【ニコニコ大百科 : 医学記事】 ※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。 |
概要
腸管出血性大腸菌(O157、O111など)や一部の赤痢菌が作り出す毒素。細胞のタンパク質を破壊する性質を持つ。
主に大腸の細胞や血管を破壊して出血や炎症を起こし、下血(血便)を伴う激しい下痢や非常に強い腹痛といった症状を引き起こす。また、血液中に入り込んで腎臓や脳などに移動し、溶血性尿毒症症候群(HUS)などの重大な合併症を起こすこともある。HUSは急性腎不全や溶血性貧血、血小板減少、脳症などを伴う非常に危険な合併症である。
アフリカミドリザル(実験動物として使われる猿)の腎臓の細胞(ベロ細胞)を破壊したことが名前の由来となっている。また、赤痢菌を発見した科学者である志賀潔の名前にちなんで志賀毒素と呼ばれることもある。
致死量が非常に少ない猛毒であり、細菌が作り出す毒素としてはボツリヌストキシン(ボツリヌス菌の毒素)やテタノスパスミン(破傷風菌の毒素)に次いで危険なものとなっている。
関連動画
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 4
- 0pt