ベル・クラネルとは、大森藤ノの小説「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の登場人物である。
概要
プロフィール | |
性別 | 男 |
年齢 | 14歳 |
種族 | ヒューマン |
身長 | 165C |
職業 | 冒険者 |
ステイタス | Lv.1→Lv.2→Lv.3→Lv.4→Lv.5 |
二つ名 | 【未完の少年】 →【白兎の脚】 |
所属 | 【ヘスティア・ファミリア】 |
本作の主人公。雪のような白い髪と真紅の瞳を持つことから、見る者に『兎』を連想させている。
元はオラリオから少し離れた田舎の出身。育ての親である祖父と二人暮らしだったが、物語開始より一年前に祖父が亡くなった為、残った財産を持って迷宮都市オラリオにやってきた。
冒険者を志すようになったのは、幼い頃に祖父が読み聞かせてくれた英雄譚がきっかけ。物語に登場するような英雄に憧れる傍ら、「男ならハーレムを目指さなきゃな!」という祖父の教えもあって、異性との出会いへの情熱が大きく膨らんでいき、オラリオでついに冒険者となった。
純粋で素直な性格だが、やや世間知らずで臆病な面もある。また、「ハーレムを作る」と意気込んでいたわりに、女性に対してはやや奥手。ちなみに作者曰く、好みのタイプは「金髪のエルフ」。
後に命の恩人であるアイズ・ヴァレンシュタインと何度か邂逅することになるのだが、彼女と目が合うと緊張して一目散に逃げてしまう為、理由を知らないアイズは密かに悲しんでいた(ベルに怖がられていると思っていた模様)。
ここからネタバレ部分
出生について
ヘルメスの口から彼の祖父の正体は、かつて世界最強のファミリアと謳われた【ゼウス・ファミリア】の主神ゼウスであることが明らかにされている。もっともベルはそのことを知らず、他界したと思っている。ベルの事は離れた後も気にかけており、ヘルメスから定期的にベルの近況報告を受けており、才能がないと思っていたベルが冒険者になって一ヶ月半でランクアップしたと聞いた時は、茶を噴き出すぐらい驚いたらしい。
父親は【ゼウス・ファミリア】の一番下っ端だったサポーター。赤い瞳をしたヒューマンで名前は不明。母親は【ヘラ・ファミリア】のメーテリアという名の女性。才能のかけらもない凡人だが、唯一優しさは持っており、何もできないが、誰からも愛される人物だった。【ヘスティア・ファミリア】の最初のホームである廃教会はメーテリアが愛した場所で、ベルは自分でも知らないうちに母の足跡を辿っていた。
叔母は【ヘラ・ファミリア】の幹部であり、Lv.7の実力者である【静寂】の二つ名を持つアルフィア。母・メーテリアの双子の姉。
冒険者として
ベルの冒険者としてのデビュー戦は「華々しい活躍で数多のモンスターを葬った!」……とはいかず、ダンジョンに出てくる中で最弱のモンスター「ゴブリン」を一匹倒して舞い上がり、ヘスティアを内心がっくりさせる程度の実力であった。性格面でも気弱で臆病なところがあり、度が過ぎるほどのお人好しで優しすぎるため当初は冒険者には向いていないと思われていた。
その後もダンジョンで身の丈に合ったモンスターをコツコツと倒し、経験値と生活費稼ぎに励んでいた。
しかしある時、「ミノタウロス」という中層にしか出現しないはずの凶暴なモンスターから襲われ、危機に陥っていたところを同業者の「アイズ・ヴァレンシュタイン」に救われることとなる。
その結果アイズに一目惚れをし、また一流の冒険者である彼女との出会いに何か得るものがあったのか、新たなスキル「憧憬一途(リアリス・フレーゼ)」を発現させる。以降、ベルにとってアイズは憧れであり、彼女に追いつくために強くなりたいとひたすら真っすぐに努力を続けるようになる。
その後は、冒険者として前例のない急速なスピードで成長を遂げていき、短期間で出世をしていく。そのため第一級冒険者や神々からも注目される存在にまでなっていく。
