ペニーワイズがオススメするシリーズとは、ホラー映画『IT』の悪役・ペニーワイズが何かを勧めてくる動画シリーズである。
素材利用されている場面の概要
ある雨の日の道路、兄に新聞紙で作ってもらった船を追いかけて遊ぶジョージ(演:トニー・ダコタ)。しかし船は雨水が流れ込む側溝の中に落ちてしまう。
急いで側溝を覗き込むが既に船は見えず、諦めて立ち去ろうとするジョージだったが、そこへ
と声がかかり、怪しげな道化師・ペニーワイズ(演:ティム・カリー)が側溝の穴からぬらりと顔を出す。
訝しんで首を横に振るジョージにペニーワイズは親しげに話しかけ、黄色い風船でジョージを釣ろうとする。
ジョージは知らない人に注意するように父親から言われていると話して断ろうとするが、ペニーワイズも自己紹介をするなどして食い下がる。
知らない人からは物をもらっちゃいけないんだ。お父さんがそう言ってた。
(I'm not supposed to take stuff from strangers. My dad said so.)
きみのお父さんは賢いねえ、ジョージィ。本当にお利口だ。
(Very wise of your dad, Georgie. Very wise, indeed.)ジョージィ、ぼくはペニーワイズ。踊るピエロさ。きみはジョージィ!
(I, Georgie, am Pennywise, the Dancing Clown. You, are Georgie!)ほら、これで知らない人じゃなくなったよ。だろ?
(So now we know each other. Keeerect?)
行っちゃうの? (Go?)
船を見て歓声を上げるジョージに対して、ペニーワイズは手に取るように促す。
兄に作ってもらった大切なおもちゃだ。葛藤するジョージにペニーワイズはたたみかける。
あれれ……これがほしいんだろう、ジョージィ?
(Oh... You want it, don't you, Georgie?)もちろん、ほしいよねえ? (Of course you do.)
それに、ここには綿アメも乗り物も、びっくりするようなものが何でもあるよ。
(And there's cotton candy, and rides, and all sorts of surprises down here.)
巧みな話術に引き寄せられたジョージは、風船について聞き返しつつ、ゆっくりと新聞紙の船に手を伸ばしはじめる。
それを見ながら、ペニーワイズはねっとりと囁き、そして不意に叫ぶ。
ああ、そうだよ。風船は浮かぶさ、ジョージィ……浮かぶんだ…… (Oh, yes. They float, Georgie... They float...)
そしてここまで下りてきたなら……お前も浮かぶぞ!
(And when you're down here with me... YOU FLOAT TOO!)
場面は変わり、ジョージの葬儀が映し出される。小さな棺が下ろされていく中、神父が聖書の一節を唱える(詩篇 23篇4節途中から6節。ただし6節の部分は「ペニーワイズがオススメするシリーズ」では編集で切られていることが多い。)。
I will fear no evil; for thou art with me;
汝と共にあれば我は災いを恐れず
Thy rod and thy staff, they comfort me.
汝のむちと汝の杖は我を慰むThou preparest a table before me in the presence of mine enemies:
敵の眼前で我がために食卓を設け
Thou hast anointed my head with oil; My cup runneth over.
我が頭に油を注ぎ、杯を満たしたもうSurely goodness and loving kindness shall follow me all the days of my life;
我が命ある限り必ず恵みと慈愛が我を守らん
And I shall dwell in the house of Jehovah for ever.
我永えに汝が宮に宿らん
※英語部分はBible (American Standard)/Psalms - Wikisource, the free online libraryより引用
ちなみにこの納棺シーンの画面左側でクルクル回ってるのは、棺をゆっくり下ろしていくための機械のハンドル部分(参考映像:down coffin lowering device - YouTube)。
嘘字幕について
『IT』の一場面を切り取った嘘字幕シリーズ。
映画で嘘字幕という部分を考えると、総統閣下シリーズやジョーカーさんシリーズと似ている。
ニコニコ動画における初出はメタルマンの人こと知的風ハット氏によって2017年12月に投稿された動画「【嘘字幕シリーズ】ペニーワイズが新作サメ映画をオススメするようです」(現在は削除済み)。ジョージが立ち去ろうとする所で「待てや!」が入るのはお約束。
ニコニコ動画外まで範囲を広げれば、「こっぴー」氏によってTwitterに2017年11月に投稿された以下の動画が確認できる最初のペニーワイズ風評被害動画らしい。
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/kobayashi_powao/status/930787479455547392
ニコニコ動画にも、こっぴー氏本人によって、この動画を含む総集編動画が投稿されている。
犠牲者のジョージがペニーワイズに側溝に引きずり込まれる描写から、なにかの趣味、いわゆる「沼」に引きずり込む話として作りやすい。
主に使われている映像はトミー・リー・ウォレス監督による1991年版『IT』。
2017年にリブートされた『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』もあり、こちらも使用される場合もあるが91年版と比べると少々嘘字幕を使うのには難易度が高い。
好きなものを強引に勧め合うというたいてい不毛な有意義な交流手段として使われている。
なお派生形として「ペニーワイズ死亡ルート」がある。当該記事を参照。
よく使われる語録
- 「はい 調子いい?」
- 「Hiya, Georgie!」の空耳。まるで長年の友人のような気さくな挨拶をしてくれる。初出は前述のメタルマンの人の動画から。
- 「騙されんぞ」
- ペニーワイズから誘われるものの、乗り気になれないジョージ。ちなみに、ここでのジョージはなぜか関西弁で話すことが多い。
- 「面白そう! △△やるわ」「待てや!」 ※△△は同ジャンルの別の作品
- ペニーワイズの布教を受けるがそこまで引き込まれず、「面白そう!」と一蹴しもっと有名な他の作品に移ろうとするジョージ。まあそんなもんである。
- 「えっ うん」
- 急にジョージから耳に痛い直球の質問を返され、素に戻って言い淀むペニーワイズ。勧めてくる物が大体キワモノなのでしょうがないね。
- 「〇〇はいいぞジョージ 深いぞ」
- ダメ押しの一言。上の耳に痛い質問には返答できていない上に「深い」という曖昧な表現でしかないところがツッコミ所ではある。
ジョージなの?ジョージーなの?ジョージィなの?
彼の本名は「George Elmer Denbrough」(ジョージ・エルマー・デンブロー)で[1]、愛称が「Georgie」(ジョージー、またはジョージィ)らしい。
このように英語では名前の語尾を「-y」や「-ie」に変化させて愛称とすることがある。「hypocoristic suffix」(愛称接尾辞)とかいう。
なお問題のシーンでは、ペニーワイズは「Georgie」の方で発音しているように聞こえる。
Twitterでも
Twitterでもこのシリーズは投稿されており、動画作品だけでなく文章・画像のものも多い。
しかし専用のハッシュタグを付ける決まりはないため、「ペニーワイズ」で検索するといいだろう。
著名人では、声優の「中田譲治」がこのシリーズについての画像を投稿している(特にオススメはしていない。)。
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/joujinakata123/status/1039031304996577280
2021年1月には、原作小説の作者であるスティーブン・キング氏までこのシリーズ関連の画像を投稿した(こちらもオススメ自体はしていない。)。ただし内容は政治関連で人を選ぶので、見る際は注意が必要。
関連動画
1991年版
2017年版
MikuMikuDance
関連商品
関連項目
脚注
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