ペシミマンとは、漫画『キン肉マン』に登場するキャラクターである。二つ名は“黄昏の刻”。
概要
時間超人の幹部である五大刻の一人であるロボ超人。口癖は「ニキニキ」。悲鳴をあげるときは「ニギャ~」「ニギラ~」「ニギャ~」。この世を更地に戻すべく現れた新時代のネオ・ピルグリム(新しき巡礼者)の一人を自称する。
ミステリアスな機械系超人チックな顔を持つ西部劇のカウボーイをモチーフにした超人。コスチュームもカウボーイハットを被り、ウェスタン風のロングコートを着用するという西部劇チックなデザインとなっている。また、技名も西部劇を連想させるネーミングとなっている。
基本的にクールでニヒルな性格だが、シベリアの"狼の部屋"の施設を襲撃した際は饒舌になっており、好戦的な一面を見せている。また、ひと暴れした後は自ら靴磨きをしたり、着地した際にカウボーイハットを手で抑えてポーズを取るキザな一面も見られる。
ファイトスタイルは荒々しいラフファイトが主体だが、カポエラを思わせるようなアクロバティックな動きからの蹴り技も使う。さらには長縄付きの腕(ファイヤーバード)がロケットパンチのように飛び出すとんでもギミックを持つ。カウボーイらしくこの長縄を使った「投げ縄の名士」であり、この縄を利用した必殺技が多い。加えて、この縄はしっくり丁寧に編み込まれた特殊なカーボンファイバー製であり、超人硬度は9のサファイアという代物。断ち切ろうとしたウォーズマンのベア・クローを逆にへし折っている。
なお、ウォーズマンとの試合中に膝蹴りを連発したときひたすら「そらドーン」と煽っていたことが、ガゼルマンの「悪い子だ」と似ていることもあり、読者の間で話題となる。とはいえ、敵ではあるが同じロボ超人のウォーズマンとはウマが合うようである。ウォーズマンが抱いているロボ超人故の悲哀に対しても理解を示しており、戦いのなかでウォーズマンのことを気に入っていることが描写されている。
名前の「ペシミ」は英語で"悲観主義者"を意味する「ペシミスト」や"悲観論"を意味する「ペシミズム」からとっている。ロボ超人という境遇もあって「人をオモチャのように扱う連中」に対する憎しみから神を毛嫌いし、袂を分かっている。一方、全てを無に帰そうとしている刻の神のことは気に入っており、「どうせオモチャなら気に入ったやつのオモチャとしてこの世の最後を見届ける」事を矜恃として時間超人となった。このことから彼は他の時間超人と違って刻の神に対して信仰心を持っているわけではなく、同時に生まれながらの時間超人ではなく、後天的に時間超人になった超人であることを示唆している。
作中での活躍
他の五大刻、エル・ドミノスと共にレバノンのバールベック遺跡に出現。エル・ドミノスが敗れた後、キン肉マンゼブラたちの前に姿を見せる。その後、パピヨンマンが管理することとなったバールベックの地を離れ、他の鉱脈を探しに行く。
他の五大刻に先立って目的地であるソ連・シベリアのパトムスキー・クレーターに到着すると、この地に眠っていたマグネット・パワーを掘り起こす。さらにこの地にある狼の部屋の施設を拠点として占拠しようとし、施設に配備された大量のアンドロイド・サルダードを圧倒的な強さで倒してしまう。そこでウォーズマンが扮する実力の違うアンドロイド・サルダードと遭遇。一問答した後、対峙することになる。コワルスキー長官の介入をウォーズマンの機転によって回避すると、二人でパトムスキー・クレーターへと移動し、超古代の超人が競い合ったという円形闘技場リングを出現させる。
試合開始と共に「クロエ」と名乗ったウォーズマンに対し先制攻撃を仕掛けるが、逆に自らのルーツを思い出したクロエの関節技攻撃を受ける。しかし、100万パワーのクロエに対して1億パワーを持つことから圧倒的なパワーの差を見せつけ始め、「ファイヤーバードガンスリンガー」でクロエを捕らえ、「ワイルドバンチスープレックス」を決める。さらに執拗な関節技を仕掛けてくるクロエをファイヤーバードであしらうと、得意とするファイヤーバードの長縄を使った荒技で痛めつける。戦いの中でクロエの高い技術と経験値に気付くと、クロエが他のアンドロイド・サルダードとは違うと見抜き、クロエの正体を暴こうとし、「ゴールドラッシュドライバー」で仮面の一部を砕く。手ごたえを感じ、ファイヤーバードを使った拷問技でクロエを執拗に痛めつけるが、意を決したクロエはとうとう自らウォーズマンとしての姿を露わにすると、スクリュー・ドライバーを喰らう。
正体を見せたウォーズマンに対し、さらっとロボ超人であることをカミングアウトしたことでロボ超人同士の対決となる。持てる力を解放したウォーズマンに押され始め、パワーの差を見せつけ恐怖心を煽る心理戦仕掛けるもオニキスマンとの戦いを経験したウォーズマンには通用しなかった。だが、意表を突いて放ったウォーズマンの「ブラッケンド・オーバーライダー」を得意のファイヤーバードガンスリンガーによって腕のクラッチを外して逆に空中へ放り投げる。これで再び試合の主導権を握ると、二発目の「ゴールドラッシュドライバー」を炸裂させ、ウォーズマンをダウンに追い込む。