また、彼の持つ根底にある正義感や真っすぐな心根に惹かれて仲間も集まり、【アポロン・ファミリア】との戦争遊戯(ウォー・ゲーム)でピッチに陥った際にヴェルフ・クロッゾ、リリルカ・アーデ、ヤマト・命が改宗したことで【ヘスティア・ファミリア】の団長となる。
一方、彼の持つ優しさや正義感の強さ、成長速度、注目度の高さは災いを引き寄せる原因にもなっており、自身のLv.に見合わない大事件に巻き込まれ、オラリオ全体を敵に回してしまったり、時には世界が揺らぐ事態になることすらある。それでもベルは、助けを求める人に手を差し伸べ続け、最終的には自らの信念を貫こうという強い意思を見せ、何度くじける様な極限状態に陥っても、立ち上がって敵に立ち向かおうとする不屈の精神力を見せている。そして、数々の偉業を成し遂げていく。
そんなベル・クラネルを「英雄」になる資質を有していると見ている者もいる。
人間関係
オラリオで冒険者として活動していく内に、同業者や神といった様々な出会いを経験していくことになる。
【ファミリア】発足のきっかけになった女神ヘスティアに対しては、深い尊敬と親愛の念を抱いており、特別な存在として慕っている。また、命の恩人であるアイズ・ヴァレンシュタインに対しては強い憧れの気持ちと恋心を抱いている。
当初より女性からモテたいと願っていたベルだが、彼の純粋でひたむきな人柄に触れてか、当人の知らぬ内に複数の女性から好意を寄せられている。現在明確に好意を示しているだけでもヘスティア、リリルカ・アーデ、シル・フローヴァ、フレイヤ、サンジョウノ・春姫、ウィーネ、エイナ・チュール、カサンドラ・イリオン、リュー・リオン、ニーナ・チュールなどが挙げられる。また、男神であるアポロンからも歪んだ好意を寄せられていた。
他ファミリアのメンバーともいくつか交流を持ち、【ソーマ・ファミリア】のリリルカ・アーデはベルのサポーターに、【ヘファイストス・ファミリア】の鍛冶師ヴェルフ・クロッゾとは専属鍛冶師と仮パーティの契約を結んでいる(その後二人とも【ヘスティア・ファミリア】に改宗)。
また【ミアハ・ファミリア】とはファミリアぐるみで仲が良く、【タケミカヅチ・ファミリア】のメンバーとも後に友人関係となる。
酒場「豊饒の女主人」の店員たちとも物語初期から繋がりがあり、看板娘のシル・フローヴァからは好意を寄せられるだけでなく、毎回個性的な味のする弁当を手渡され、なぜか所持している魔道具によって助けられることもある。また、Lv.4の元凄腕冒険者であるリュー・リオンからも「尊敬できるヒューマン」と称され、冒険者としてのノウハウを教わったり、助っ人として参戦してもらったりと何かと力になってもらっている。
【フレイヤ・ファミリア】の主神である美の女神フレイヤからは見た事がない魂を持つ人間として気に入られている。一方、そのことで団員たちからは恨まれている。
ウィーネとの出会いがきっかけで関わるようになった異端児たちからも恩人として慕われ、ベル自身も彼らとの出会いを通じて地上に居場所がない彼らを救う事を目指すようになる。また、Lv.7相当の力を持つアステリオスに勝つ事が新たな目標として加わることになる。
『ギルド』の受付嬢であるエイナ・チュールからは、何も知らない駆け出し冒険者の頃から弟のように面倒を見てもらっていたが、前例のない急激な成長を遂げるベルに驚きを隠せず、ベルのレアアビリティを発見した際は神々に悟られないよう意図的に隠匿している。
戦闘能力
ステイタス
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
SS1091 | SS1019 | SS1098 | SSS1337 | SS1001 |
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 |
