ペリーヌ・クロステルマン(Perrine-H. Clostermann)は、「ストライクウィッチーズ」シリーズの登場人物である。声:沢城みゆき。
概要
ガリア空軍所属のウィッチ。階級は中尉。連合軍第501統合戦闘航空団<ストライクウィッチーズ>のメンバー。モデルは第二次世界大戦期の自由フランス空軍のエースパイロット、ピエール=アンリ・クロステルマン(Pierre-Henri Clostermann)。
ファンからの愛称はペリ犬、ツンツンメガネ。愛称は犬だが使い魔は猫。眼鏡げじ眉ブロンドストレート長髪前髪切りそろえ。気位が高そうにしている。坂本美緒のことを崇拝し、坂本に可愛がられている宮藤芳佳を豆狸と呼んで目の敵にしていた。
……と、典型的なツンデレかいじめっ子キャラのように描写されているが、貴族のお嬢様として育ちながら、ネウロイによってすべてを失った最も過酷なウィッチであり、ガリア奪還に賭ける執念とそれでも気丈に誇り高く振る舞う彼女の姿を評価する声も多い。
『ストライクウィッチーズ』ラストでガリアが解放され心に余裕ができたためか、『ストライクウィッチーズ2』では性格もだいぶ角が取れ、芳佳を始めとした他のメンバーとの関係も良好になっていることが見て取れる。さらに『ストライクウィッチーズ劇場版』における服部静夏との対話シーンではまるで聖女のような優しさを見せており、彼女の成長が垣間見られる名シーンとなっている。本来は優しい性格なので、こちらの方が本当のペリーヌの姿と言えるのかもしれない。SPT!
パーソナルデータ
- 本名:ピエレッテ (Pierrette-H Clostermann)。「ペリーヌ」は本来愛称だが、本人が「ピエレッテ」と呼ばれることを望んでいない模様。OVA当時の設定でTVアニメ以降ではほぼ使われておらず、設定として生きているのか実はよくわからない。「ペリーヌ・アンリ・クロステルマン」と署名することもある。[1]
- 使用武器:ブレン軽機関銃はブリタニア製(設計元はオストマルク国営兵器廠)。本来ペリーヌはMle1924/29軽機関銃(ガリア製)を使用したかったのだが、Mle1924は弾薬・消耗品の補給に難がありやむなくブレンを使用している。レイピアは家伝のもの。
- 固有魔法『雷撃』:魔力を電撃に変換して放出する。ウィッチの中でも極稀とされる、直接攻撃が可能な固有魔法で、クロステルマン家のウィッチに代々受け継がれている。消費魔力が大きいので連続使用ができない(あと髪が乱れる)が、攻撃範囲の拡散・収束が可能である。使用時に「Tonnerre(トネール)!」と叫ぶが、別に言わなくても使えるはず。
- 故郷ガリアがネウロイの支配下にあった『SW』の時期には、お嬢様としての気位の高さに加え、故郷への思い、強い責任感、戦況への焦燥から、周囲に対して攻撃的なところが強かった。
- しかし本質的にはノブレス・オブリージュを旨とする、優しく誇り高きガリア貴族。かなりの生真面目で、とかく融通が利かない頭の固さをイジられがち。態度の割に寂しがり屋な一面もある。
- 故郷の解放を受けた『SW2』以降は、表向きつんけんした態度こそ変わらないものの、何かと周りを気にかけたり、他者に気遣いができる余裕を取り戻した様子がうかがえる。
- 高い素質と固有魔法から将来を嘱望され、幼少の頃から正規の空戦ウィッチ訓練を受けていた。このため逆にクロステルマン家が代々受け継いできたハーブ関連の技術には疎く、コンプレックスになっている。
- 胸が小さいことをかなり気にしている。ペリーヌでかいの態度だけ(エーリカ・ハルトマン「おっぱいのうた」より)。一番近い比較対象がよりによって芳佳なのが余計に事態を助長しているんではないかという気がしなくもない。
- 家臣に老家令ジャン=ポール・パスパルトゥがいる。クロステルマン家で代々家令を務めるパスパルトゥ家の出で、かつてはペリーヌの祖母の付き人を、今はクロステルマン家と領地の財産管理を一任されている。ネウロイの侵攻時はちょうどブリタニアに出張中で、前線に出たペリーヌの影で避難した使用人や村人をとりまとめていた傑物。
- ペリーヌの祖母ペネロープ・クロステルマンもウィッチの経歴があり、隣国ネーデルラントを象徴する青薔薇「クィーン・オブ・ネーデルラント」の開花に関わったことがある。
経歴
- ガリアはパ・ド・カレー侯爵家の惣領娘で、代々ウィッチを輩出し、特にハーブの栽培と使用の技術を受け継いできた名家の出身。ガリアへなだれ込んだネウロイにより、故郷や家族など多くを失った。
- 幼少よりガリア空軍付属学校でウィッチとしての訓練を受けた。ネウロイの侵攻時は訓練のためガリア南方にいたため難を逃れ、単身ガリアからブリタニアに渡って自由ガリア空軍に参加する。
- 少尉として第602飛行隊所属となるも、時期が悪くブリタニア空軍でのストライカーユニットの不足から使用ユニットは二線級、任務は輸送艦の護衛ばかりだった。それでも経験と戦果を積み重ね、青小隊の一番機、すなわち「青の一番(ブループルミエ)」として知られるエースとなる。
- その評判はブリタニアでも知られるところとなり、基地を訪れた坂本美緒より第501統合戦闘航空団<ストライクウィッチーズ>の設立に直接スカウトされ参加。中尉に昇進する。
