ベスパとは、
1.イタリアのオートバイメーカー「ピアジオ」が製造しているオートバイブランドのベスパ(Vespa)のこと。イタリア語で、「スズメバチ」という意味を持つ。
2.アニメ「機動戦士Vガンダム」に登場する架空の軍事組織ベスパ(Bespa)のこと。→ザンスカール帝国
本項では1について記述する。
概要
ベスパは1946年に誕生した。ベスパシリーズの特徴として、一般的なオートバイではカウル部分はFRPなどのプラスチック製であるが、ベスパでは自動車と同じくスチールモノコックボディを採用している。その他にも、タイヤの交換が容易に行えるように、片持ち式のサスペンションシステムを採用しているが、ピアジオがかつて航空機を作っていた時の技術の流用でもある。
ベスパは一般的なスクーターとは違い、自分でギアチェンジを行う必要がある(要はマニュアル車)。そのため、日本では50cc超のクラスだったらAT限定免許で運転することは出来ない。で、左レバーはクラッチであり、ギアのチェンジは左グリップをひねることで行うようになっている。ギアポジション(配列)も1・N・2・3・4と一般的なマニュアル車と全く変わらない。
2000年頃から、排ガス規制により従来から使用されてきた2ストロークエンジンの使用が不可能(50cc車除く)となったため、これを機にエンジンの4ストローク化と、運転の省力化を図るべくCVT(Vベルト)+自動遠心クラッチ方式が採用された。
2011年、ピアジオ生誕65周年記念として、俗にいう「ビンテージタイプ」のベスパの集大成であったPXシリーズの復刻が発表された。なお、完全受注生産であり、1年に1回しか発注チャンスはないとのこと。
現在のラインナップ
LXシリーズ
2005年にデビューした。丸目タイプのヘッドライトを持つ、ベスパ小排気量クラスの主力。
- LX50 2T:2ストロークエンジン搭載。
- LX50 4T4V:LX50 2Tのエンジンを4ストローク・4バルブタイプに置き換えたバージョン。
- LX50 4T4V Touring:LX50 4T4Vの公式カスタムバージョン。フロントキャリア・リアキャリア・風防・専用シートが取り付けられ、本来なら約10万円相当のところを約3万円で提供している。
- LX125:4ストロークエンジン搭載。ピアジオ製「リーダーエンジン」を搭載する。燃料供給装置はキャブレター。
- LX150:LX125の排気量アップバージョン。
- LX125ie:LX125の燃料供給装置をインジェクション(燃料噴射装置)化したバージョン。
- LX125ie Touring:LX125ieの公式カスタムバージョン。カスタム内容はLX50 4T4V Touringと同じく。
- LX150ie:LX150の燃料供給装置をインジェクション(燃料噴射装置)化したバージョン。
- LX150ie Touring:の公式カスタムバージョン。カスタム内容はLX50 4T4V Touringと同じく。
- LXV125:ピアジオ生誕60周年記念モデル。
- LXV125 Navy:LXV125の廉価版。カラーがネイビーブルーのみになり、シートが本革から合成皮革に変更され、リアキャリアが別売りになっている。
Sシリーズ
1970年代の名車「プリマベーラシリーズ」の復刻版。角目タイプのヘッドライトを持つ。LXシリーズと共通点は多い。
- S50 2T:2ストロークエンジン搭載。
- S50 4T4V:4ストロークエンジン搭載。
- S125:4ストロークエンジン搭載。ピアジオ製「リーダーエンジン」を搭載する。燃料供給装置はキャブレター。
- S125ie:S125の燃料供給装置をインジェクション(燃料噴射装置)化したバージョン。
- S150ie:S125ieの排気量アップバージョン。
PXシリーズ
- PX125:アプリリアの高級原付スクーター「SR50 Purejet」と同じく、次世代型2ストロークエンジンと燃料噴射装置(インジェクション)の組み合わせによりEuro3基準排出ガス規制を見事クリアしたマシン。
- PX150:PX125の排気量アップバージョン。
GTシリーズ
2005年にデビューした。12インチホイールを採用し、ベスパシリーズのフラッグシップ的位置付けになっている。
- GTS250ie:ピアジオ製「クォーサーエンジン」を搭載する。
- GTV250ie:ピアジオ60周年記念モデル。GTS250ieをベースに、ヘッドライトをフロントフェンダー部分に移設したモデル。
- GTV250ie Navy:GTV250ieの廉価版。カラーがネイビーブルーのみになり、シートが本革から合成皮革に変更されている。
- GTS300ie Super:GTS250ieの排気量アップバージョン。
- GTV300ie Monte Napoleone:GTV250ieの排気量アップバージョン。
Primaveraシリーズ
2014年にデビューした。Sシリーズとは異なりPrimaveraの名をそのままシリーズ名に継承し、フラグシップモデル946の流れを汲むボディデザインに新世代エンジン、イモビライザー、ABS、LEDヘッドライト等の先進装備を搭載、そしてCVT・自動クラッチを標準とし日常の使い勝手にも優れた普及モデル。
- Primavera 150:新世代155cc i-GET空冷4ストローク3バルブエンジンを搭載する標準モデル。
- Primavera S 150:標準モデルをベースに専用オーナメント・モール、エレメントを追加したモデル。
- Primavera 125:125ccエンジンを搭載、日本正規仕様で原付二種に対応したモデル。
- Primavera 50:50ccエンジンを搭載、海外専売。
Sprintシリーズ
2014年にデビューした。Primaveraのボディ・駆動系をベースにベスパのスポーツモデル伝統の角目ヘッドランプを搭載したスポーティーモデル、先進装備はPrimaveraシリーズと同様となる。日本正規仕様は150のみとなる。
- Sprint 150:新世代155cc i-GET空冷4ストローク3バルブエンジンを搭載する標準モデル。
- Sprint S 150:標準モデルをベースに専用ボディカラー、専用エンブレムを追加したモデル。
- Sprint S 150 TFTエディション:メーター部にTFT液晶マルチコントローラーを搭載、車体のモニタリングやナビゲーションをBluetooth経由でスマートフォンから操作できる。
- Sprint 125:125ccエンジンを搭載、海外専売。
- Sprint 50:50ccエンジンを搭載、海外専売。
関連動画
関連項目
- イタリア
- バイク
- スクーター
- ビッグスクーター
- ローマの休日
- ベスパ 150 TAP - フランスが開発したベスパ150の車体にM20無反動砲を搭載した自走砲、珍兵器
- TopGear - シリーズ12 ベトナムスペシャルでジェレミー・クラークソンが搭乗。俗に言う"ビンテージタイプ"だが、どのモデルなのかは不明。
- フリクリ - 登場人物のハル子が「Vespa180ss」に乗っている。「ベスパ女」。
- 探偵物語 - 松田優作演じる工藤俊作の愛車が「Vespa P150X」。
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