ペンは剣よりも強しとは、「言論は武力に勝る」という意味で使われることの多い慣用句である。
概要
「ペンは剣よりも強し」は、19世紀のエドワード・ブルワー=リットンの戯曲『リシュリュー』の一節、“The pen is mightier than the sword.”の和訳である。ただし、全文は「完全に偉大な人物の支配下ではペンは剣よりも強し」“Beneath the rule of men entirely great, The pen is mightier than the sword.”である。
本来の「権力のもとではペンは剣よりも強し」について、ペンは書類にサインすることを意味し、反旗を翻す者に対して「令状(逮捕状や死刑執行の命令書など)にサインする」と脅しているものだと解釈できる。しかし現在は、もっぱら「言論の力は武力より強い」と解釈されて用いられており、リットンの意図とは異なった使い方に変化している。
なお、「ペンは剣よりも強し」に類似する考え方は、戯曲『リシュリュー』以前から存在する。たとえば、紀元前500年頃に、賢者アヒカルが「言葉は剣よりも強い」と言ったとされる。17世紀初頭のウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ハムレット』には、「レイピアを身に着けた多くの者がガチョウ羽のペンを恐れている」“Many wearing rapiers are afraid of goose-quills.”という一節がある。
慶應義塾のエンブレムの意匠は「ペンは剣よりも強し」が由来となっており、ペンのマークにラテン語表記“Calamvs Gladio Fortior”を取り合わせている。
ペンが実際に剣よりも強い場合
前述した本来の意味とは全く異なるが、色々な超人達人が登場する格闘漫画『バキ』にて、ペンが剣よりも強いことを見せ付けているシーンが存在する。
ある夜の繁華街の一角。いじめられっ子の少年に、その担任だと思われる先生が熱弁を振るう。
「勉強で見返してやれッッ ペンは剣よりも強しッッ」
あまり解決になってない慰めに半信半疑の少年であったが、その時事件が起こった。すぐ近くにはたまたま烈海王(作中有数の達人)がいたのだが、その烈を追いかけてチンピラが「あんたの首を取れば杯をやるって言われたんだ」と言ってドスを抜き放つ。
「わたしはかまわん!」と受けて立った烈だが、何故かその時に限って素手では分が悪いと思ったのか、近くにいた少年の胸ポケットに刺さっているペンを見ると、そのペンを拝借。ペンを手に持った烈は、そのペンでチンピラが振り回すドスをいなし、打ち払い、瞬く間にチンピラを制してしまった。
「謝謝(ありがとう)」と言いながら少年の胸ポケットにペンを戻して颯爽と歩き去る烈の背中を見ながら、少年は呟いたのであった。
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物理的な意味
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関連項目
- ペン / 剣
- 名言
- 銃は剣よりも強し - 漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の登場人物、ホル・ホースの言葉。
- 烈海王 - 漫画『グラップラー刃牙』に登場する、ペンは剣よりも強しを実践した人物。
- 言っていない台詞
- 誤用の多い日本語の一覧
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