- 『SW』でのガリア解放後は、リネット・ビショップ、ウィルマ・ビショップ、アメリー・プランシャールらと共にガリア復興に尽力。リーネとともに立ち上げたガリア復興財団に財産のほとんどを寄付した。
- 解放後のガリアでは実は国家的な救国の大英雄。特進とともに新設の第506統合戦闘航空団<ノーブルウィッチーズ>司令への就任を求められるも、ガリア復興に注力したいと昇進ともども辞退している。
- 『SW2』では、ヴェネツィア陥落による501JFW再結成にリーネと共に駆けつけ、合流・復帰する。
- ガリア解放以降、リーネ、芳佳ともども半年ばかり飛んでいなかったため空戦の腕がなまっており、アンナ・フェラーラのもとで再訓練を受ける羽目になった(『SW2』3話)。なお、この時期もウィッチとしての給料はすべてガリアの復興に送っている。
- ヴェネツィア解放後はリーネと故郷にふたたび戻り、予備役相当の状態で戦災孤児たちを屋敷に引き取って教育するようになる。ガリア空軍の配慮により、故郷パ・ド・カレー周辺の防衛を目的としてパ・ド・カレー戦闘飛行隊「クロステルマン」が特設され、アメリーとともに所属した。ユリウス、ローズ兄妹を保護し、彼らのために尽力する(『SW O.V.A.』Vol.3)。
- 『SW劇場版』ではヘルウェティア留学のため再々度欧州を訪れた宮藤芳佳(と随行員の服部静夏)がパ・ド・カレーに到着し、ペリーヌのシャトーで一泊する。その後、芳佳の危機に際してリーネとともに駆けつけ、その危機を救った。
- 『SW RtB』では、アントウェルペン防衛に合流し、501JFW再々結成に参加して前線復帰。
<ストライクウィッチーズ>他メンバーとの関係
- とにかく余裕がなかった『SW』当時と『SW2』以降で、他メンバーへの認識の変化が大きい。なかでも、比較的地味だったり緩かったりする面々に顕著(といっても、根が生真面目ツンデレなだけに全面的に認めるというわけではないのがご愛嬌)。
- 坂本美緒には、初対面で模擬戦を挑み完敗を喫した。坂本のおおらかさに感銘を受け、以後はほとんど崇敬するようになる。亡父の面影を重ねている部分もあった模様。
- 宮藤芳佳のことは憧れの坂本少佐にひっつく邪魔者扱いだったが、ガリア解放を経て良き友人となり、『SW劇場版』では芳佳が501JFWにもたらした変化を極めて高く評価している様子がうかがえる。
- リネット・ビショップとはガリア解放をきっかけに親しくなりやがて良き友人に。クロステルマン家の屋敷に同居し、共にガリア復興にあたっている。
- エイラ・イルマタル・ユーティライネンには「ツンツンメガネ」呼ばわりされるたびに突っかかっているが、エイラの相談に乗るなど意外と仲は悪くない。むしろ互いに気のおけない、自然体で付き合える仲といったところで、フミカネ先生いわく「大人になったペリーヌを年相応の少女に戻してくれる存在」。
- サーニャ・V・リトヴャクとは生活時間がまったく噛み合わず、あまり評価も意識もしていなかったようだが、『SW2』の頃には「夜間哨戒のような役割も大事なこと」と認めるようになっている。
- ガリア解放後の落ち着きは周囲も認めるところで、ゲルトルート・バルクホルンなど年長のメンバーからは「501JFW年少組のまとめ役」として嘱望されている。
- 再々結成時に着任した服部静夏には、憧れの芳佳の絶不調で訓練でも集中が途切れがちな様子に対し先達として忠告を与えている。ペリーヌ自身も、長年憧れてきた坂本と転任という形で離れた身であった。
他ウィッチとの関係
- アメリー・プランシャールは自由ガリア空軍での友人。というか尊崇されている。ペリーヌのカモミールティーはアメリーから教わったもの。ガリア解放後はクロステルマン家の屋敷で復興を手伝っている。
- ガリア貴族として司令に推薦された過去もあって、ガリア防衛を担う506JFWのうち貴族ウィッチからなるA部隊とは親交がある。506JFWメンバーがペリーヌの屋敷を訪れ、戦闘隊長ハインリーケ・プリンツェシン・ツー・ザイン・ウィトゲンシュタインとは模擬戦闘を行ったことも。
補遺
- 『SW劇場版』後半に「間に合えー!」という台詞があるが、これは沢城みゆき氏がラジオウィッチーズにて「間に合えー、みたいな台詞言いたいよね」などと言っていたら叶ってしまったもの。出演声優のなかでまことしやかに囁かれる「ラジオで言った要望はいつか叶う」伝説の一端である。
関連動画
関連静画
関連コミュニティ
関連項目
脚注
- *Pierrette は仏語ではピエレットと発音されるが、モデルのピエール=アンリ・クロステルマンが(ドイツ系の姓であることからも明らかなように)アルザス・ドイツ系の出自のため、彼女の名も独語式にピエレッテと発音されている可能性がある。また H. はモデルの名からおそらく Henriette で、仏語式でアンリエット、独語式でヘンリエッテ。なお、ピエレット=アンリエットまたはピエレッテ=ヘンリエッテで一つの個人名である(複合名)。
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