはヨーハン(Johann)の省略形ハンス(Hans)に南部方言の指小辞~ェル(-el, 北部方言の~ヒェン(-chen)に相当)がついたもの、グレーテル(Gretel)はマルガレーテ(Margarete, Margarethe)あるいはマルグレーテ(Margrete)の省略形グレーテ(Grete)に同じく~ェルがついたもので「ハンスくんとグレーテちゃん」くらいの意味。要するに前者が男の子で後者が女の子である。
曖昧さ回避
- ヘンゼルとグレーテル(BLACK LAGOON) - 漫画「BLACK LAGOON」に登場する双子。該当記事で解説。
- ヘンゼルとグレーテル(BEMANI) - ゲーム「jubeat clan」に収録されている楽曲。該当記事で解説。
概要
グリム童話に収録されている童話のひとつ。
ヨーロッパの子捨てを題材にした童話であり、子供達が知恵を使って苦境を乗り越えるサバイバルの教書でもある。
19世紀終盤にはオペラにもなっており、ドイツオペラの傑作に数えられている。
あらすじ
ヘンゼルとグレーテルの兄妹は母親の発案で口減らしのため暗い森の中に置き去りにされてしまうが、前日に子捨ての話を聞いていたヘンゼルは森に連れてこられる途中で目印の石を落としており、その石をたどって兄妹は家に帰る。
兄妹は再び森の中に置き去りにされるが、今回は小石を調達することができず、パンは投げ捨てるもの、とパンくずを小石の代わりに道筋においていく。しかし、パンくずは鳥に食べられてしまい、兄妹は帰り道を見失い森の中で迷ってしまう。
兄妹は森の中でお菓子の家を見つけ、「これから毎日家を食おうぜ?」とその家を食べ始める。しかし、その家に住んでいたBBA魔女に捕まってしまい、ヘンゼルは閉じ込められ、グレーテルは魔女の小間使いにさせられてしまう。
魔女はヘンゼルをかまどで調理して食べようとするが、グレーテルは隙を見て魔女をかまどに突き落とし、兄を助け出す。このとき、兄妹は魔女の隠し持っていた財宝を手に入れる
グレーテルが機転を利かせて二人は森から抜け出し、無事に家まで帰り着き、父親との再会を喜ぶ。そのときすでに母親は死んでおり、それから父親と兄妹は幸せに暮らしましたとさ。
改変について
この物語の初版は相当残酷な部分があり、後の版や後世の作家によって改変されている部分が多い。
改変例としては
などが上げられる。
なお、フンパーディンクによって作られたオペラ版は特にヨーロッパではクリスマス時期に上演される定番の作品だが、その性格上子供の観客が非常に多いためか、全体的に甘口に改変されており、最大の変更点として母親が口減らしのために森に置き去りにするのではなく、食料が無くて困った母親が兄妹に森へイチゴ摘みのお使いを頼むという形になっている。
考察
- ヘンゼルとグレーテルが捨てられるのは暗い森の中であり、当時のヨーロッパ人が抱いていた森への恐怖がにじみ出ている。当時の森の中には狼をはじめとする獣やアウトサイダーが紛れ込んでおり、昼でも暗いため危険な場所であった。
- 魔女はアウトサイダーの暗喩であり、隠し持っている財宝も犯罪によって手に入れたものと考えることができる。
- 序盤では泣くことしかできず、兄の後にくっついて廻るだけのグレーテルが物語後半になるに連れて徐々に賢くなっていることがわかる。その点に注目するとこの物語はグレーテルの成長物語ととることもできる。
- しかし、兄のために魔女をかまどで焼き殺すという行動はヤンデレ的行動であるとも考えられる。兄を守るために魔女を手にかけたグレーテルに対して、ヘンゼルがこの先どのように接したのかは語られていない。
現代の創作において
- BLACK LAGOON - 劇中において双子の兄妹(姉弟?)の殺し屋がヘンゼルとグレーテルを名乗る。
該当記事参照。 - うみねこのなく頃に - 魔女に囚われた兄・戦人を助けるために未来から呼び出された妹・縁寿が偽名としてグレーテルを名乗る。
- S県月宮 - 兄(だと思い込んでいる人物)が魔女に捕まった(と思い込んだ)ため、S県に赴いた妹の話。
- 断章のグリム(2巻) - 起きた事件がヘンゼルとグレーテルをなぞらえた内容になっている。
- 蒼き雷霆ガンヴォルト爪 - ヘンゼルとグレーテルをモチーフとしたキャラクター“アスロック”が登場する。
関連動画
関連項目
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