---|---|---|---|---|---|
SS1088 | SS1029 | SS1094 | SSS1320 | A883 | I |
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 耐異常 |
---|---|---|---|---|---|---|
SS1127 | SS1026 | SS1031 | SSS1477 | SS1009 | H | H |
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 耐異常 | 逃走 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SSS1379 | SSS1501 | SSS1383 | SSS1442 | SSS1251 | F | G | I |
戦闘スタイル
アイズから指導されたために戦い方が似ており、基本的には"神様の刃(ヘスティア・ナイフ)"をメインとした短剣状の武器を両手に用いて戦い、スピードと手数を生かして敵を翻弄しつつ体術や魔法を組み合わせて猛攻を加えていく戦法を得意とする。
闘争心を燃やせば燃やすほど強くなるタイプで、戦いの中で急速に成長する。足の速さだけに関しては恩恵を授かる前から天性の物を持っておりそこに【憧憬一途】が拍車をかけ、敏捷の伸びは凄まじい。技や駆け引きも、アイズやリューといった実力者に戦い方を教わっている事や、命懸けの実戦の中で急速に成長している。
スキル
- 憧憬一途
- 早熟するスキル。懸想が続く限り効果持続。懸想の丈により効果向上。
- アイズに一目惚れした事から発現したスキルであり、ベルがランクアップの世界最速記録を打ち立てたのもこのスキルによるもの。神クラスの魅了にも耐えられる効果もある。
アイズへの嫉妬から、ヘスティアはベルにこのスキルの事を伝えていない。 - 英雄願望
- 能動的行動に対するチャージ実行権。
- ミノタウロスとの戦いで、「英雄になりたい」という強い願望を抱いたことで発現したスキル。チャージ中は鐘の音が鳴り響き、チャージ時間によって行動の威力も上がっていくが、蓄力を長く行うほど消耗も激しくなる。Lv.2~3の時の最大蓄積時間は3分までだったが、Lv.4になってからは4分に増えた。
- 闘牛本能
- 猛牛系との戦闘における、全能力の超高補正。
- アステリオスとの戦いで発現したスキル。猛牛系のモンスターと交戦する際は、Lv.を超えた戦闘能力を発揮できる。
発展アビリティ
- 幸運
- Lv.2にランクアップした際に発現した現状、ベルのみに発現が確認されてるレアビリティ。ヘスティアによると『加護』の力もあるらしくカサンドラの誰にも信じてもらえない予知夢を唯一信じることができる。
- 耐異常
- 状態異常を防ぐ事の出来るアビリティ。Lv.3にランクアップした際に発現。
- 逃走
- 文字通り逃げ足が速くなるアビリティ。これでもLv.4以降のランクアップで発現し、会得可能なレアアビリティである。
魔法
- ファイアボルト
- シルから渡された魔導書によって『魔導書』によって強制的に発現した魔法。走る稲妻の様な爆炎を放つ。速攻魔法として詠唱を必要とせず、ただ名前を叫ぶだけで発動できる。
- 強敵相手だと火力不足という弱点があったが、英雄願望によるチャージと掛け合わせることで大火力の必殺技として使用できるようになる。
必殺技
- 聖火の英斬
- 魔力の伝導率が高いミスリル金属で造られた《ヘスティア・ナイフ》に速攻魔法【ファイアボルト】を打ち込むと同時にスキル【英雄願望】を発動させた『二重収束』によって凄まじい威力の一撃を敵に向かって放つ技。
