ペニーオークションとは、入札する度に手数料が必要になるインターネットオークションの形式のことである。
オークションとは言っているものの、その形式の特性から、事実上詐欺の手口の一つと化している。
概要
上記で述べたように、入札する度に手数料が必要になるオークションである。これによって「開始価格をごく低廉に設定することで一見安い料金に見せかけ、実際は手数料によって多額の収益を得る」という事が可能になる。また、このことを利用した詐欺が横行している。
ペニーオークションとは形式の呼称であり、この形式を利用したオークションが様々な名前で行われているのが実態である。利用登録で入札手数料として使用できるポイントが数円分プレゼントされることが多い。
このオークションを広める手段としては、以下で述べるコピペブログの他、アメブロなどで芸能人がこの手のオークションをステルスマーケティングの手法を用いて紹介されていたことが発覚し叩かれた。叩かれた後は該当ブログを削除する芸能人もいた。
ペニーの由来についてだが、最初にこの手のオークションを始めたサイト(もしくはこの手で有名になったサイト)が入札手数料に該当する通貨をペニーと称していたとする説が有力である。オークション利用者は、入札前にペニーを購入することから始まるが、前述のように利用登録でペニーに該当する通貨をプレゼントされる場合もある。サイトごとに通貨の呼称は異なり、単純に入札用コインと呼んでいる場合も多い。ちなみに1ペニーや1コインの単価はサイトによって異なる。なお、ペニーは元々イギリスの通貨単位でコインとして実在する。1ペニーが100枚で1ポンドに該当し、日本で言う1円と考えればよい。ちなみにペニーは複数形(2枚以上)でペンスと発音が変わる。上記でいうならば、100ペンス=1ポンドである。また米国通貨の最低単位である1セント貨幣の通称としても用いられる。
誤解が無いように言っておくが、イギリスが発祥の詐欺というわけではない。一定数以上の会員が居ないと出品者側の経営が成り立たない仕組みであり、なおかつサクラを利用して自己落札する結果になったとしても通常のオークションとは異なり手数料分が丸々儲けとなってしまうシステムであるがゆえに、サクラもしくはBOTを使った詐欺が横行する温床となってしまっている、ということである(サクラやBot無しの真っ当なペニーオークションサイトを開設したが、前述の性質のためにたちまち経営が立ち行かなくなり、あっという間に潰れた業者もあったことを念のため書き添えておく)。
詐欺事件の発覚後は急速に廃れ、「ペニーオークション」でググっても詐欺事件の記事ばかりが出てくるだけで、優良ペニーオークションの紹介サイトは残っていたとしても、そこからのリンク先が通常の大手オークションサイトに繋がっているなどしており、2014年1月現在日本からペニーオークションサイトは完全に消滅したことが確認されている。また、ほぼ同時期に大半の業者が撤退したことが、摘発を逃れた業者が警察の手が回らないうちに急いでペニオクサイトを畳んだ結果なのでは?と疑われる要因の一つとなっている。
ところでこのペニーオークション、大手業者の参入事例はDMMなどごく僅かしかなかったのだが、実は当初通常のオークション事業を展開する他の大手業者らも参入を打診していたらしい。ところが、打診の過程でペニーオークションが詐欺行為に繋がりやすいシステムであることが問題視され、「一部の悪徳業者がオークション詐欺を行い、詐欺行為が発覚するとペニーオークションに参入している全ての業者が詐欺扱いされる恐れがある。そのリスクを負うことができるか?」ということを指摘され、検討した結果「(詐欺呼ばわりされる)リスクに見合うだけの価値を見出せない」と判断し、参入を断念する大手業者が続出した、という話がある。…結果的に参入を断念した大手業者が恐れていたことが現実のものとなってしまった訳ではあるが。
詐欺の手口
順を追って説明するとこうなる。
- 業者、サクラ(もしくはBOT)、ユーザー、の三者がいる
- 業者が商品を出品する
- ユーザーが落札しようとして入札する(手数料の発生)
- サクラが、客が提示した金額を上回る額で入札を行い、ユーザーの落札を防ぐ
- ユーザーがさらに上回る額で入札しようとする(手数料の発生)
- 4に戻る
これにより、値段をどんどんと吊り上げて、入札手数料だけを取る。 これによって商品を売ることなく儲ける事ができる、という仕組みである。
サクラの代わりとして自動値段吊り上げBOTを導入し、安価では落札できないような仕組みを確立している場合もある。サクラの代わりをプログラムが行っているのだ。
コピペブログとの関連性
いくつかのコピペブログにおいて、ペニオク詐欺サイトの広告を張り付けていることが判明した。
貼り付けていたサイトは以下のとおり。ダミーサイトを経由して貼り付けていたのも含む。
これに対し、ひろゆきがニュース速報(嫌儲)のはちま特定スレに降臨し、転載禁止の措置を行うことを表明した。、
コピペブログが誘導しているペニーオークションサイト
- わくわくオークションランド
- 株式会社アシストが運営しているペニーオークションサイト。このペニーオークションサイトはauction oneという、別のサイトも運営している。
