ペルラ・プッチ単語

ウェザーこと「ウェス・ブルーマリン」は、本編中に登場する記憶を無くす前の「ウェザー・リポート」であり、エンリコ・プッチの双子の弟。つまりペルラとウェスは実の兄妹である。

エンリコとウェザーは双子の兄弟として生を受けたが、同じ日に生まれその日のうちに息を引き取った赤ちゃんの母親が、その自分の子の死を受け入れることが出来ず、医者や看護師がその死に気づかないうちにプッチ兄弟のひとり(ウェザー)とすり替えてしまったのだ(その後、プッチ家ではすり替えられた赤んぼうにドメニコと名付けた)。

エンリコは自分と同じ日に生まれて死んだ弟の話を聞いて、人の真の幸福とは何なのかという気持ちを抱き、その真実を知るために神学校に進学する。そしてペルラとウェザーが出会う2カ月ほど前にウェザーの養母が自分の死期を悟って赤ん坊をすり替えた事実を、エンリコを神父と勘違いして懺悔室で告白しその事実を知ってしまった。

信者の告白には守秘の義務がある為、この件について誰にも相談できずエンリコは思い悩んでいたが、ペルラからボーイフレンドが出来た事を打ち明けられ、そのボーイフレンドがウェザーと知ってしまったエンリコがとった道は、何でも屋の私立探偵を雇い『何も質問せずに2人を別れさせる』事を依頼する事だった。実の兄妹である事を告げずにペルラを傷つけずに済ませるには、ゴロツキに脅させて別れさす事で、ペルラが味わうのは誰もが経験するただの失恋で致命的な心のキズにはならないと思っていた。

だが、エンリコはこの私立探偵については何も知らず、実はKKK(白人至上主義)のメンバーで、彼の地獄耳でウェザーの養母が過去に黒人と結婚していたことからウェザーを黒人の息子と誤解してしまう。ウェザーはペルラの目の前で私立探偵とその仲間らにリンチを受け、ウェザーの養母の家にも放火して来た事も、この依頼がペルラの兄エンリコの依頼である事もバラし、ウェザーとペルラに深い絶望を与えてしまう。エンリコも、ペルラも、2人の両親も、ウェザーとその養母も、全員が人を愛しただけなのに愛は最悪の事態を引き起こしてしまった。

リンチが起こったあとの夜明け、ウェザーは崖の上の木にロープで首を吊らして放置され、一部始終を見てしまったペルラはこの時まで本当に純粋で心の中にはそよ風が吹いていた。しかし、ウェザーを木から下ろした後、「あたしの心の中にはもう……雨が降る事さえない」とつぶやいて崖の下の湖に身を投げてウェザーの後を追ってしまう。ウェザーがまだかすかに脈がある事も知らずに…。

エンリコは本当にペルラを守ろうとしていたのだが、神父を目指そうとしたために事実を知りそれを打ち明けられないジレンマのうちに起こした行動が、よりにもよって黒人差別という人間の悪意にペルラを曝し、しかも信頼していた兄がそうさせたという誤解は、ペルラにとってその後の人生に悪い事が起こる事も受け入れる事すら出来ないという道を選んでしまい、エンリコ自身にも深い絶望を与えてしまう。

この時エンリコが願った「ペルラの命を返してほしい」という願いに、1年前に出会ったDIOから貰った「弓と矢」の矢じりがエンリコの胸を貫き、「生命は元には戻せないが、心の記憶は手に入れられる」として心をDISCに封じ込めて取り出す「ホワイトスネイク」が発現。同時にウェザーも彼の爽やかな天気のような性格から天候を左右できる「ウェザー・リポート」が発現したが、ペルラを死なせてしまった絶望への怒りから全ての人間を憎み、全ての生物をカタツムリ化させる「ヘビー・ウェザー」に発展させてしまった。

• TVアニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」第2OP「Heaven’s falling down」のOP映像では、各メインキャラクターのそれぞれの過去が映し出されているが、ウェザー・リポートのパートでは記憶が無い為にその過去は雲によって覆われているが、最終回のバージョンになるとこの雲が取り払われ、崖の下の湖に身を投げるペルラ・プッチであったことが明かされる。