- アステリオスとの戦いの後にベルが開発。発動時には《ヘスティア・ナイフ》に炎雷が纏い、刀身が伸びた炎熱の刃と化す。ウェスタは主神であるヘスティアのもう一つの名前で、神々の言葉で『燃え続ける聖火』を意味する。
作者のあとがきによると、元ネタは『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』に登場する『火炎大地斬』のようである。
装備
- 短刀
- ギルドから支給された初期装備。現在は初心者の頃ベルが世話になった鍛冶屋「雛鳥の鉄床」店主のダルドが買い取り、彼の店の奥に飾られている。
- シュワイザーデーゲン
- 両刃短剣。19000ヴァリス。
リリがヘスティア・ナイフを盗み出そうとした際にせめてもの置き土産としてベルに渡した品。 ミノタウロスとの戦いの際に真っ二つに折られる。 - ヘスティア・ナイフ
-
その身を形作るのは、真実の銀、ミスリルの輝き。真の光は、他の誰もが手にしたところで、その輝きを曇らせる。心せよ、刃を抜くことが出来るのは、汝が認め、汝と血を分けた使い手ただ一人。(刀身・表の神聖文字)
鍛冶の主ヘファイストスがオリンポスの盟友ヘスティアの武具を鍛える。ファルナが刻まれし汝もまた我らが愛する神の眷属、神の刃。女神ヘスティアの名のもとに命ずる。同じ血を分けた眷属に力を貸し与え、栄光を献げよ。汝の主の名、それはベル・クラネル。主の半身となり共に笑い、共に怒り、共に泣き、共に傷つき、共に走り、共に苦難を乗り越え、共に育て。経験を糧とし、刃を研ぎ澄ませ。主と共に至高を目指せ。(刀身裏の神聖文字)
汝は女神ヘスティアの分身なり。闇を切り裂く炉の炎を宿し、主人の路を切り拓け。永遠の伴侶となって、主人を守れ。(刀部分の神聖文字)
- ヘスティアがヘファイストスに数日にも及ぶ土下座で頼み込んで作ってもらった持ち主と共に成長するという特異な特性を持つナイフ。製作にはミスリルの他にヘスティアの「神の血」と髪の毛が用いられており、ヘスティアの眷族以外の者が持てばただのなまくらだが、ヘスティアの恩恵を受けた者が持てば、その実力に応じた攻撃力を発揮する「生きた武器」となる。
ちなみに、このナイフのためにヘスティアはヘファイストスに対して2億ヴァリスという巨額の借金を背負うこととなった。 - 牛若丸
- ミノタウロスからドロップした「ミノタウロスの角」を使ってヴェルフが作成した短刀。しばらくの間はヘスティア・ナイフよりも攻撃力は高かった。アステリオスとの死闘で破壊された。
- 牛若丸弐式
- ヴェルフがLv.2にランクアップし、鍛冶アビリティを獲得した際に残ったミノタウロスの角から作成した短刀。ヘファイストスも認める第三等級武装。クノッソスでの【イケロス・ファミリア】との対決の際、紛失。
- 白幻
- 下層への遠征から愛用。異端児のユニコーンの角を用いてヴェルフが作成したもの。軽く取り回しが容易で牛若丸よりも高い切れ味を持つ第二等級武装の中でも上位の武器。毒を受けた際に、刀身を用いることで解毒効果を発揮する力も備わっている。予想値段は1000万ヴァリス。
- 兎鎧
- ヴェルフが作成した軽装防具。ネーミングセンスがアレすぎて誰にも売れなかったが、一目見て気にいったベルが購入した。ヴェルフがベルの仲間になったきっかけの防具でもある。Mk-IIからMk-Vまである。
- ゴライアス・マフラー
- ジャガーノートの出現を予知したカサンドラがヴェルフに頼み、リリのゴライアスローブの余った部分を使って作成した防具。ジャガーノートの破爪を滑らせ防ぐ程の防御力を持ち、更に重量、耐久力も非常に高く、鞭のように敵を薙ぎ払うのに使ったり、敵に巻き付けて引き寄せるなど攻撃にも使用している。素材が異常事態で現れた"漆黒のゴライアス"の硬皮を使っているのでかなり希少。
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