勝負あったかと思われたそのとき、ウォーズマンの体内に眠っていた「最終戦闘モード」が起動し、ウォーズマンの姿が変化する。自らの境遇を悲しむウォーズマンに対し同じロボ超人として理解を示し戦いを再開するが、パワーアップしたウォーズマンのエグい攻撃の前に劣勢に立たされる。危険な攻撃の数々に思わず躊躇するウォーズマンに対して憎まれ口を叩きながら発破をかけ、あえて最終戦闘モードとの正々堂々の真っ向勝負を挑む。骨のある相手に喜びを露わにしながら反撃に出るが、「クルシフィクションベア・クロー」を喰らいダウンする。それでも大ダメージを受けながら立ち上がると、最終戦闘モードに対抗する秘策を使おうとする。
その秘策とはファイヤーバードの縄の素材を使って全身を硬度9にコーティングすることだった。コーティングすることによってウォーズマンの鉄壁の鋲を次々とへし折り、再び試合の主導権を取り戻す。硬度撃破を狙ったウォーズマンの「サイクロン・ドライバー」も高速回転させてのカポエラ式のキックで迎撃。リーチの差でわずかに勝利し、ウォーズマンの戦闘モードの装具を粉砕しつつダウンを奪う。倒れたウォーズマンに対して自らの時間超人としての矜持を明かすが、そのときいつの間にか立ち上がったウォーズマンのパロ・スペシャルに捕らえられる。ファイヤーバードでの脱出は全身コーティング処理にエネルギーを消費したため防がれてしまうが、最後の秘策としてコーティング液を使ってウォーズマンの全身を塗り固め、技を停止させようとする。笑える未来などどこにもないと悲観論を語るのに対し、ウォーズマンは「プライド」こそが笑える未来のために必要だと説き、ペシミマンを「トモダチ」として想いを込め、最後の力を入れる。だが、ウォーズマンの呼びかけはあと一歩届かず、動きが停止してしまう。技から脱出すると、動きが止まったウォーズマンを「ララミージャンゴ」で仕留め、勝利する。
必殺技
- ファイヤーバードガンスリンガー
- 長縄付きの両腕を射出させる。ロケットパンチというよりは機動戦士ガンダムに登場するジオングのほうがイメージが近い。相手を捕らえた状態で「ファイヤーバードゴーバック」によって両腕を戻すことで相手を自分に引き寄せる。
また、腕を掴んだ相手を突き放すために腕を射出したり、ファイヤーバードの長縄を相手に絡みつかせて捕獲したりと、攻守両面で役立つ汎用性が高い技である。
さらに奥の手として、ファイヤーバードを天に向けて打ち上げ、縄の素材を液状にして体を覆うことによって全身を硬度9にコーティングすることができる。ただし、エネルギーを多く消費してしまうため力ずくで腕の射出を防がれるデメリットも生じる。 - カンザスシティシュート
- 三点倒立から上に飛びあがり、カポエラを思わせるようなムーヴから相手の後頭部に縦回転の変則的なキックを喰らわせる。
- ワイルドバンチスープレックス
- ファイヤーバードゴーバックによって引き寄せた相手に対し、ジャンプして放つクロスアーム・スープレックス。両腕をクロスさせて押さえることで相手は受け身を取れず、後頭部をマットに叩きつけられる。
- レイジングブル・ギガスイング
- カウボーイさながらにファイヤーバードの長縄を相手の首に絡みつけることで縛り付け、その状態のままハンマー投げのようにぶん回し、各コーナーポストに相手の頭を打ち付けていく荒技。
投げ縄が得意なペシミマンならではの技であり、通常のリングよりもコーナーポストが多い円形闘技場(六角形のリング)と相性の良い技である。 - ゴールドラッシュドライバー
- ファイヤーバードガンスリンガーで捕らえた相手を宙に引っ張り上げ、縄で縛って身動きが取れない相手を空中でキャッチし、そのまま頭部からリングに激突させる。
- ウォンテッドツイスト
- ファイヤーバードで拘束した相手の首を片足で固定し、そのまま相手の脚を掴んで放つ股裂き。クロエ戦ではそこからエルボーの乱打に繋げている。
- ララミージャンゴ
- ハイキックで蹴り飛ばした相手と空中で背中合わせとなり、相手の両足で両腕を挟み込む形で踏みつけることで両足と両腕を動けなくし、自分の腕を相手の胴にまわしてホールドしたまま落下。最終的に相手の脳天をコーナーポストに叩きつける。ネメシスのバトルシップシンクを自分でブリッジすることで逆さにしたような難解な体勢となる。
その威力は凄まじく、ウォーズマンの全身の硬度9のサファイアが砕け散ってしまうほど。
技名のララミーは西部劇で登場する地名であり、ジャンゴは西部劇映画の主人公の名前。
関連項目
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