この株式会社アシストの住所は東京都豊島区池袋2-23-21だが、グーグルマップで調べると民家であることが判明した。
また、古物商神奈川県公安員会許可番号は第451380005847号。つまり、名目上の住所が東京で有るにもかかわらず、神奈川県の古物商許可を使っている。
さらに電話番号は0120-665-815。 しかし、この電話番号は株式会社ブラザートゥの物となっている。
株式会社ブラザートゥのサイト→http://brothertwo.jp/company.html
ある2ちゃんねらーがその事に関してメールを出したら以下のように返ってきた。
- なお、ブラザートゥの住所は横浜市神奈川区鶴屋町3-35-8 タクエー横浜西口第二ビル3Fである。
(他に判明しているサイトがあれば掲示板でご報告お願いします。)
逮捕事例
2012年12月、ペニーオークションによる詐欺で初の逮捕者が出た。
http://www.asahi.com/national/update/1207/OSK201212070093.html(リンク切れ)
ワールドオークションなるサイトを運営して、サクラやbotを使って入札妨害して入札者から手数料を延々と搾取し続けるという詐欺を働いていた疑い。出会い系で情報を抜き取って逮捕された人間から芋づるで逮捕された模様。
なお、この詐欺でワールドオークションの関係者が逮捕された後に、同様のペニーオークションを運営していたウェブテクノロジー株式会社の代表者と住所が変更されている。
このペニーオークション詐欺事件に絡み、過去に同サイトや同業他社のステマをしていた多数の芸能人が確認されており、ほしのあき・小森純・綾部祐二・熊田曜子・永井大などが批判を受けて謝罪する事態となった。。
なお、このうち綾部祐二がステマをしていた『プレミアムステージ』や、デヴィ夫人がステマをしていた『DMMポイントオークション』などについては入札妨害など詐欺行為の存在が立証・確認されていないため、これらのステマに関わった芸能人までをも『詐欺』呼ばわりするのは名誉毀損や正確性の問題(ペニオクステマ事件の本質や背景を正しく理解していない=「情報リテラシー能力の低い者」と見られてしまうおそれがある)などの観点から、控えておいた方がいいであろう(※批判されるべきはステマ行為の方、しかしステマそのものは詐欺ではない、という理論が成立するため)。
スネークについて
上記で書かれているようにペニーオークションをやっている会社の住所は案外あっさりと分かる。おそらく、「この住所のところへ行って直接調査したい(スネークしたい)」という人もいるだろう。
が、絶対にやってはいけない。このようなペニーオークションを行なっている会社は暴力団を初めとする反社会的勢力が運営している可能性が非常に大きく、スネークは非常に危険を伴う。(一応危険性を下げるための方法に三人一組で行動するなどの手法があるが、危険性がゼロになるわけではない。)
いいか!絶対にするなよ!
被害にあったら
まずは警察に相談すること。これが大事である。もし出来るのなら、詐欺の加害者である会社や、誘導している広告について、警察に詳しく説明すること。
もしペニオク詐欺らしきことを行なっているサイトを見つけたら
筆者が警察に電話で相談したところ、「ネット上で詐欺サイトの評判があったとしても、警察は調査しない。キチンと被害届を出さないといけない。」と返答された。つまり、被害者にならないと警察は動いてくれないということである。
もっとも、ネットやメールを利用した、匿名の通報が全くの無駄になることは無いと思われるので、通報は行なっておこう。
もし警察にちゃんと調査して欲しい方は自ら被害者になるのもありかもしれない。(おそらく被害にあったお金は帰ってこないので、あまりオススメはしないが。)
通報先一覧
インターネット・ホットラインセンター
警察相談専用電話「#9110」
筆者が利用したのはここである。かなり親切に答えてくれるので、気兼ねなく相談しておくこと。ペニオク以外にも気になることがあったら相談しておくと良いかもしれない。
サイバー犯罪対策課 電話番号 03-3431-8109
主なペニオクサイト
関連動画
主な関与人物
ほか
(参考)本件詐欺事件に関与していないが、同業他社のステマを行なっていたとして批判された人物
ほか
- http://n-styles.com/main/archives/2011/01/24-060000.php
- http://matome.naver.jp/odai/2129588043754713201
このうち、一部の芸能人は警察から事情聴取を受けていたが、ペニオクステマを行った芸能人らが抵触している可能性のある軽犯罪法1条34号(詐欺や誤解を与える広告を行ったことに対する罪)の時効(1年)が過ぎていることなどを理由に立件は見送られた。ただし民事訴訟による損害賠償請求の可能性はまだ残されている。
関連項目
以下、ペニーオークション詐欺の被害にあった際に役に立つもかも知れない記事
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