概要
ホウネンエビ | |
目 | 無甲目 |
科 | ホウネンエビ科 |
学名 | Branchinella kugenumaensis |
英名 | Fairy shrimp |
全長約15~20㎜程で、体色は透明感のある白色だが、緑や青みを帯びた個体もいる。頭部には左右に突き出した1対の複眼と糸状で頭部の前方へ短く伸びる触角、口器をもつ。
夏の水田やため池で、腹面を上に向けた仰向けの姿勢で水面をゆっくり泳いでいるのが見られる。常に鰓脚を動かし、餌は鰓脚を動かした水流で、腹面の体軸沿いに植物プランクトンなどの有機物を含む水中の懸濁物を口元に集めて摂食している。
卵は耐乾燥性を有しており、水田から水が抜かれても土の中である程度生存し続け、次にまた水が溜まった時に孵化することができる。
名称について
名称の「ホウネン」は「豊年」からきており、ホウネンエビが水田などに沢山発生した年は豊年になるという言い伝えがある。
また、地方による別名等も沢山あり、「ホウネンウオ」「ホウネンムシ」「オバケエビ」などと呼ばれることもある。
観察キット
上記のような卵の耐乾燥性を利用し、容器に入った「ホウネンエビ」の卵と簡易水槽などをセットにしたものが、子供などに向けた観察用キットとして安価で販売されている(このページ下方の「関連商品」も参照)。いわゆる「シーモンキー」の類似商品とも言える。
ただし「粉みたいな卵を水に振り入れるだけで妙な生き物が孵化する面白さ」に焦点を当てた商品であり、付属の水槽は長期飼育などはあまり想定されていない。
ちなみに、こういったキットに入っている卵は厳密に言えばホウネンエビの卵ではない。商品説明をよく見ると「アルテミア・サリーナ」の卵であると小さく記載されていることが多い。この生き物は「無甲目(ホウネンエビ目)」に属するところまでは同じだが、ホウネンエビが「ホウネンエビ科」に属するのに対し、こちらは「ホウネンエビモドキ科」に属する生き物なのだ。見た目も性質もよく似ていることから、日本語名称で解りやすい「ホウネンエビ」を称しているものと思われる。
関連動画
関連商品
関連項目
- 2
- 0pt